更新日: 2023.07.30 NISA

FPが教えます! 現行のNISAの始め方とは

FPが教えます! 現行のNISAの始め方とは
新しいNISAが2024年1月から始まります。従来のNISAよりも利用者にとって魅力的な内容に拡充されるため、これを機にNISAを始める方もいるでしょう。
 
では、今から現行NISAを始めたほうがよいのでしょうか。
仁木康尋

執筆者:仁木康尋(にき やすひろ)

日本FP協会CFP(R)認定者、国家資格キャリアコンサルタント

人事部門で給与・社会保険、採用、労務、制度設計を担当、現在は人材会社のコンサルトとして様々な方のキャリア支援を行う。キャリア構築とファイナンシャル・プランの関係性を大切にしている。

現行のNISAを今から始める場合のポイント

(1) 今から現行のNISAを始めてもよいのか

新しいNISAが始まるまでまったほうがよいのか、それとも今から現行のNISAを始めたほうがいいのか、迷うこともあるでしょう。
 
毎月一定額を積み立てるタイプの「つみたてNISA」(※1)は、コツコツと元本と運用益を積み上げることで、より運用効果を高めていくことができます。後述しますが、早めにスタートするメリットはありますので、「つみたてNISA」は今から始めても良いと思います。
 
(※1)新しいNISAでは『つみたて投資枠』になります。
 

(2) 今から「つみたてNISA」を始めるメリット

2024年1月からは、現行のNISA口座での積み立てはできませんが、非課税期間中(投資した年を含め20年)は継続して保有して非課税での運用を続けることはできますし、また売却もできます。
 
新しいNISAの非課税保有限度額は、つみたて投資枠と成長投資枠を併せて全体で1800万円と拡大されます。また、現行のNISA口座で保有しているものとは別枠となります。つまり、現行のNISAの非課税期間中は、新しいNISA分と現行のNISA分が並走するかたちですので、その分非課税保有限度額が増えることになります。
 
なお、現行のNISAは、その非課税期間終了後は新しいNISA口座へ移管はできず、時価で課税口座に移管されます。
 

(3) 「一般NISA」には注意が必要

これから現行の「一般NISA」を始める場合には注意が必要です。
 
「一般NISA」の非課税期間は5年しかありません。仮に今年から始める場合には2027年末までです。非課税期間が終了すると自動的に課税口座に時価で移管されます。
 
この5年間で投資した商品が値下がりした場合には、値下がりした状態で(非課税のメリットを受けることなく)課税口座に移管されます。その後価格が回復し売却した場合には取得価格が下がっていた分だけ利益が多く出る結果となるため、税金を多く払うことになります。
 
そのため、5年間の非課税期間中に利益が出ているうちに課税口座に移しておくか、非課税期間中に売却するなど対策を検討しておく必要はあるでしょう。
 

(4) 非課税保有限度額

現行のNISAでは、「つみたてNISA」は800万円(年間投資枠は40万円)、「一般NISA」は600万円(年間投資枠は120万円)で併用はできません。
 
新しいNISAは、併用も可能です。成長投資枠(※2)として1200万円の限度額が設けられており、全体で非課税保有限度額が1800万円です。つみたて投資枠だけで1800万円の枠を使用することも可能ですし、成長投資枠を最大限1200万円使用し、残りの600万円をつみたて投資枠に充てることも可能となります。非課税保有限度額は簿価残高(買付け残高)で管理されます。
 
(※2)現行のNISAでは『一般NISA』に該当します。
 

(5) NISAの口座開設

今から現行のNISAを始めると、年明けに改めて新しいNISA口座をつくらないといけないのでしょうか。
 
現行のNISA口座を開設している場合は、同じ金融機関で自動的に新しいNISA口座が開設されることになるため特段の手続きは必要ありません。もしこの機会に金融機関を変更しようとしている場合には別途手続をします。
 

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まとめ

以上、現行のNISAを始める場合に気に留めていただきたい点をまとめてみました。今年から現行のNISAを始める場合の参考になれば幸いです。
 

出典

金融庁 NISAとは
 
執筆者:仁木康尋
日本FP協会CFP(R)認定者、国家資格キャリアコンサルタント

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