更新日: 2023.09.17 その他資産運用
60歳で定年退職する親が「退職金で資産運用しようかな」と言っています。危険はないでしょうか?
60歳からの資産運用で注意しなければならないことは何か、どのようなリスクがあるのか、解説します。
執筆者:飯田道子(いいだ みちこ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト
金融機関勤務を経て96年FP資格を取得。各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などをおこなっています。
どの金融機関にも属さない独立系FPです。
定年後は収入が限られることを忘れてはならない
資産運用をすると、大きく利益が得られる可能性がある一方、大きく損をしてしまう可能性もあります。とはいえ、若い世代であれば、運用で損失を被ったとしても、新たに収入があるため、損失額を埋め合わせることができたり、新たに運用資金を準備できたりしますので資産運用をする価値は大いにありそうです。
一方、退職後となると話は別です。
定年退職後となると、働いたとしても現役世代のときと比べて給料は下がることがほとんどですし、年金受給開始まで働かずに過ごしている人もいます。つまり、収入が限られてしまい、損失をカバーするだけの時間や収入が得られない可能性が高くなってしまうのです。定年後に資産運用を始めたい場合は、収入が限られてしまうことを忘れてはなりません。
【PR】資料請求_好立地×駅近のマンション投資
【PR】J.P.Returns
おすすめポイント
・東京23区や神奈川(横浜市・川崎市)、関西(大阪、京都、神戸)の都心高稼働エリアが中心
・入居率は99.95%となっており、マンション投資初心者でも安心
・スマホで読めるオリジナルeBookが資料請求でもらえる
余裕資金で運用する
収入が限られてしまうからといって、必ずしも資産運用をしてはいけないという訳ではありません。
まず、考えてほしいのは投資経験です。
60代以降でも、資産運用をしている人は多くいらっしゃいますが、いずれも若い世代から資産運用を行ってきた、いわば経験者であるケースが多いかもしれません。定年退職後の60歳から資産運用を始めた場合であっても、投資に関する勉強は必須です。資産運用や投資関連の書籍を読む、セミナーに参加する、インターネット等で情報を収集することも必要です。
そのため、60歳以降で初めて資産運用を始める場合には、これからの生活に必要となるお金を除いた余裕資金の一部からスタートしてみてはいかがでしょうか?
●生活資金
●各種保険料
●各種借り入れの返済資金
●子どものための援助費(結婚、住宅購入等)
●その他
リスクの小さい金融商品で運用する
金融商品のなかには、一般的に、価格変動が大きいものとそうではないものがあります。基本的に、大きな利益が得られる可能性のある商品は、損失も大きくなりがちです。反対に、利益が小さい商品は、損失も小さく済む可能性が高いといわれています。
主に、以下の4つのリスクがあります。
●価格変動リスク:マーケットが動くことで価格が変わり損失を被るリスク
●為替変動リスク:為替相場が動いたことによって損失を被るリスク
●信用リスク:預金先の金融機関や投資先の国や社債・株式等を発行した企業などの経営悪化・破綻で損を被るリスク
●流動性リスク:必要なときにすぐに換金・売却できないリスク
しかしながら、すべてのリスクを回避できる金融商品はありません。60歳から資産運用をするのなら、できるだけリスクの小さい金融商品を選んで行うことをおすすめします。
例えば、絶対に元本割れはしたくないのなら、銀行の定期預金や積立定期預金で運用する、その他に少しリスクを取って、優良企業の社債を償還日まで保有する等が考えられます。
投資信託は元本保証ではありませんが、下落幅を抑えることを目的とした、リスクコントロール型の銘柄に投資するといった方法もあります。ただし、リスクコントロール型の投資信託は、信託報酬が高くなるなどのデメリットもあります。商品の名称に惑わされないことも大切です。
まとめ
少し難しい言葉が出てきましたが、資産運用をするときには、分からない金融商品に投資をしないことも大切です。分からない用語、語彙(ごい)があったときには、内容を理解してから、資産運用をするのか・しないのかを判断してください。くれぐれも、余裕資金で運用することを心がけましょう。
執筆者:飯田道子
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト