更新日: 2023.11.17 その他資産運用

父が「退職金で投資をする」と言っています。安全のために、最低いくら預金に残しておいたらいいですか?

執筆者 : 吉野裕一

父が「退職金で投資をする」と言っています。安全のために、最低いくら預金に残しておいたらいいですか?
銀行などのお金を預貯金用口座に預けてもほとんど増えないこと、また「投資を行っている」と話す人が自分の周りに多くなってきたことから、「自分もやってみよう」と思う人もいるのではないでしょうか。
 
今回は、定年退職し退職金という大金を受け取った父親が投資を始めようとしていることに、不安を抱いた方から相談を受けました。心配していた相談者の方に向けたアドバイスを、事例として取り上げます。

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吉野裕一

執筆者:吉野裕一(よしの ゆういち)

夢実現プランナー

2級ファイナンシャルプランニング技能士/2級DCプランナー/住宅ローンアドバイザーなどの資格を保有し、相談される方が安心して過ごせるプランニングを行うための総括的な提案を行う
各種セミナーやコラムなど多数の実績があり、定評を受けている

https://moneysmith.biz

今後の生活費を考えた投資

相談者の方の父親はこれまで投資を行ったことはなく、老後資金は公的年金と企業年金を受け取れる予定でした。2019年に、金融庁の報告書の発表から老後2000万円が不足するという話題もあり、少しでも使えるお金を増やしたいという思いがあったようです。
 
「人生100年時代」とよく聞くようになり、長生きがうれしいと感じる反面、長生きに対する不安を抱く方も増えてきているのではないでしょうか。
 
資産運用では、投資した額を下回る可能性も考えることが大切です。退職金を投資に回す場合には、まず、これからの生活費がどれくらい必要で、どのくらいの額を退職金から生活費に回さなくてはいけないか、確認してみることが大切です。
 

投資のリスクを理解する

相談者の方は「投資はリスクがあるから避けた方がよい」という考えを持っていました。確かに、投資を行うに当たって「リスク=損をする」というイメージを持っている人も多いのかもしれません。
 
前述のとおり、投資を行うとき、投資対象の金融商品の価格がこれまで投資した額を下回ることはあり得ます。投資における「リスク」とは、「不確実性」や「振れ幅」のことをいいます。想定された利回りを実際の利回りが上回る時期はありますが、反対に下回る時期もあり、この増減を繰り返しながら資産は増えていくことになります。
 
例えば、想定利回り5%である商品のリスクが20%であれば、長期間で運用を行えば5%の利回りが期待できます。しかしその運用期間中には、利回りがマイナス15%のときもあれば、プラス25%になるときもあります。
 

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投資を行うには目的も大切

相談者の父親が「投資をしたい」と思った理由を確認したところ、「退職金を少しでも増やして老後資金の足しにしたい」ということでした。そこで「いくら預金に残しておくとよいか」という本題に入ります。
 
まず、相談者の父親の場合、公的年金と企業年金を合わせて28万円(配偶者の老齢基礎年金を含む)を75歳まで受け取れますが、75歳以降の収入は公的年金21万円のみとなるようでした。さらに約3年後に、老朽化している家のリフォームやバリアフリー対応の改築を行うために、予算500万円を考えていました。
 
そこで、企業年金が受け取れなくなる75歳以降に生活費などへ回せるように、資産運用を行うことをアドバイスしました。父親には現在の預貯金に700万円ありましたが、改築費用の500万円は投資に回さず、定期預金へ預けることを提案しました。
 
運用に回すお金は10年以上先に使う目的が望ましいとされています。10年以上投資しておくことで、前述もした下振れ時でも元本を下回らなくなる可能性が高くなるのです。
 
今回のように、10年以内に使う目的があるお金は、投資に回すことは望ましくありません。このような場合は、元本を確保しながら、少しでも増やせる方法を考える方がよいでしょう。 退職金のように多額のお金が入ったときに、まず10年以内に使うお金や生活費の不足分を、預金などに預けると安心です。
 

まとめ

投資に関しては誤った認識を持っている方も多く、今回のケースにおける相談者の方も「投資は危険なもの」というイメージを持っていました。しかし、投資では「リスク」というと危険ではなく「不確実性」のことを指します。
 
退職金を10年間は使わなくてよい場合であれば、投資に回すことも可能でしょう。しかし退職金を大切な老後費用として考えている場合は、基本的に株や投資信託のような価格変動を含む商品は不向きといえます。
 
現在では老後が長期間になる可能性もありますので、老後のライフプランを考えた資金計画も大切です。
 
執筆者:吉野裕一
夢実現プランナー

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