更新日: 2023.12.14 その他資産運用
「投資を始めたいけど絶対に損をしたくない」と思っているあなたは、リスクの意味を勘違いしている!?
そのようななか、「私も投資を始めたいです。でも、絶対に損をしたくありません」という相談がありました。気持ちは分かりますが、このようなことを言われると「リスクの意味を理解してから投資を始めたほうがいいのではないか」と思ってしまいます。
そこで今回は、投資におけるリスクについてどのように解釈すればいいか、長年の投資経験も踏まえて説明します。
執筆者:重定賢治(しげさだ けんじ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)
明治大学法学部法律学科を卒業後、金融機関にて資産運用業務に従事。
ファイナンシャル・プランナー(FP)の上級資格である「CFP®資格」を取得後、2007年に開業。
子育て世帯や退職準備世帯を中心に「暮らしとお金」の相談業務を行う。
また、全国商工会連合会の「エキスパートバンク」にCFP®資格保持者として登録。
法人向け福利厚生制度「ワーク・ライフ・バランス相談室」を提案し、企業にお勤めの役員・従業員が抱えている「暮らしとお金」についてのお悩み相談も行う。
2017年、独立行政法人日本学生支援機構の「スカラシップ・アドバイザー」に認定され、高等学校やPTA向けに奨学金のセミナー・相談会を通じ、国の事業として教育の格差など社会問題の解決にも取り組む。
https://fpofficekaientai.wixsite.com/fp-office-kaientai
投資はリスクを取りにいくことが求められる
投資の世界では、リスクは不確実性を意味します。リスクについて危険という意味で解釈してしまうと、「投資にはリスクがある」=「投資は危険」となり、投資は損をするものと思ってしまいます。
ここに普段の会話と投資の世界で使う言葉のギャップが存在するわけですが、投資におけるリスク(不確実性)は「不確実なこと」=「確かではないこと」となるため、損失が出ることもあるかもしれないが、利益が出て得することもあるかもしれないと理解しておく必要があります。
つまり、このような「不確実性に向き合うこと」=「リスクを取りにいくこと」が投資にとって必要な姿勢といえます。
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「絶対に損をしたくない」は「確実にもうけたい」という意味
投資で絶対に損をしたくないというのは、裏を返せば確実にもうけたいという意味にもなり、0か100かの話になってしまいます。
仮に、確実にもうけたいのであれば、安全性の高い預貯金でお金を貯めるのが適切な方法といえます。ただし、日本の場合は預金金利が非常に低いので、投資のように利益を出して資産を増やしていくことはほぼできません。
「それなら、日本よりも金利が高い国の通貨で預金すればいいのでは?」と思うかもしれませんが、外貨預金の場合、日本円から対象国の通貨に換金する必要があるため、為替変動のリスクが生じます。必ず利益を出したい場合、為替のリスクは取るべきではないでしょう。
このようなことから、投資の世界では確実にもうけることは不可能で、絶対に損をしたくないという望みを実現するのは非常に難しいといえます。
自分の気持ちがリスクに対してどう反応するか
投資は習うよりも慣れろといわれますが、リスクに対して自分がどのような反応を示すか、あらかじめイメージしておくといいでしょう。
例えば、10万円を元手に投資を始めるというケースで、2万円の利益が出たらうれしいと感じ、2万円の損失が出たときは仕方がないと思えるようなら、リスクに対してそれほど大きな感情の浮き沈みはないと気づくことができるでしょう。
しかし、2万円の利益で歓喜し、気持ちが高ぶったり、逆に2万円の損失で意気消沈したりして落ち込むだろうと思う場合、リスクに対して敏感に反応するということです。
前者はリスクに対する感度が鈍く、後者は感度が高いことを表しています。これはどちらが良い悪いという話ではなく、あくまでも個人投資家として、自分の感情にどのようなクセがあるかを知るための方法です。
リスクに対して感度が鈍い場合、ある程度の不確実性を受け入れられるリスク許容度が備わっているといえるでしょう。しかし、リスクに対する感度が高い場合は、リスク許容度が低いといえるかもしれません。
このような視点で見た場合、リスク許容度が高い人なら積極的に投資する、逆にリスク許容度が低い人は積極的な投資は控えるなど、自分のリスク許容度に応じた投資スタンスを考えることができるようになります。
まとめ
冒頭で取り上げた「投資を始めたいが、絶対に損をしたくない」という相談者の考え方は、投資の世界で用いられるリスクの意味を取り違えていることに直接的な原因があります。
人生は良いときもあれば悪いときもあるわけですから、投資も同じように考え、リスクの意味を理解し、得をすることもあれば損をすることもあるとリスクに向き合う姿勢をもってから始めるのがいいのではないでしょう。
執筆者:重定賢治
ファイナンシャル・プランナー(CFP)