更新日: 2023.12.21 NISA

手取り17万円なので将来のことなんて考えられません…! 「新NISA」を月1万円で30代から始めると60歳時点でいくらに?

執筆者 : 柘植輝

手取り17万円なので将来のことなんて考えられません…! 「新NISA」を月1万円で30代から始めると60歳時点でいくらに?
誰しも生きていれば必ず老後はやってくるため、現在の手取りが少なくても将来のことを考えないわけにはいきません。将来への備えとして、少額でも始められる投資非課税制度のNISAがあります。
 
そこで今回は、2024年から始まる新NISAで30歳から毎月1万円ずつ積み立て、60歳まで運用し続けた場合、老後資金をどのくらい用意できるのか考えていきます。

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柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
◆お問い合わせはこちら
https://www.secure-cloud.jp/sf/1611279407LKVRaLQD/

2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

新NISAは老後の資産形成に向いている

新NISAでは非課税保有期間が恒久化され、年間の投資枠が現行の一般NISAに当たる「成長投資枠」で240万円、新NISAに該当する「つみたて投資枠」で120万円となるほか、それらの併用が可能なため、年間で最大360万円まで一定の投資信託(一部ETFを含む)や株式を購入できます。
 
現行のNISAでは、通常は運用益にかかる約20%の税金が一般NISAで5年間(限度額600万円)、つみたてNISAでは20年間(限度額800万円)非課税となります。
 
対して新NISAは、成長投資枠、つみたて投資枠の合計で1800万円(そのうち成長投資枠は1200万円まで)を限度に非課税保有期間が無期限となるので、より長期間にわたってコツコツと老後に向けた資産形成が行えます。
 
NISAを始める場合は、証券会社など金融機関で専用のNISA口座を開設します。実店舗がある証券会社や銀行で口座を開設してもいいのですが、取り扱っている銘柄の数やポイント還元といったサービスはネット証券が充実しているところが多数なようで、お得に資産運用をするのであればネット証券の利用を検討してみるのもいいでしょう。
 

30歳から新NISAで月1万円を始めた場合、60歳時点の資産はいくらになる?

では、30歳から新NISAで毎月1万円ずつ投資信託に積み立てて運用し続けたら、60歳時点で資産はいくらになるでしょうか。
 
楽天証券の「積立かんたんシミュレーター」を使用し、積立期間は30年、年利5%の運用で試算した場合、最終積立金額は832万2586円という結果になりました。
 
現在のような超低金利が続いたとすると、毎月1万円を30年間貯金しても総額は元本の360万円からほとんど増えることはなく、積み立て投資で運用した場合の試算結果の半分以下にしかなりません。
 
また、同じ30代でも開始する年齢によって60歳時点での最終積立金額の試算結果は表1のように異なります。

表1

開始年齢
※カッコ内は積立期間
60歳時点の最終積立金額
※カッコ内は元本
30歳(30年) 832万2586円(360万円)
31歳(29年) 780万699円(348万円)
32歳(28年) 730万4213円(336万円)
33歳(27年) 683万1892円(324万円)
34歳(26年) 638万2560円(312万円)
35歳(25年) 595万5097円(300万円)
36歳(24年) 554万8440円(288万円)
37歳(23年) 516万1575円(276万円)
38歳(22年) 479万3540円(264万円)
39歳(21年) 444万3418円(252万円)

※楽天証券 「積立かんたんシミュレーション」での試算を基に筆者作成
 
800万円程度あれば老後は安泰というわけではありませんが、30歳から毎月1万円でも積立投資を始めることで、効率よく老後資金を増やせる可能性があります。また、運用期間が長くなるほど複利効果が大きくなるため、できるだけ早期に始めた方が有利です。
 
例えば、40歳から20年の積立期間で試算した最終積立金額は411万337円と、30歳からの開始と比較して半分以下になってしまいます。積み立て額を2万円に増やしても、30歳から毎月1万円を積み立てときとほぼ同様の822万673円です。
 
このような点から、たとえ現在の手取りが17万円と少なくても、老後に備えて1万円などの少額からでも新NISAを早めに始めておくことをおすすめします。
 
なお、NISAでは運用中の商品について金額や口数を指定して必要な分だけを売却し、いつでも引き出すことができます。子育てをはじめとするライフイベントに必要なタイミングで資金を用意できるため、老後への備えだけでなく中期的な資産形成にも役立ちます。
 

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貯金ゼロで新NISAを始めるのは避けるべき

とはいえ、手取り17万円では毎月1万円をねん出するのも大変でしょう。そのため新NISAを始める前に、まずは現在や近い将来に必要なお金の確保を優先してください。
 
NISAは投資による資産運用で、10年、20年と長期的なスパンで見れば平均的には年利5%も見込める可能性はありますが、局所的には資産価値が暴落することもあります。近年ではコロナショックなどがいい例です。
 
貯金がまったくない状態で資産運用を続けていると、タイミングによっては積み立てた資産が暴落しており、必要なときにお金が引き出せないということも起こり得ます。
 
そのため、病気やけが、失業などに備えて生活費の半年分くらいを貯金で確保し、それから新NISAでの資産運用を始めるべきでしょう。
 

新NISAは毎月1万円でもコツコツと長く続けるのがポイント

老後に対して貯金だけで準備をしていてもお金が増えない現状、毎月1万円でも新NISAで資産運用を開始し、長く続けて将来に備えることも必要と考えられます。30歳から始めても運用の結果次第では、60歳時点で800万円以上の老後資金を築ける可能性もあるでしょう。
 
ただし、NISAは投資での資産運用となり、局所的には資産の価値が大きく下落することもあります。また、将来のためにと資産運用を始めても、現在の生活を維持できなければ意味がありません。
 
手取りが少ない状態で2024年から新NISAを始める場合、いざというときのために半年分程度の生活費は確保した上で、可能な範囲でお金を積み立てていくといいでしょう。
 

出典

金融庁 新しいNISA
楽天証券 積立かんたんシミュレーション
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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