更新日: 2023.12.26 NISA

新しいNISAを始めたくても商品をどうやって選べばいいか分からない。それならこうして絞り込もう!

新しいNISAを始めたくても商品をどうやって選べばいいか分からない。それならこうして絞り込もう!
2024年から始まる新NISA。投資枠が拡大され、非課税期間が無期限化されるなど、投資をより効率的に進めることができるようになっています。
 
しかし一方で新NISAが始まる前から「いったいどうやって投資すべき商品を選べばよいの?」「どうやって自分に向いた商品を絞ればいいのか分からない」という声をよく聞きます。そこで、本記事では新NISAにおける投資商品選びのポイントを解説します。
酒井 乙

執筆者:酒井 乙(さかい きのと)

CFP認定者、米国公認会計士、MBA、米国Institute of Divorce FinancialAnalyst会員。  
 
長期に渡り離婚問題に苦しんだ経験から、財産に関する問題は、感情に惑わされず冷静な判断が必要なことを実感。  
 
人生の転機にある方へのサービス開発、提供を行うため、Z FinancialandAssociatesを設立。 
 

新NISAではより柔軟に商品を組み合わせることができる

まずは新NISAのポイントをおさらいしておきましょう(※1)。
 
1. 非課税保有期間の撤廃
⇒ 旧NISAではつみたてNISAで20年、一般NISAで5年が限度でしたが、期間の限度が撤廃されます。
 
2. 口座開設期間の期限なし
⇒ 旧NISAでは期限あり(2023年まで)でしたが、この期限がなくなります。
 
3. つみたて投資枠と成長投資枠が併用できる
⇒ 旧NISAではつみたてNISAと一般NISAの併用は不可でしたが、「つみたて投資枠」「成長投資枠」と名称が変わり、併用できるようになります。
 
4.年間投資枠の拡大(つみたて投資枠で年120万円、成長投資枠で年240万円、合計で最大360万円まで投資可能)
⇒ 旧NISAではつみたてNISAは40万円、一般NISAは120万円が限度でしたが、この金額の上限が拡大します。
 
5. 非課税保有限度額は計1800万円(うち、成長投資枠は1200万円まで)
⇒ 旧NISAではつみたてNISAは800万円、一般NISAは600万円でしたが、この金額の上限が拡大します。
 
商品選び、という点で特に注目すべきは3つのポイントです。つみたて投資枠と成長投資枠が併用できるようになったことで、非課税保有限度額の中で柔軟に商品選択をできるようになっています。
 
例えば、つみたて投資枠だけで非課税保有限度額の1800万円を目一杯使って堅実な長期投資を行うことも、あるいは成長投資枠で限度額の1200万円を使ってより大きなリターンを狙い、残りの600万円はつみたて投資枠に使うということも可能です。
 

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新NISAでも旧NISAと選べる商品は基本的に同じ

後述する一部の例外を除き、基本的にはほぼ同じです。まず、つみたて投資枠で購入できる商品は、旧つみたてNISAと同様に以下の条件に当てはまる商品です。
 

1. 長期積立、分散投資に適したインデックス型またはアクティブ型投資信
2. ETF(上場投資信託)

 
さらに、投資信託については、1.販売手数料がかからない、2.信託報酬料率が一定水準以下、3.信託期間が20年以上であること、などの条件をクリアした上で、金融庁に届出されたものです。 
 
ちなみに、2023年11月時点の旧つみたてNISAの商品数は214(※2)です。日本国内で購入できる投資信託は約6000本ですので、その中から限られたものに限定されているのが分かります。
 
一方の成長投資枠も旧一般NISAとほぼ同様に、以下の商品に投資できます。
 

1. 株式投資信託
2. 国内外の個別株やETF
3. 国内外REIT(不動産投資信託)
4. ワラント債など

 
ただし、新NISAでは以下の商品は購入できません。
 

1. 信託期間20年未満の投資信託
2. 毎月分配型の投資信託
3. 複雑な仕組みの一部の投資信託など

 
なお、つみたて投資枠の対象商品は、成長投資枠でも購入できるため、両方の枠を使って同一のファンドに投資することも可能です。
 

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商品選びの前に、まず金融機関選びが大切

では、数あるNISA商品の中からどうやって選べばよいのでしょうか?
 
実は、その前に決めなければならないことがあります。それは、「どの金融機関でNISA口座を開設するか」です。新NISAも旧NISAと同様、複数の金融機関でNISA口座を持つことができないため、どの金融機関で口座をつくるかはとても大切なことです。
 
「政府が作ったNISA制度なんだから、どこで口座をつくっても同じでは?」と思うかもしれませんが、そうではありません。
 
以下の表をご覧ください。ある金融機関のつみたてNISA商品の取扱数(※3)をまとめたものです。金融機関によって取扱数がバラバラであることが分かります。
 


 
また、投資信託の中でも人気のある「バランスファンド」(国内外の株式、債券、REITなどに分散投資する投資信託)の数もまちまちです。
 
なぜこのような違いがあるのでしょうか?それは、各金融機関がお客様の特徴に合わせて商品をそろえている(または絞っている)からです。
 
例えば、ネット専業のA証券はより多くのラインナップの中から投資家が好みの商品を自由に選べることを売りにしています。一方、店舗を持つD、E銀行はお客様が商品選びに困らないよう、あらかじめ顧客層に合った商品を絞り込んでそろえています。
 
また、B証券はリアル店舗を持つ同グループの証券会社を持ち、きめ細かなサポート体制と充実した分析ツールを売りにしていますが、つみたてNISAは販売していません。
 
ですから、金融機関の商品ラインナップや販売方針等を踏まえた上で、自分に合った金融機関を選ぶことがとても大切です。しかし、もし選択を誤ったとしても、翌年に金融機関を変更できますのでご安心ください。
 

商品を選ぶための3つの方法

それでは、NISA初心者の方はどうやって商品を選べばよいのでしょうか?ご自身に合わせて次の3つを試してみてください。
 

1. あらかじめ絞られた商品だけをそろえる金融機関を選び、その中から選ぶ

まずはつみたて投資枠から始めたいけど、ネットでの商品検索に慣れておらず、自分で選べる自信がない、という方向きの方法です。まずはお近くの金融機関で商品ラインナップが10前後に絞られているかを確認した上で、ご自身のリスク許容度に合わせて販売員に相談してみましょう
 

2. 多数のラインナップから検索ツールを使って選ぶ

つみたて投資枠も成長投資枠も使いたい。投資信託だけでなく、個別株やREITも視野に入れたい、という方向きです。ネット証券各社のホームページ上で使える検索ツールで商品を絞り込んでみてください。その際は、販売手数料や信託報酬なども忘れずにチェックしましょう。
 

3. ロボットアドバイザー(ロボアド)やAI投資などを使って、自分に合った商品選びをお任せする

コストが多少かかってもよいので、できるだけ楽をしたい、という方向きです。投資に関する知識やリスク許容度などいくつかの条件を入力すれば、最適な商品の組み合わせを選んでもらえるため、商品を一から選ぶ必要はありません。
 
ただし、その分手数料がかかります。多少面倒でも、自分で選択した方がコストは安くなることは覚えておいてください。
 
いずれの方法を選んだとしても、価格変動を含めたリスクがありますので、よく認識した上で利用してください。
 

まずは始めてみましょう。

投資に興味を持ったものはいいけれど、いったい何を選べばいいのか分からず、そのまま足踏みしてしまうのはもったいないことです。本記事を参考に、まずは第一歩を踏み出してみましょう。
 

出典

(※1)金融庁 新しいNISAのポイント
(※2)金融庁 つみたてNISAの対象商品 つみたてNISA対象商品届出一覧(対象資産別) EXCEL
 
執筆者:酒井 乙
CFP認定者、米国公認会計士、MBA、米国Institute of Divorce FinancialAnalyst会員

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