更新日: 2023.12.26 NISA

2024年1月から新NISA が始まりますが、50歳代からの老後資金の資産形成に間に合いますか?

2024年1月から新NISA が始まりますが、50歳代からの老後資金の資産形成に間に合いますか?
2024年1月より、NISA(少額投資非課税制度)が大幅にリニューアルして新NISAがスタートします。NISAの最大のメリットは、投資で得た運用益を非課税で受け取ることができる点です。
 
投資による資産運用が前提となるため、これまでNISAでの資産形成に消極的だった中高年の方の多くは、今から始めても遅いのではと思われるかもしれません。
 
本記事では、50歳代の方が新NISAを利用して投資を始めることの意義や、資産運用で気を付けるポイントについて解説します。
廣重啓二郎

執筆者:廣重啓二郎(ひろしげ けいじろう)

佐賀FPオフィス 代表、ファイナンシャルプランナー、一般社団法人日本相続支援士会理事、佐賀県金融広報アドバイザー、DCアドバイザー

立命館大学卒業後、13年間大手小売業の販売業務に従事した後、保険会社に転職。1 年間保険会社に勤務後、保険代理店に6 年間勤務。
その後、コンサルティング料だけで活動している独立系ファイナンシャルプランナーと出会い「本当の意味で顧客本位の仕事ができ、大きな価値が提供できる仕事はこれだ」と思い、独立する。

現在は、日本FP協会佐賀支部の副支部長として、消費者向けのイベントや個別相談などで活動している。また、佐賀県金融広報アドバイザーとして消費者トラブルや金融教育など啓発活動にも従事している。

2024年1月スタート! 新NISAの主な変更点

新NISAの主な変更点は、以下の3つです。
 

1. NISAが一本化

現行のNISAは、つみたてNISAと一般NISAに分かれていて、併用はできませんでした。新NISAでは、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」という投資枠があり、併用が可能になります。
 
つみたて投資枠の投資対象商品は、長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託となっており、現行のつみたてNISAの対象商品と同様です。一方、成長投資枠では上場株式・投資信託などが投資対象で、つみたて投資枠より選べる商品が多いのが特徴です。
 

2. 投資枠の拡充

現行のNISAでの年間投資枠は、つみたてNISAが40万円、一般NISAが120万円となっています。新NISAでは、年間投資枠が最大360万円(つみたて投資枠で120万円、成長投資枠で240万円)まで拡充され、生涯の投資枠として1800万円(そのうち成長投資枠は1200万円)まで非課税で運用できます。
 

3. 非課税保有期間が無期限

非課税保有期間について、現行のつみたてNISAは20年間、一般NISAは5年間ですが、新NISAでは非課税保有期間が無期限となりました。
 

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50歳代から新NISAを始める意義

2024年1月から始まる新NISAでは、前述のとおり制度を大幅に拡充し、制度が恒久化され、生涯で最大1800万円を非課税で運用できるのは大きな改革といっていいでしょう。これまで投資による資産運用に対して消極的だった中高年の方にとっては、このタイミングで新NISAを始めるべきか悩ましいところかもしれません。
 
ただし、投資にはリスクもあるため、新NISAを利用するかどうかの判断は自己責任となりますが、老後の生活に備えた資産形成として、以下の理由で検討することをおすすめします。
 

1. 人生100年時代、老後期間の伸長への対応

厚生労働省が公表している日本人の平均寿命(2022年)は、男性が81.05歳、女性が、87.09歳です。この数字は、今後の医療技術の発展などによって、さらに上昇していくことも予想されます。
 
例えば、かつては80歳くらいまでを前提として老後の資産形成をしておけばよかったのが、これからは90歳、できれば100歳まで老後の生活が続くと想定した資産形成が必要となります。
 

2. インフレ時の物価上昇への備え

2023年11月時点では、大手金融機関を中心に10年物の定期預金金利が年0.2%へと引き上げられるなど金利は上昇傾向ですが、まだ低水準です。
 
また、2023年10月の消費者物価指数は、生鮮食品を除く総合指数が前年同月比で2.5%上昇し、伸び率は2ヶ月ぶりに前月から縮小しました。物価の上昇が続くインフレ時ではお金の価値が下がることになるため、物価上昇に備えた資産運用も必要と考えられるでしょう。
 

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50歳代からの資産運用で気を付けること

中高年の方が投資による資産運用を始める場合に気を付けることは、若年層とは異なり、投資期間が限られることです。また、健康寿命(健康上の問題で日常生活が制限されない期間)を基に、老後も働いて就労所得を得られる期間も想定しておく必要があります。
 
以下、50歳代からの資産運用の開始に当たって、その他に気を付けるポイントをまとめます。
 

1. リスクの取り過ぎに注意する

資産運用では、ある程度のリスク(値動きの大きさ)を許容して、資産を増やしていくことが目的となります。50歳代からの資産運用で特に気を付けなければいけないのが、リスクを取り過ぎて大きな損失を出してしまうことです。リスクの取り過ぎには十分に注意しましょう。
 

2. 老後資金の適正な必要額を算出する

老後の収入と支出を試算して、年間の生活費がどのくらい不足するのか、必要となる老後資金をあらかじめ算出しておきます。不足額が大きければ資産運用だけでなく、働く期間を延ばすか、目安とする生活費を見直して不足分を補うことも検討しましょう。
 
生活費の不足分のすべてを資産運用で準備するという場合は、前述のとおり、リスクの取り過ぎになることがあるので注意が必要です。
 

3. 投資商品の選択は情報収集したうえで判断する

50歳代は一般的に子どもの教育費などの負担も軽減し、お金が貯まる時期といえます。まとまった資金があると金融機関から投資をすすめられる機会も増えるかもしれませんが、投資商品を選ぶ際は自分でも情報を収集し、しっかりと判断することが大切です。
 
50歳代から始めた場合、投資で大きく失敗すると投資期間内で損失を取り戻すのが困難となることがあります。
 

まとめ

新NISAは、これから投資を始める方には大きなチャンスであり、投資初心者の中高年の方も例外ではないでしょう。老後に向けた資産形成は、50歳代からでも遅くありません。
 
人生100年時代、老後のライフプランの設計と資産形成を通して、残りの人生を考えるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
 

出典

金融庁 新しいNISA
厚生労働省 令和4年簡易生命表の概況
総務省統計局 2020年基準 消費者物価指数 全国 2023年(令和5年)11月分
 
執筆者:廣重啓二郎
佐賀FPオフィス 代表、ファイナンシャルプランナー、一般社団法人日本相続支援士会理事、佐賀県金融広報アドバイザー、DCアドバイザー

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