更新日: 2024.03.11 その他資産運用

若者に「金投資」のブーム到来? ポイントは「継続すること」?

若者に「金投資」のブーム到来? ポイントは「継続すること」?
新NISAが始まり、資産運用に関心が高まっています。投資信託や株式が注目されていますが、投資対象は他にもいろいろあります。本記事では、現物資産の代表格である純金投資について考えます。
宮﨑真紀子

執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)

ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。
新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。
ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。

金の豆、ひと粒1万円

いきなり私事ですが、筆者は長年にわたり純金の積立投資をしています。先日取引会社から送られてきたニュースレターの中に、可愛い小瓶に入った金色の粒々の写真がありました。「これは何?」と見てみると、興味深い記事がありました。
 
内容は、中国における金投資についてです。中国の金の消費者の7割以上を占めているのは25歳から35歳までの世代だそうです。アクセサリーなどだけではなく、豆やヒマワリの種を模したミニチュア製品が人気だとのことです。
 
これが、写真の粒々の正体です。1粒の重量が1g程度とすると、相場により変動しますが約1万円です。毎月1粒ずつ貯めることを楽しみにしている人もいるそうです。毎月増えていく金の豆、資産の増えていく様を可視化できるので、見ているだけで満足感があります。これはコツコツ投資の醍醐味とも考えられます。
 

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金の豆は気になるけれど……

粒々のかわいさに魅せられて、“私もやってみたい!”と思いました。そもそも金は、株式や債券とは違う値動きをしますので、投資対象としての分散効果があります。金投資は「有事の金」とも言われ、信用リスクやインフレに強く、換金性にも優れています。
 
ですが、冷静に考えて現在行っている純金積み立てと比較してみると、毎月定額積立に軍配が上がります。いずれの買い方も毎月コツコツ購入しますので、時間の分散効果があります。高値づかみを心配して、購入時期を迷うことはありません。
 
それぞれの買い方は一見同じに見えますが、「定量購入」と「定額購入」の違いがあります。金価格は変動しています。金の豆は毎月1粒(約1g)購入なので、月によって購入金額は変わります。
 
一方、毎月定額積立の方は純金積立に投じる金額は定額ですが、金価格に応じて購入できるグラム数の方が変化します。その結果、価格が安い時は多い量を、高い時は少ない量を購入することになります。いわゆる「ドルコスト平均法」で、平均取得額を下げることが期待できます。
 
さて冒頭に「筆者は長年にわたり純金積み立てをしています」と記しました。毎月3000円から始められるという気軽さと、コツコツ積み立てて10年後にどうなるのか興味があったので試すことにしました。当初はアクセサリーに交換もできました。
 
始めたのは2007年1月です。積立購入金額は毎月3000円。報告書によると、昨年2023年の1年間(12ヶ月)での購入量は3.72129gです。毎月の購入量をみると1月からジグザグしながら下降しています。
 
1月0.34gだったのが12月には0.29gです。そういえば、「金の値段が上がったので買取店に金製品を持ち込む人が増えた」というニュースが昨年末にありました。1月と12月を比較すると金価格は上昇していますが、途中のジグザグをみると、やはり長期間での資産形成に向いている商品だと思います。
 
2007年1月~2023年12月末まで積み立てて、どうなったか……その答え合わせですが、残高が130.29581gとなりました。1gの平均取得価格は4741円と計算されています。他に手数料が掛かっていますが、この長期投資で資産が倍増していることは確かです。
 

月々3000円の投資をどう見るか

たかが3000円、されど3000円。「これが3万円の積み立てなら」と桁数を増やしてみたくなりますが、少額だからこそ継続できたことも確かです。普段無駄遣いしているかもしれない3000円で純金を買ってみるのも、資産運用の選択肢になるかもしれませんね。
 
純金積み立てなら買いに行く手間もかからず、もしかしたら資産が倍増するかもしれません。筆者の個人的な感想としては、「やはり継続の力は凄かった」と言わざるを得ません。
 
執筆者:宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

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