相対(あいたい)取引とは? 市場取引との違いやメリット・デメリットを徹底解説!

配信日: 2024.03.30

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相対(あいたい)取引とは? 市場取引との違いやメリット・デメリットを徹底解説!
「投資に興味があり、相対取引について知りたい」「相対取引についてさまざまなサイトを調べたが、わかりにくくて困っている」など、このようなお悩みを抱えたことはありませんか? 投資をはじめたばかりの方は、相対取引の概要がわからず困っている人も多いでしょう。

相対取引は、取引価格や数量、決済方法などを自由に決められる契約方法です。相対取引のメリットを最大限に活用することで、双方が納得して証券やFXを取引できます。

本記事では、相対取引の概要、相対取引と市場取引の違い、相対取引のメリットやデメリットについてご紹介します。本記事の内容を参考にして、相対取引を活用しましょう。

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相対(あいたい)取引とは?

相対取引とは、当事者間で取引所を通さず売買する方法です。「非上場企業の証券」や「FX」を取引する際に、基本的には市場ではなく当事者間の取引で売買するためです。
相対取引では具体的に次の項目について、当事者間で話し合いをして決定します。

・証券の売買価格
・取引する証券の数量
・利用する決済方法

また、相対取引は、次のような売買契約で活用できます。

・非上場企業との売買
・FXの売買取引
・市場取引を介さない銀行との取引
・市場取引を介さない不動産会社との取引

このように、相対取引は幅広い取引に活用できます。

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相対取引と市場取引の違い

相対取引と市場取引の違いとして、以下の2点が挙げられます。

・取引価格の決定方法
・取引可能な資産

相対取引と市場取引は、取引価格の決定方法が異なります。また、相対取引は同種の商品数が少なく、希少性の高い資産を売買する取引に適しています。

相対取引と市場取引の違い1:取引価格の決定方法

相対取引と市場取引は、取引価格の決定方法が異なります。「相対取引は1対1」「市場取引は大多数の人が対象」となっていて、取引したいニーズの規模に合わせて取引価格の決定方法が変動するためです。具体的には、図表1のような違いがあります。

図表1

取引方法 取引価格の決定方法
相対取引 当事者同士で価格を決定する
市場取引 需要と供給のバランスによって、価格が自動的に決定する

筆者作成

市場取引では、買いたい人が多くなればなるほど価格が上がり、売りたい人が多くなればなるほど価格は下がる仕組みが働きます。一方で、相対取引は市場の均衡価格に左右されず、納得できる取引価格で売買を成立できます。

相対取引と市場取引の違い2:取引可能な資産

相対取引と市場取引は、取引可能な資産が異なります。具体的な違いは、図表2のとおりです。

図表2

取引方法 取引可能な資産
相対取引 同種の商品数が少ない、稀少性・希少性の高い資産を売買する
市場取引 同種の商品が数多く存在する

筆者作成

上場株式や通貨は、数多くの同種の資産が存在するので、市場取引が適しています。
一方で、債券売買は相対取引が主流です。というのは、「償還時期」「利率」などの条件を債券ごとに設定していて、債券の種類が豊富であるため、取引所の売買を成立させることが難しいからです。
相対取引が可能な資産の特徴について、取引前にイメージしておきましょう。

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相対取引のメリット

相対取引のメリットとして、以下の2点が挙げられます。

・価格や決済方法を自由に決められる
・市場価格の影響を受けず取引できる

相対取引は、価格や決済方法を自由に決められる点がメリットです。また、市場価格の影響を受けずに取引できます。
詳しく解説します。

相対取引のメリット1.価格や決済方法を自由に決められる

相対取引は、価格や決済方法を自由に決められます。相対取引では、当事者同士が直接取引することで、通常の市場取引よりも自由に決定できる要素が多いためです。
具体的には、次の2点が影響することで、相対取引における取引価格の評価基準が異なります。

・現時点の業績や資産価値
・将来性や株価に含まれていない無形固定資産の価値

現状保有している株式や外貨、仮想通貨を取引する場合に、市場価格より高値で取引することも可能です。

相対取引のメリット2.市場価格の影響を受けず取引できる

相対取引は、市場価格の影響を受けずに取引できる方法です。相対取引では、当事者同士の2者間で取引可能なため、詳細の取引内容についても柔軟に決定することができるためです。

例えば、自分自身で購入希望の売買価格を設定し、事前に予算に応じた予定株数を取得できるなどの計画的な取引が実現しやすくなります。市場価格の影響を受けずに取引したい人は、相対取引を活用しましょう。

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相対取引のデメリット

相対取引のデメリットとして、以下の2点が挙げられます。

・取引に時間がかかる
・取引が不公正になるリスクがある

相対取引は取引完了までに時間がかかる方法です。また、相対取引は、取引が不公正になるリスクがあります。
詳しく解説します。

相対取引のデメリット1.取引に時間がかかる

相対取引は、取引完了までに「時間がかかる手法」です。当事者間で取引価格や数量などを話し合うため、提案や相談のすり合わせに時間がかかるためです。相対取引は取引完了までに、数ヶ月かかるケースもあります。

取引に時間がかかることで、「資金面や精神面の負担が大きくなる」「状況が変化して取引が不成立になる」などの可能性もあります。取引完了までに時間がかかる点について留意し、相対取引の利用を検討しましょう。

相対取引のデメリット2.取引が不公正になるリスクがある

相対取引は、取引が「不公正」になるリスクがあります。相対取引は、不当に高いか安い価格で取引が成立する可能性があるためです。相対取引は市場取引のような需要供給の均衡で価格が決まらないため、相場より高値や低値で取引が成立する場合があります。

他にも、相対取引は、取引形式も自由に決められます。「売り手が現物を先に渡し、後日買い手が現金を支払う」契約も可能です。場合によっては、契約後に対価を受け取れないなど、取引の詐欺に遭うリスクもあるため注意しましょう。

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相対取引のやり方

相対取引のやり方の一例として、FXの相対取引についてご紹介します。外貨預金をするために米ドルを銀行で購入する場合をイメージしましょう。

預金者は、銀行から米ドルを購入します。この取引が相対取引に該当します。今回のFX取引は取引所を経由せず、直接銀行から米ドルを購入しているためです。

一方で、FXにおける市場取引は、日本国内のFX取引所「くりっく365」で取引したケースが該当します。

FXで相対取引を活用することで、「売買希望の価格」「通貨ペア」「通貨単位」など諸条件に合った条件で契約できます。

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相対取引の活用がおすすめなケース

相対取引の活用がおすすめなケースとして、以下3つの場合が挙げられます。

・未公開株の取引
・大株主との取引
・株式を大量に購入したい

未公開株は、相対取引で売買が可能な手法です。また、大株主が株を大量に売却する場合は、相対取引を活用できます。他にも、株式の大量購入で相対取引を活用することで、自分の大量注文によって株価が上昇することを予防できます。
詳しく解説します。

相対取引がおすすめなケース1:未公開株の取引

未公開株は、相対取引で売買できます。市場取引が可能な証券は、証券取引所に上場している企業の株式のみのためです。

上場されていない未公開株は、相対取引などの方法で売買する必要があります。ベンチャー投資など未公開株の投資は、投資先の企業が順調に成長した場合に多額の利益を得られる可能性があります。

相対取引がおすすめなケース2:大株主との取引

大株主が株を大量に売却する場合は、相対取引を活用できます。市場取引で大量の株式やFXを売却する場合は希少性が薄くなり、株価を大幅に下落させる可能性があるためです。

そのため、市場外で取引をおこなうことで、売却時に得られる資金が減額する心配がありません。また、買い手側は大量株式を一度に手に入れられます。相対取引を活用することで、売り手と買い手の双方にメリットがあります。

相対取引がおすすめなケース3:株式を大量に購入したい

株式を大量に購入する場合は、相対取引が活用できます。株式市場で買い付ける場合は、自分の大量注文で株価が上昇し、予定数量を取得できない可能性があるためです。

他にも、買い付け金額が高額になり、予定通りの予算で売買できないケースもあります。買い手側は市場価格より高値で取引しなければなりません。その点、相対取引を活用することで割安で購入できるようになります。

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相対取引とオークション方式、どっちがおすすめ?

相対取引とオークション方式はそれぞれにメリットとデメリットがあるため、状況に合った方法を選ぶことが大切です。「相対取引」「オークション方式」それぞれの特徴を知り、適した手法を活用しましょう。

相対方式は、1社ずつ買い手の企業と交渉を進めていく手法です。一方で、オークション方式は複数の買い手から、最も好条件の相手と売買契約を締結します。また、相対取引とオークション方式の違いとして、図表3の内容が挙げられます。

図表3

取引方法 取引方法の特徴
相対取引 「事業の価値を説明しにくい」「特定の買い手と短期間で交渉したい」場合に適している
オークション方式 ・業績の良い企業を選び、好条件で売却できる
・相対取引方式と比べて高価で決まる場合が多い

筆者作成

例えば、特定の業者と取引したい場合は、相対取引を活用することで納得できる条件で売買できます。他にも、高値で保有している証券を売却したい場合は、オークション方式を選ぶことで希望条件に近い取引を実現しやすくなります。

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相対取引に関するよくある質問

ここでは相対取引に関するよくある質問をご紹介します。抱えている悩みと同じ項目を見つけた際には、参考にしてみてください。

相対取引に関するよくある質問1:市場取引を簡単に説明できる?

市場取引とは、取引市場で不特定多数の人と取引する方法です。株式の売買の場合は、証券取引所に「買いたい人」「売りたい人」が多数集まり市場取引がおこなわれています。

一般の投資家は証券取引所に参加できません。そのため、証券会社に「売り」や「買い」の注文を依頼し、証券会社が代行して取引を実行します。

相対取引に関するよくある質問2:店頭取引と相対取引の違いは?

店頭取引は、相対取引の手法の1つです。店頭取引は実店舗に行って、取引をする手法です。

具体的には、銀行や不動産など、業者の店舗で契約します。相対取引の1つとして、店頭取引という方法がある点について認識しましょう。

相対取引に関するよくある質問3:FXの相対取引はどんなものがある?

FXにおける相対取引の一例として、店頭FXや取引所FXが挙げられます。

店頭FXは「くりっく365」という取引所を介さず、FX業者と投資家が直接取引します。
店頭FXは取引先のFX業者によって、「取引可能な通貨ペア」「スプレッドなどの取引条件」が異なる点が特徴です。取引条件は、FX業者の裁量で決定しています。

2つ目の取引所FXは、「くりっく365」の取引所を介してFXを売買する方法です。一般的な傾向として、店頭FXは取引所FXより手数料が安いケースがあります。店頭FXや取引所FXなどを利用し、相対取引でFXを売買しましょう。

相対取引に関するよくある質問4:相対取引は違法って聞いたけど本当?

相対取引は、違法ではありません。次のような相対取引の説明文が、国税庁の確定申告書等作成コーナーに記載されているためです。

「『相対取引』とは、金融商品取引業者等(証券会社等)を通さずに行う株式等の取引等のことをいいます。」
(国税庁「確定申告書等作成コーナー よくある質問 用語の説明 相対取引とは」より引用)

また、非上場企業の株式は市場取引に掲載されないため、相対取引をはじめとした取引方法で売買しています。相対取引は違法でなく、合法的に利用可能な手法です。

相対取引に関するよくある質問5:相対取引は課税対象になる?

相対取引は、課税対象になる取引です。株式を相対取引する場合は、売り手側が得られる譲渡所得に20.315%の所得税などがかかります。相対取引の譲渡所得については、次の式で算出できます。

<相対取引でかかる税金の算出方法>
譲渡所得=取引価格-(取得費用+譲渡費用)

取得費用は、購入費や購入手数料など株式の取得にかかる費用のことです。相対取引でかかる税金について理解し、事前に必要な費用を算出しましょう。

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相対取引を理解して利用を検討しよう

本記事では相対取引の概要、相対取引と市場取引の違い、相対取引のメリットやデメリットについてご紹介しました。相対取引は取引価格や取引数量、決済方法などを自由に決められる契約方法です。
相対取引のメリットを最大限に活用することで、双方が納得して証券やFXを取引できます。

本記事の内容を参考にして、相対取引の利用を検討しましょう。

出典

国税庁 確定申告書等作成コーナー よくある質問 用語の説明 相対取引とは
https://www.keisan.nta.go.jp/r2yokuaru/cat2/cat21/cat219/yogosetsumei/sotaitorihiki.html

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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