更新日: 2024.03.30 その他資産運用

iDeCo(イデコ)に上限はある? 拠出額や掛金の設定方法をわかりやすく解説!

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

iDeCo(イデコ)に上限はある? 拠出額や掛金の設定方法をわかりやすく解説!
近年では少子高齢化などの影響もあって公的年金制度への不安が高まっている部分があり、公的年金制度以外の方法で老後資金に備えるのも注目されています。
 
「iDeCo」は、私的年金制度としてさまざまなメリットがありますが、具体的にどれくらいの金額を拠出できるかは一人ひとりが置かれている状況で違う点は把握しておきましょう。また、「満額拠出するほうがいいのか」、それとも「金額は少なくてもいいのか」と迷っている方は少なくありません。
 
本記事では、iDeCoの拠出上限額がどのようにして決められているか、満額拠出をしたほうがいいかについて解説するので参考にしてみてください。

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iDeCo(イデコ)の基本情報・概要

iDeCoは、一人ひとりが公的年金制度以外で老後資金を用意できる制度であり、原則として満20歳以上65歳未満の方が加入できます。
 
拠出する金額などについては一人ひとりの運用方針やライフスタイルで異なるだけでなく、それぞれの国民年金の被保険者種別も大きな要因です。多くの方が積極的に資産形成に取り組めるように税制上の優遇制度も導入されており、会社員の方を始めとして個人事業主の方や主婦(夫)など幅広く利用されています。
 
また、拠出したお金については自分で運用商品(定期預金・投資信託など)を選択しますが、運用結果次第では拠出元本よりも受け取れる金額が多くなるかもしれません。
 
少子高齢化などが影響して公的年金だけで十分に老後資金を確保できるか不安を抱えている方も多く、近年では公的年金制度とiDeCoなどの私的年金制度を組み合わせての資産形成は大切です。
 
拠出金額についてはそれぞれの余剰資金などに合わせて変更できるため、余裕があるときは拠出金額を増やして、余裕がないときは拠出金額を減らすなどの方法も挙げられます。
 

【職業別】iDeCo(イデコ)の拠出上限額

iDeCoは職業ごとに拠出上限額が決められているため、自分自身の国民年金の被保険者種別などの把握が大切です。職業別の拠出上限額に合わせた拠出計画は重要なので、自分がどれくらいの金額を拠出できるか気になる方は参考にしてみてください。
 

国民年金の「第1号被保険者」の拠出上限額

国民年金の第1号被保険者は「個人事業主」や「フリーランス」が該当しますが、公務員や会社員と違って厚生年金に加入していないので拠出上限額も高く設定されています。
 
また、厚生年金には加入できないため、公的年金制度は国民年金しか加入していません。そのため、老後資金の資産形成が特に重要になるので、積極的に私的年金制度であるiDeCoの活用がおすすめです。
 
「国民年金の第1号被保険者の拠出上限額」は、月額6.8万円・年額81.6万円と被験者種別の中で最も大きく、上手に活用できると老後資金として十分な備えにできるのに加えて所得控除の恩恵も大きくなります。
 
個人事業主やフリーランスの方は売上や純利益なども考慮して、どれくらいの金額を拠出するかについて考えてください。老後の不安を大きく感じすぎて無理のある拠出額に設定すると、生活や事業にも悪影響を与える可能性が考えられます。
 
拠出上限額を限界まで使用する必要はないため、全体的なバランスを考えながら決めてください。
 

国民年金の「第2号被保険者」の拠出上限額

国民年金の第2号被保険者は「公務員や会社員」が該当していますが、国民年金と厚生年金以外にもさまざまな制度に加入しているケースも多いです。
 
加入している制度としては、企業型DC(企業型確定拠出年金)・DB(確定給付企業年金・厚生年金基金・石炭興業年金基金・私立学校教職員共済など)が挙げられます。iDeCoでどれくらい拠出できるかは加入している制度によって決まるため、自分がどの制度に加入しているか確認が必要です。
 
「国民年金の第2号被保険者の拠出上限額」については、図表1を参考にしてみてください。
 
図表1

加入資格 拠出上限額
会社に企業年金がない会社員 月額2.3万円・年額27.6万円
企業型DCだけに加入している会社員 月額2.0万円・年額24.0万円
DBだけに加入している会社員 月額1.2万円・年額14.4万円
企業型DCとDB両方に加入している会社員 月額1.2万円・年額14.4万円
公務員 月額1.2万円・年額14.4万円

※iDeCo公式サイト iDeCo(イデコ)の加入資格・掛金・受取方法等を基に作成
 
また、iDeCoに申し込む際には会社にも必要書類への対応を依頼するため、併せて、加入している制度について担当部署に確認しておきましょう。
 

国民年金の「第3号被保険者」の拠出上限額

「国民年金の第3号被保険者」は、専業主婦・専業主夫の方が該当しており、基本的には国民年金第2号被保険者の方に扶養されている方です。
 
国民年金保険料などの各種保険料を自分で支払う必要がないので、自分自身が年金に加入していると感じていない方も多いです。
 
拠出上限額については月額2.3万円・年額27.6万円になります。
 
注意点としては、自分自身が働いている間にiDeCoに加入していて、結婚を機に専業主婦・専業主夫になった場合です。国民年金の被保険者種別が変わるため、各種手続きを進めなければなりません。
 

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iDeCo(イデコ)は満額拠出した方がいい?

iDeCoは、国民年金の被保険者種別で拠出上限額が決められていますが、それぞれで満額拠出したほうがいいか悩む方は少なくありません。
 
余剰資金などに余裕があって使いみちなどに困っている場合、満額拠出したほうが最終的な受取金額が多くなります。また、iDeCoは拠出した後には運用をおこないますが、同じ運用期間で同じ利回りだと拠出額が大きいほうが運用益は増えるでしょう。
 
例えば、運用期間が10年間で利回りが3%と仮定した場合、毎月の拠出金額が1万円なら最終的な金額は139万7000円(内運用益19万7000円)・毎月の拠出金額が2万円なら最終的な金額は279万5000円(内運用益39万5000円)です。将来的に大きな運用益を得たいと考えている場合、iDeCoは満額拠出した方がいいでしょう。
 
他にも、拠出額を満額にしておくと積み立てられる金額も増えるため、老後を見据えた貯蓄ができるとの考え方もあります。
 
ただし、iDeCoを安全に運用するためにも余剰資金で取り組むのが大切であり、過剰な節約などでiDeCo資金を確保することはおすすめできません。あくまでも使っても問題がない、余剰資金を使用してください。
 

iDeCo(イデコ)掛金の設定方法

iDeCoの掛金の設定方法については申し込み時に拠出上限額内で決められ、納付方法についても毎月拠出する方法や、決められている月にまとめて拠出する方法などさまざまです。
 
基本的には、「申し込み時に設定した拠出額」で進みますが、途中で掛金を変更したいと考えた際には申し込めば変更できます。ただし、拠出額については12月の掛金から翌年11月までの掛金の間に、拠出額の変更は一度だけです。
 

iDeCo(イデコ)掛金を設定する際の注意点

iDeCoの掛金を設定する際の注意点としては、無理をしない範囲で設定して、日常生活や事業に悪影響が出ないようにしなければなりません。
 
人によっては将来に備えて無理をしてでも拠出するべきと考えるケースもありますが、あまりにも無理をすると長続きしないといえます。iDeCoは原則60歳まで引き出しができないので、中長期的な視点で取り組む意識が重要です。
 

iDeCo(イデコ)にはどんなメリットがある?

iDeCoは老後資金を準備するためにも効果的な制度といえ、活用するとさまざまなメリットが受けられます。実際にどれくらいの恩恵があるかは一人ひとりが置かれている状況などで違いますが、具体的なメリットについては把握しておきましょう。特に国民年金の第1号被保険者の方は、老後資金の形成は重要になるため、積極的に活用するのがおすすめです。
 
iDeCoが持っているメリットについては、次の事項が挙げられます。
 

●拠出した全額が所得税控除として取り扱える
 
●運用で得られた運用益などは非課税
 
●拠出額を月5000円から1000円単位で決められる
 
●最終的に受け取る際にも控除が適用される

 
効率的に資産形成をするためにもiDeCoが持っているメリットについて把握しながら、各種手続きなどを進めなければなりません。iDeCoが持っているメリットについて解説するので、これから始めるか検討している方は参考にしてみてください。
 

iDeCoのメリット1.拠出した全額が所得税控除として取り扱える

iDeCoでは拠出した全額が所得税控除として取り扱えるため、所得税や住民税などの各種税金負担を軽減できます。
 
所得控除を受けるためには確定申告や年末調整が必要であり、決められている手順を守って手続きをしなければなりません。iDeCoで拠出していると「小規模企業共済等掛金払込証明書」が送られてくるため、失くさないように管理してください。
 
手元に書類が届いた時点で内容に不備がないか確認して、確定申告や年末調整時には貼付しましょう。
 

iDeCoのメリット2.運用で得られた運用益などは非課税

一般的な投資方法などで金融商品を運用して得られた運用益は約20%が課税されますが、iDeCoで得られた運用益などは非課税です。金融商品の運用については拠出したお金を元にして、自分自身で運用商品などを指定します。対象となっている運用商品としては、定期預金・保険商品・投資信託など幅広いです。
 
具体的なリスクとリターンについてはそれぞれで異なるため、運用方針やライフスタイルなどに合わせながら選択してください。また、iDeCoでは原則60歳まで引き出せない特徴があるので、一度運用すると長期投資がしやすいのも強みです。
 

iDeCoのメリット3.拠出額を月5000円から1000円単位で決められる

iDeCoは拠出可能額内なら拠出額を月5000円から1000円単位で決められるため、余剰資金などに合わせながら細かい設定ができます。
 
節税効果を大きく得たいと考えているなら拠出額を大きくしたり、余剰資金に余裕がないなら拠出額を少なくしたりと方法はさまざまです。また、最初の頃は拠出上限額ぎりぎりまで投資していても、運用方針やライフスタイルの変化によって減額したいと考えるケースは少なくありません。
 
iDeCoは長期的な運用が前提となっているため、無理をしての拠出は辞めておきましょう。
 

iDeCoのメリット4.最終的に受け取る際にも控除が適用される

iDeCoで拠出した金額などについては最終的に受け取る際にも控除が適用されますが、受け取り方は「一時金として一括で受け取る」「年金として受け取る」「一時金と年金を組み合わせて受け取る」の3つです。どの方法で受け取るかによって受けられる控除内容も変わるため、自分にとって最適な方法を選択してください。
 
例えば、一時的にまとめて受け取る際には退職所得控除が適用されますが、「勤続年数20年以下=40万円×勤続年数」「勤続年数20年超=800万円+70万円×(勤続年数-20年)」で計算されます。
 

iDeCo(イデコ)にはどんなデメリットがある?

iDeCoは効果的に活用できると効率的な資産形成ができますが、メリットだけでなくデメリットがある点も把握しておきましょう。
 
仮にデメリットについて理解しないまま始めてしまえば、思わない問題やトラブルに発展するかもしれません。デメリット内容を把握した上で、iDeCoの実施の有無などを検討してみてください。
 
iDeCoが持っているデメリットについては、次の事項が挙げられます。
 

●拠出したものは原則60歳まで引き出せない
 
●運用商品や運用内容次第では元本割れするリスクがある
 
●iDeCo加入時やiDeCo運用には手数料が必要

 
自分にとってiDeCoに加入するメリットとデメリットのどちらが大きいかの判断は大切なので、デメリットの把握も効果的なiDeCoの運用には必要不可欠です。iDeCoが持っているデメリットについても解説するので、メリットとデメリットを比較する際には参考にしてみてください。
 

iDeCoのデメリット1.拠出したものは原則60歳まで引き出せない

iDeCoは拠出したものは原則60歳まで引き出せないため、ライフイベントなどでまとまった資金が必要になった際にも利用できません。
 
あくまでも老後資金を目的とした年金として考えて、生活防衛資金やライフイベントに備える資金は他の方法で備える必要があります。また、iDeCoへの加入期間が10年に達していない場合、引き出せる年齢は高くなるので注意してください。
 
iDeCoへの加入期間に応じた受給開始年齢については、図表2のようになります。
 
図表2

通算加入者等期間 受給開始年齢
10年以上 60歳
8年以上10年未満 61歳
6年以上8年未満 62歳
4年以上6年未満 63歳
2年以上4年未満 64歳
1ヶ月以上2年未満 65歳

※iDeCo公式サイト iDeCo(イデコ)の加入資格・掛金・受取方法等を基に作成
 

iDeCoのデメリット2.運用商品や運用内容次第では元本割れするリスクがある

iDeCoは拠出した後に運用するのが基本的な流れになりますが、運用商品や運用内容次第では元本割れするリスクがあります。
 
運用商品ごとにリスクとリターンのバランスは違うので、投資方針やライフスタイルに合わせながら判断しなければなりません。どうしても元本割れを避けたいと考えている場合、元本保証がされている定期預金などを選択してください。
 
運用商品は後からでも変更ができるため、定期的に運用状況を確認して変更するのも方法としては有効です。
 

iDeCoのデメリット3.iDeCo加入時やiDeCo運用には手数料が必要

iDeCo加入時やiDeCo運用には手数料が必要になります。支払先としては、iDeCoを実施している「国民年金基金連合会」とiDeCoを運用している金融機関などの運営管理機関になります。
 
iDeCoに加入するタイミングでは管理・移管時手数料が「2829円」かかるのに加えて、さまざまな事情で掛金を加入者に還元する際に還付手数料が「1048円」、iDeCoで掛金納付のたびに「105円」の負担が発生する加入者手数料があります。
 
また、金融機関などの運営管理機関に支払う手数料については、それぞれで定められているので先に確認しておきましょう。
 

iDeCo(イデコ)の始め方

iDeCoの始め方はそこまで難しいものではなく、金融機関などに相談しながら進める以外にも郵送やWEBからでも申し込みができます。
 
注意点として、公務員や会社員などはiDeCoを始める際には、勤め先に書類を提出して記入してもらわなければなりません。iDeCoの加入手続きを進めるためには、金融機関などから「加入申出書」を入手して、必要事項などを記載してから提出してください。
 
ただし、内容に不備などがあると修正や再提出が求められるため、提出する前には内容についての確認が重要です。iDeCoに申し込んで内容などに問題がなければ、加入した旨を知らせる手紙などが届きます。
 

iDeCo(イデコ)の拠出上限額まとめ

iDeCoは拠出した全額が所得税控除として取り扱えたり、運用益が非課税になったりとさまざまなメリットを持っています。近年では少子高齢化の影響もあって公的年金制度への不安が高まっている関係もあって、私的年金制度であるiDeCoの注目度も高いです。具体的にどれくらいの金額が拠出できるかについては、国民年金の被保険者種別や加入している年金制度などで異なります。
 
老後生活を豊かにするためにも資産形成は重要な役割を持っているため、自分自身の運用方針やライフスタイルに合わせながら拠出額を決定してください。
 

出典

iDeCo公式サイト iDeCo(イデコ)の特徴
iDeCo公式サイト iDeCo(イデコ)の加入資格・掛金・受取方法等
金融庁 資産運用シミュレーション
国税庁 No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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