更新日: 2024.04.12 その他資産運用
【新NISAなど投資ブーム!?】投資をサッカーに見立てて、ポートフォリオをどうすればいいかがイメージしよう!
筆者自身、資産運用の個別指導を実施していますが、その際には「税制についてはある程度理解したけれど、実際の運用や資産配分、銘柄選びなどの方法が分からない」という声もあります。
同じような感想を抱く方も多いかもしれませんので、今回は「ポートフォリオ」について簡単にイメージすることを目的に、サッカーに例えて解説していきたいと思います。
執筆者:重定賢治(しげさだ けんじ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)
明治大学法学部法律学科を卒業後、金融機関にて資産運用業務に従事。
ファイナンシャル・プランナー(FP)の上級資格である「CFP®資格」を取得後、2007年に開業。
子育て世帯や退職準備世帯を中心に「暮らしとお金」の相談業務を行う。
また、全国商工会連合会の「エキスパートバンク」にCFP®資格保持者として登録。
法人向け福利厚生制度「ワーク・ライフ・バランス相談室」を提案し、企業にお勤めの役員・従業員が抱えている「暮らしとお金」についてのお悩み相談も行う。
2017年、独立行政法人日本学生支援機構の「スカラシップ・アドバイザー」に認定され、高等学校やPTA向けに奨学金のセミナー・相談会を通じ、国の事業として教育の格差など社会問題の解決にも取り組む。
https://fpofficekaientai.wixsite.com/fp-office-kaientai
金融商品は「かなめ」と「守り」、「攻め」の3つに分ける
テレビなどでサッカーを観戦する際、解説者がチームの布陣について説明する場面があります。それになぞらえ、投資の布陣を考えてみると、図表1のようになるでしょう。
図表1
※筆者作成
図表1ではサッカー場(マーケット≒金融市場)で展開する選手(金融商品)の配置を、チームの主軸となる「かなめ」と、敵に攻め込まれたときに攻撃をブロックする「守り」、相手陣地で積極的に攻撃を仕掛ける「攻め」の3つに分けます。
図表1では、「かなめ」を株式型のインデックスファンド、「守り」を債券型のインデックスファンドとゴールド型のファンド、「攻め」を個別株で配置させています。
サッカーの用語でいえば、「かなめ」がボランチ(ポルトガル語で「ハンドル」を意味する言葉。守備的ミッドフィルダーのポジション。チームの「運転」を担う重要な役割を担う)、「守り」がディフェンス、「攻め(いわゆる攻撃的ミッドフィルダーも含む)」がフォワードといったところでしょうか。
また、想定する敵(対戦相手)は「売り圧力」であり、チーム(ポートフォリオ)全体で「売り圧力」という敵に相対するイメージです。売り圧力が強いときは、チーム全体を後方に下げ、守りに徹します。逆に、売り圧力が弱いときはチーム全体を押し上げ、攻勢を仕掛けます。
ここで「守りに徹する」というのは、投資において「債券型のインデックスファンドやゴールド型のファンドの配分比率を増やす」という意味です。これに対し「攻勢を仕掛ける」というのは、「収益性の高い個別銘柄などの配分を増やす」ということを意味します。
このとき、ボランチとしての「かなめ」である株式型のインデックスファンドも、売り圧力の強弱に応じ、減らしたり増やしたりします。
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サテライト戦略の考え方
このように考えてみると、自分のポートフォリオをどのようにすればよいか、イメージしやすいのではないでしょうか。
このような「投資の軸を決め、マーケットの状況に合わせ「守り」と「攻め」にふさわしい金融商品を選ぶ」という考え方を、投資の世界では「サテライト戦略」といいます。具体的には、金融商品の中心軸を決め、その周りに複数の金融商品を配置させることで、分散投資を意識しながら資産配分を調整していく、というものです。
先ほどのサッカーの布陣で例えると、「かなめ」である株式型のインデックスファンドを「コア」とし、「攻め」である個別株と「守り」である債券型のインデックスファンドやゴールド型のファンドを「サテライト」として配置し、状況に応じて資産配分を調整します。
投資で最も重要なのは「分散投資」です。ポートフォリオを組むのは分散投資が目的です。ただし、上昇局面や下落局面がはっきりしているときは、分散投資の効果は薄れます。このような状況に対応するために、攻守を使い分け、調整します。
まとめ
新しいNISAが始まり、全世界株式型投資信託(いわゆる「オルカン」)やS&P500に連動する投資信託が人気を博しているようです。「オルカン一択」や「S&P500一択」といった言葉が目立ちますが、この2つはあくまでも株式型の投資信託です。つまり、株式投資しかしていないことになるため、必ずしも分散投資が効いているとはいえません。
このような状況を避けるために「分散投資」が必要といわれるわけですが、投資をサッカーに見立てて考えると、自分のポートフォリオ内で分散投資を効かせるにはどうしたらよいか、見えてくるのではないでしょうか。
執筆者:重定賢治
ファイナンシャル・プランナー(CFP)