【賃貸物件所有者】物件によって家賃が月4~5万も差が!? 高い家賃を得るにはどうしたらいい?
配信日: 2024.04.25
基本的には、最寄りの駅に近いか、部屋の設備が充実しているか、などの条件が家賃を決める大きな要素になります。本記事でみていきましょう。
賃貸価格は上昇傾向に
近年、特に首都圏では新築分譲マンションの価格が上昇し、1億円を超える物件も多くなっています。そのため、これまで新築分譲マンション購入に比較的手の届く範囲にあった子育て世代のファミリー層が、分譲マンションの購入を断念し賃貸市場に参入してきています。
これまで、賃貸市場で大きな割合を占めていたのは単身者でした。ところが最近では、子育て世代のニーズも旺盛で、駅近の優良物件では競争が激しくなっています。例えば東京23区内では、1年前と比較して賃料が15%以上上昇している地域も多数みられます。
最近の傾向として、1DK・1LDKといった単身者用の物件に比べ、2LDKや3LDKといった子育て世代向け、月額家賃16~20万円前後の物件価格の値上がりが強まっています。今後も会社員などへの賃上げ傾向が定着すれば、優良物件に対する需要が増加し、さらに値上がりすると思われます。
特にリタイアした世代で、家賃収入を生活費の足しなどにしたいと考えている方にとっては、家賃値上げを浸透させ新規入居者を確保する条件が整ってきています。今まで以上に、安定的な家賃収入を確保できる状況になりつつあります。
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駅近の賃貸物件のニーズは高い
多くの子育て世代に共通したニーズは、駅から5分程度、スーパーなど買い物に便利、保育園など子育て環境が充実している、といった立地条件を備えた物件です。
特に、駅から近いという立地条件が最も好まれます。コロナ禍で在宅勤務が増え、通勤をあまり考えなくてもいい時期もありましたが、コロナが収まるにつれ在宅勤務も減り、職場へ通勤する機会も増える傾向です。
東京23区内の近距離通勤可能な地域では、入居希望者も増えており、家賃相場がかなり上昇しています。都心まで40~50分ほどの通勤可能な地域でも、家賃は値上がり傾向です。
賃貸物件を所有する方は、駅からの距離など立地条件よって賃貸価格が変わることに考慮する必要があります。例えば、駅から5分程度と15分以上かかる2つの物件で、家賃・専有面積・機能や設備が同じ場合、駅近の物件には入居者はすぐに見つかりますが、駅から遠い物件には、なかなか入居者は見つからないかもしれません。
地元不動産業者と相談のうえ、自分の物件の置かれている立地条件を確認し、駅近の場合は家賃を上げることも可能です。たとえ多少設備が劣っていたとしても、駅から近い物件へのニーズが高いので、余計な設備投資をしなくても、入居者は見つかります。
また、近隣に大型スーパーなどが出店し、食料品や日用品の入手が容易であれば人気度は上がるため、その条件を織り込んで家賃を設定できます。
さらに、都心へのアクセスが同程度の高級住宅地にあるような人気沿線とあまり人気のない沿線とでは、駅からの距離が同じでも賃貸価格にかなり差が出てきます。人気の地域に住みたいという、こだわりの強い方も結構いるため、物件が人気沿線にあれば家賃を高く設定できるかもしれません。
設備投資で考慮すべきポイント
高額の家賃を得るためには、設備の充実が不可欠です。特に近隣の賃貸住宅との比較が重要で、設備内容によって家賃は変わってきます。その主なポイントは、以下のとおりです。
(1)建物の構造かどうなっているか
(2)築年数はどのくらいか
(3)二重の鍵だけでなくオートロックなど防犯設備があるかどうか
(4)若い世代には必須のネット環境や宅配ボックスの整備がされているか
まず(1)の構造は、鉄筋コンクリート構造ならば耐震・耐火の要件があり、木造に比べると2~4万円高く設定できる傾向にあります。
(2)の築年数では、5年未満と5年以上を比較すると2~3万円の差があり、さらに新築物件と築10年超の物件とでは、4~5万円ほど差が開く傾向です。
(3)の鍵は、オートロックになっているかどうかで2万円ほど違ってくることもあります。(4)は、ネット環境や宅配ボックスの整備がされていると、1万円以上差が出る可能性があります。
(※金額は筆者の取材によるもので、あくまで目安です)
賃貸住宅では、家賃とは別に管理費や共益費が発生します。貸す側はもちろん借りる側も、事前の確認が大切です。特に貸す側は家賃滞納に備え、連帯保証人を立てる、または保証会社と契約し借りる側に保証料を払ってもらう、ということも必要になります。
設備を最新に切り替え、高い家賃収入を目指すことも一つの考えですが、多額のローンを組んでの賃貸経営は、リスクも考慮しなければなりません。例えば、大学や工場の移転など地域社会の変化により、賃貸経営が厳しくなる事態もありえます。
また、賃貸アパートの急増など、周囲の状態に目を配ることも大切です。特に所有賃貸物件数が少ない方の場合、入居者が決まらないと投資金額の回収が難しくなります。
こうした事態を避けるためには、建物の修繕費は最低限に抑え、賃貸住宅の家賃を周囲と比較して安く抑えることも一つの方法です。収入は減りますが、空室を減らすことで、安定した賃貸経営ができます。
特に駅から20分以上かかる地域では、設備投資を行っても入居者が決まらない事態も招きかねません。この場合は、入居対象者を若いファミリー層に限定せずに考えましょう。設備はやや劣っていても、家賃が安く比較的広い間取りの賃貸物件を希望する層もいるはずです。年齢層を限定せずに、入居者を探すのも一つの方法といえます。
執筆者:黒木達也
経済ジャーナリスト
監修:中嶋正廣
行政書士、社会保険労務士、宅地建物取引士、資格保有者。