更新日: 2024.05.07 その他資産運用
あと3年で60歳、定年退職となります。シニア世代で投資している人が結構いると聞き、生活費に不安もあるので始めてみたいと思いますが、年齢的に遅すぎますか?
しかし、60歳から投資を始めることが遅すぎるのではないかという懸念を抱く人も多いでしょう。本記事では、60歳から投資を始めることや、投資をする際のポイントについて詳しく解説します。シニア世代で投資をスタートしたい方は、ぜひ参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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60歳から投資を始めても遅くない
一般社団法人投資信託協会の「60歳代以上の投資信託等に関するアンケート調査報告書-2021年(令和3年)」によれば、60歳以上の人のうち、「現在投資をしている」と回答した割合は36.4%でした。また、老後の資産形成を開始した年齢に関して、60代から始めたと回答した人の割合は7.1%でした。
同様に、マネックス証券の「資産運用に関する調査」でも、60代から資産運用を開始したと回答した人の割合は5%でした。
50代以下と比較すると割合は低いですが、それでも一定数の方が60代から投資を始めていることが分かります。
投資はできるだけ早く始めるべきだと言われています。しかし、「人生100年時代」とも称される現代において、60代から始めても遅すぎるとは言えません。
老後の生活費は赤字の可能性
総務省統計局の「令和4年 家計調査年報(家計収支編)」によると、65歳以上の夫婦世帯の月の収支は、図表1のとおりです。
【図表1】
収入 | 24万6237円 |
支出 | 26万8508円 |
差額 | ▲2万2271円 |
※総務省統計局「令和4年 家計調査年報(家計収支編)」を参考に筆者が作成
月の収支は2万2271円の赤字です。1年間で26万7252円もの赤字となり、その赤字分を他の収入や貯金などから補わなくてはなりません。世帯によっては、さらに赤字が大きくなる可能性もあります。
しかし、60歳から投資を始めることで、収入が増え、家計に余裕が生まれる可能性があります。
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60歳で投資を始める際のポイント
60歳で投資を始める際は、余裕資金を使い、ハイリスク・ハイリターンの商品は避け、分散投資を心掛けることが重要です。これらのポイントを考慮して投資に取り組むことで、安全性が高まり、老後の破綻リスクや投資の損失リスクを軽減できます。
本項では、60歳で投資を始める際のポイントについて詳しく見ていきましょう。
余裕資金を使う
投資には、余裕資金を使うことが重要です。なぜなら、投資には損失のリスクが伴うからです。また、60歳以降は収入が限られ、以前と比べて家計に余裕がなくなる可能性があります。
そのような状況下で生活資金を投資に使ってしまうと、生活に大きな支障をきたす恐れがあります。投資には余裕資金を使い、生活資金を投じないように注意しましょう。
ハイリスク・ハイリターンの商品は避ける
60歳から投資を始める際には、ハイリスク・ハイリターンの商品は避けることをおすすめします。ハイリスク・ハイリターンの商品は、短期間で大損するリスクがあります。また、ギャンブル性が高い傾向があり、利益を得ることが難しいためです。
例えば、仮想通貨やFX、先物取引などは避けたほうがよいでしょう。
分散投資を心掛ける
60歳からの投資では、分散投資を重視しましょう。分散投資とは、投資先を1つに限定せず、複数に分散することです。これにより、資産全体での下落リスクを軽減できます。
例えば、「国内株と債券に投資する」「国内株のセクターを分散させる」「投資信託で運用する」などの方法で分散投資が可能です。
投資は60歳からスタートしても問題なし。リスク管理を意識しながら始めよう
投資は60歳から始めても遅くはありません。老後資金が想定以上に必要になる可能性も考えられるため、備えは重要です。新NISAを利用すれば、運用益が非課税になるメリットもあります。
ただし、60歳から投資をスタートする場合、余裕資金を使い、ハイリスク・ハイリターンの商品は避け、分散投資を重視することが大切です。早速、資産運用の準備を始めてみましょう。
出典
総務省統計局 令和4年 家計調査年報(家計収支編)
一般社団法人投資信託協会 60歳代以上の投資信託等に関するアンケート調査報告書-2021年(令和3年)
マネックス証券株式会社 資産運用に関する調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー