更新日: 2024.05.08 NISA
50代です。NISAで資産運用を始めたら、老後のお金は増えますか?
特に、投資でもうかった利益が非課税となるNISA制度は、年齢制限がないので、50代でも活用することができます。今回は、50代の方が資産運用を始めた場合、どのくらいお金を増やすことができるのか、シミュレーションをしてみましょう。
執筆者:下中英恵(したなかはなえ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。
富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”
50代でもNISAは利用できる
売買益や分配金などに税金がかからなくなるNISAは、どの年代の人にとってもお得な制度です。NISA制度は、18歳以上の方なら利用でき、上限の年齢制限はありません。そのため、50代の方はもちろん、80代など高齢者になってもお得に資産運用を続けることができます。
日本の平均寿命の長さは世界的に見てもトップクラスで、80代でも元気に生活しているお年寄りの方がたくさんいます。50歳から資産運用を始めても、80代まで30年間も運用期間を確保できるので、大幅にお金を増やすことができる可能性があります。
資産運用を始めるのに、遅すぎるという年齢はありません。あきらめずにぜひチャレンジしてみましょう。
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月10万円を積立投資した場合
では実際に、50代の方が毎月10万円ずつ積み立て投資をした例をシミュレーションしてみましょう。年率5%で運用できたとすると、15年後には、図表1のようにお金を増やすことができる可能性があります。
図表1
(金融庁の資産運用シミュレーションより抜粋)
<投資条件>
毎月投資額:10万円
想定利回り:年率5%
<投資結果>
3年後 :合計387万5000円(投資元本360万円、運用利益27万5000円)
9年後 :合計1360万4000円(投資元本1080万円、運用利益280万4000円)
15年後:合計2672万9000円(投資元本1800万円、運用利益872万9000円)
NISAでは、利益にかかる税金が非課税となります。
例えば、このシミュレーションにおける15年後の利益は、872万9000円です。これがNISA口座ではなく課税口座で得た収益だった場合は、そのうち約20%に当たる、174万5800円が課税されてしまいます。しかし、NISA口座は非課税となるので、この税金は払う必要がありません。
また、NISAの投資上限額は1人につき1800万円までとなっています。毎月10万円ずつ投資をすると15年間で上限に達しますが、その後はそのままNISA口座で保有しつづけることが可能です。
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50代は老後資金の最終準備
少し前に「老後2000万円問題」が有名になりました。これは、金融庁の金融審議会が作成したレポートに記載された内容ですが、夫婦2人の場合、将来もらえる年金のほかに、老後は2000万円くらいのお金を用意しておくとよいと言われています。
50代は、老後資金の最終準備段階です。毎月10万円ずつ積立投資をすることができれば、2000万円は約12年で達成することが可能です。もちろん「月10万円も投資することができない」という方は、自分のできる範囲内で投資額を決定しましょう。退職金など、まとまった金額が手に入った際に、投資額を増やすこともできます。
老後資金として2000万円を準備するために、非課税でお得に資産運用ができるNISAを使って、お金を増やすことを検討してみましょう。
まとめ
NISAには年齢制限がないので、50代から始めても生涯資産運用を続けることができます。老後の生活に不安がある、老後のお金が足りないと感じている方は、今回紹介した運用シミュレーションを参考にしながら、老後資金の準備を始めましょう。
出典
金融庁 資産運用シミュレーション
金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書 「高齢社会における資産形成・管理」
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者