更新日: 2024.06.14 株・株式・FX投資
【投資初心者】外貨建て投資信託に挑戦したいです。投資する際の「為替ヘッジ」とは何ですか?
本記事では、特に外貨建て資産へ投資するのが初心者の方は迷う場合がある「為替ヘッジ」について、銘柄選びのポイントやメリット・デメリットなどを確認してみたいと思います。
執筆者:高橋庸夫(たかはし つねお)
ファイナンシャル・プランナー
住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。
為替ヘッジとは
最近の円安が続いている状況を背景として、今後の為替レートの変動に注目する方も多いでしょう。「為替ヘッジ」とは、このような為替レートの変動によるリスクを回避(ヘッジ)しておく方法のことをいいます。
例えば、ドルで運用している投資信託の価格に変動がない場合でも、1ドル=150円のときに1万ドル購入した投資信託(150万円)が、その後に円高に推移して1ドル=140円となった場合には、140万円の価値に下落することになります。このような為替リスクの影響を回避するのが、為替ヘッジです。
為替ヘッジには、「為替予約」という将来の為替レートをあらかじめ決めておく手法が使われます。つまり、「いつの時点で、いくらで交換する」という約束を設定しておくことで、将来的な為替リスクの影響を抑えることが可能となります。
ただし、「為替ヘッジがあるから為替リスクをゼロにできるわけではなく、損失が生じる可能性はある」という点は、理解しておく必要があります。
SBI証券会社のサイトには、為替ヘッジ型投資信託について次のような説明がありました。
「海外資産での運用は大きなリターンが期待できる反面、為替変動による損益への影響も大きいため、円高の影響で大事な資産が減ってしまうのは避けたいものです。為替リスクを抑え安定リターンを狙う、為替ヘッジ型ファンドを多数ご用意しています」
このような「リスクを抑え安定リターンを狙う」などのキーワードに、魅力を感じる方も多いのではないでしょうか?
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為替ヘッジにかかる費用
「為替ヘッジあり」の場合には、「ヘッジコスト」という手数料がかかります。ヘッジコストの金額は、基本的には対象となる外国通貨と日本円との短期金利の差で算出されます。
短期金利は日々変動していますが、ほとんどの場合は日本円の短期金利より外国通貨の短期金利が高いため、「ヘッジコスト」がかかります。仮に、日本円の短期金利の方が高い場合には、「ヘッジプレミアム」として収益を受け取ることになります。
ちなみに、対ドルのヘッジコストは2022年ぐらいから上昇し、現在は約6%弱と、高止まりの状態で、コスト高の状況が続いています。
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為替ヘッジのメリット・デメリット
「為替ヘッジあり」の場合は、前述のとおり、安定的な運用ができる点がメリットであり、ヘッジコストという手数料のかかる点がデメリットといえるでしょう。また、「為替ヘッジあり」の場合には、たとえ円安による為替差益が生じたとしても、それを受け取ることができないことも、理解しておかなければなりません。
例えば、「今後円高に進んでいく」と予測する場合や、ヘッジコストの影響をあまり受けることのない短期的な運用をする場合などに、「為替ヘッジあり」を選ぶことができます。逆に、長期運用の場合には、ヘッジコストの費用がかさみ、運用成果が抑えられてしまう場合もあります。
まとめ
投資においては、常にリスクとリターンが存在し、各人の資産の状況や投資スタイルに応じて、自らの許容度に合った銘柄を選択することが重要です。
「為替ヘッジなし」の場合には、「あり」と比べると為替リスクの影響を受ける可能性は高くなりますが、逆に、その分大きなリターンを得られる可能性も高くなるといえます。
これらはあくまでも可能性ですので、それぞれの資産運用の目標額に応じた投資スタイルを考えてみましょう。
執筆者:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー