「新NISAに月々5000円かけても意味がない」夫はそう言いますが、実際にはどうなんですか?

配信日: 2024.06.15

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「新NISAに月々5000円かけても意味がない」夫はそう言いますが、実際にはどうなんですか?
NISAの新制度が施行され投資に興味を持ち、「まずは少額からやってみよう」と思う方もいるようです。しかし、少額では意味がないと思い、反対する方もいるでしょう。
 
そこで、月々5000円を新NISAに拠出した場合の効果について考えてみました。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

「新NISA」の概要

まずは「新NISA」の概要について知っていきましょう。
 
新NISA(以降「NISA」)とは、2024年1月より旧NISA制度から変更する形で創設された制度です。年間で最大360万円、累計1800万円までの投資(元本ベースで計算)が非課税ででき、そこから得られる利益が非課税となります。
 
通常、投資から得られる利益にはおよそ20%の税がかかりますが、NISAにおいては非課税となります。つまり、年360万円、累計1800万円の投資分までの制限付きとはいえ、投資による利益を最大限享受することができるのがNISAなのです。
 

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NISAで月々5000円積み立てると、資産はどう増える?

では、NISAで月々5000円を積み立てた場合、資産がどのように増えていくのか考えていきましょう。条件は、下記のように設定します。


・金融庁の「つみたてシミュレーター」を用いて計算
・月々5000円ずつ積み立てて運用
・年利3%の利益を見込んで運用
・運用期間は30年間

すると、月々5000円ずつ積み立てた元本は、最終的に180万円になります。それに対して、運用によって得られた利益は111万円となります。元利合計額は、なんと291万円です。
 
NISAで月々5000円積み立てても、30年たてばこのように大きな利益をもたらす可能性があるため、意味がないと言い切ることはできません。
 
もちろん、上記はあくまでも金融庁の「つみたてシミュレーター」において年利3%での運用を前提としているため、必ずしもこれだけの利益を見込むことはできません。
 
しかし、NISAを通じて投資できるのは、国が審査する厳しい基準を通過した、一定の投資信託などに限られています。それらの点を踏まえて、NISAは月々5000円であっても、十分始める価値があるといえるでしょう。
 

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NISAは短期間ではあまり効果は得られない

今回の事例のように、「月々たった5000円では、NISAで積み立てても意味がない」と言われる原因のひとつには、おそらく「短期的な積立投資ではあまり利益を見込めない」という点から、論理が飛躍したものと考えられます。
 
仮に先項の事例に沿って、5年間積み立てを続けても、元本30万円に対して利益は2万円です。さらに、NISAは「投資」であるため、元本割れする可能性があることを考えると、元本割れするリスクに見合うだけのリターンとなっておらず、人によっては「意味がない」とも考えられます。
 
この積立投資期間が3年とさらに短くなると、元本18万円に対して利益は1万円とさらに小さくなり、元本割れの可能性がさらに大きなものとなり、不安になるでしょう。
 
このように、短期間の積立投資では安定して利益を得られず、その利益も小さいことが分かります。それを基に今回のように「月々5000円の少額投資で、さらに短期間の投資であっては、意味がない」と懸念する方がいるのでしょう。
 
毎月一定額ずつ積み立てて投資していく積立投資で、できる限り安定していて大きな利益を見込むためには、長期運用が前提となる点を覚えておきましょう。
 

まとめ

NISAで月々5000円積み立てても、意味がないわけではありません。例えば、積み立て開始時から30年経過すれば、元利の合計は、年利3%と仮定して計算しても291万円となります。少額からの投資でも、時間をかければ複利の力で大きな金額になる可能性があるでしょう。
 
もしNISAについて興味があれば、一度金融庁のつみたてシミュレーターで、資産額の推移についてシミュレーションしてみてください。
 

出典

金融庁 つみたてシミュレーター
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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