更新日: 2024.06.21 その他資産運用

投資信託を購入します。投資信託の購入で為替ヘッジの「あり」と「なし」、どちらがいいのでしょうか? それぞれのメリット・デメリットは?

投資信託を購入します。投資信託の購入で為替ヘッジの「あり」と「なし」、どちらがいいのでしょうか? それぞれのメリット・デメリットは?
投資の基本は、「長期・積立・分散」です。その分散投資の一つに地域分散があります。つまり、日本の資産だけでなく、海外の資産も取り入れるということですが、その際のリスクの一つとして「為替リスク」があります。
 
為替は、海外資を組み込んでいる投資信託の運用においても、非常に大きな影響があります。特に同じ投資信託の銘柄でも為替ヘッジの「あり」と「なし」は、そもそもの基準価格の動きも異なります。
 
本記事では、投資信託の為替ヘッジについてお話しします。
田久保誠

執筆者:田久保誠(たくぼ まこと)

田久保誠行政書士事務所代表

CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、特定行政書士、認定経営革新等支援機関、宅地建物取引士、2級知的財産管理技能士、著作権相談員

行政書士生活相談センター等の相談員として、相続などの相談業務や会社設立、許認可・補助金申請業務を中心に活動している。「クライアントと同じ目線で一歩先を行く提案」をモットーにしている。

為替ヘッジとは

為替ヘッジとは、円高・円安といった為替の変動による外貨資産の円ベースの価値の変化を回避(ヘッジ)することです。
 
一般的に、海外の株や債券等に投資する場合、その国の通貨(外貨建て)で運用されます。つまり、それらに投資する投資信託は、その国の為替の影響を日々受け、円換算の際の資産価値も変動することになります。
 
為替ヘッジを行わない場合、円安になるときは基準価格が上がるのでよいのですが、円高になるときは仮にその投資している株価が上がっても、基準価格が下がる影響を受けることもあります。
 
外貨建て資産に対して対円で為替ヘッジを行うことで為替の影響を避ける、あるいは抑えることが為替ヘッジの目的です。当然ですが、為替ヘッジを行うためには、先物取引や信用取引などの取引を行うことになりますのでコストがかかります。
 

為替ヘッジありとなしの商品の、メリット・デメリットは?

まず、為替ヘッジありの場合です。最大のメリットは、為替レートの変動の影響を抑えながら外国資産に投資できることです。ただし、デメリットとしては上記のとおり、その為替レートの変動を抑えるためのコストがかかるということです。
 
為替ヘッジなしの場合は、メリット・デメリットは上記の逆で為替ヘッジのためのコストがかからないということです。その代わりデメリットは為替の影響をもろに受けますので、購入時より売却時のほうが円高になっていれば利益が出ないことも考えられます。
 
よって、為替ヘッジありとなしの商品がある場合は、上記のことを考えたうえで購入することになりますが、今後の為替状況が円高になりそうであれば為替ヘッジありを、円安になりそうであれば為替ヘッジなしを、ということにもなります。
 

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影響を必ず回避できるわけではない

いくら為替ヘッジをしていても、完全に為替の影響を回避できると保証されているわけではありません。その理由は、為替予約はあらかじめ期日と金額を決定しておかなければならず、もし期日までに外国資産の価格に変動があると、金額にその分のズレが生じるからです。
 
また、本稿前半で書いたように、為替ヘッジのためには先物取引や信用取引を行いますので、それ相応のコスト(為替ヘッジコスト)が必要となり、そのコストの影響で資産が減る可能性も否定できません。
 
海外資産で運用する投資信託では、目論見書に必ず為替ヘッジありかなしかが記載されています。また、両方の設定がある商品の場合、商品名にヘッジありかヘッジなしかの記載がされています。
 

最終的にはご自身のリスク許容度次第

投資信託のリスクは債券以上株式未満ですが、海外の商品に投資している投資信託はそのなかでも比較的リスクが高い商品になります。ご自身が商品だけでなく為替の影響に対してリスクを許容できる、あるいは今後円安に進むと考えるのであれば、ヘッジなしの商品を買うことを検討してもよいでしょう。
 
しかし、そうでない場合は、ヘッジありの商品を考えるという選択も検討することになります。これらの商品も、最終的にはご自身のリスク許容度に合わせて購入しましょう。
 
執筆者:田久保誠
田久保誠行政書士事務所代表

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