NISAで損をした! ブラックブラックマンデーを超える株価の暴落。これからのための考え方とやることリスト
配信日: 2024.08.08
数字が見る見る下がっていく中で、そのリスクをどう受け止めたらよいのか、今後の対処法について考えます。
執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。
新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。
ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。
やはり“投資にはリスクがある”
8月5日「ブラックマンデーを超える史上最大の下げ幅」といわれる株価の暴落が起きました。日経平均株価は4451円値を下げましたが、これは前代未聞です。ニュースで比較されているブラックマンデーは1987年10月なので、どれほどの出来事かということが分かります。
今年は新NISA元年。“貯蓄から投資へ”“老後資金は若い頃から時間を味方に準備しましょう”などの推奨のもと、つみたて枠を利用して投資を始めた若年層は多いです。これは少額からネットを利用して簡単に始められるという点で、若者に支持されたと思います。
時流に乗る形で始めて半年が過ぎ、日々の残高に凸凹はあったかもしれませんが、順調に資産は増えていたと思われます。「これはうれしい! 始めて良かった」と、友人に報告したかもしれません。
今回の下落では、“投資にはリスクがある”ということが鮮明に知らされました。証券会社のサイトやパンフレットにも必ず明記されていることですが、上り調子の時は忘れがちです。「マイナスになることもある」というのが現実になった時こそ、自分のリスク許容度がどの程度なのかを知ることができます。
つみたて枠を使った投資の中で人気を集めたのは、“オルカン”と呼ばれる全世界(オールカントリー)の株式市場に投資するものや、先進国の株式市場に投資する投資信託です。
実は筆者も、先進国に投資する某投資信託で毎月10万円ずつ積立投資をしています。1月から7月までの間、毎月10万円で買い付けることができる口数の推移を図表にしてみました。
(図表)
基準価格は順調に上昇していますが、その変動により、買える口数は減っていることが分かります。この商品の下落時における単価はというと、8月2日は2万8592円 8月5日は2万7315円。両日は買付け日ではないのですが、もし買えば、間違いなく多くの口数を買うことができます。
10万円×7ヶ月=70万円の資金が運用でいくらに増えたのか、は大切ですが、“株価が下がったので今月はたくさんの口数を買うことができた”と発想の転換をすることも必要です。
口数を増やしておけば単価が上昇した時の増え方が大きいので、効率よく資産を増やせます。ご自身の投資についても、図表を作成してみるのもおもしろいかもしれません。
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自分のリスク許容度について再考しよう
個別株式のように時々刻々と株価が変動しませんが、投資信託にも毎日の変化はあります。この変化を見てリスク許容度をはかり、“一喜一憂しないから自分は大丈夫”と判断していた人も、今回の下落で自信をなくした人もいるのではないでしょうか。始めて間もないこの時期に、下落の経験ができたのは良かったかもしれません。
積立投資を長く続けていると、今後も今回のような局面は何度か訪れます。5年後・10年後に資産残高が増えた状況で、大暴落となったらどうでしょうか。リスク(ブレ幅)を少なくすることも考慮するべきです。
もし投資対象が株式だけの投資信託で積立投資をしているのなら、「2年目からは債券なども組み入れたバランス型の投資信託と半々に投資する」などの工夫も一案です。分散投資することにより、リスクは減らせます。大切なお金を増やすことも大事ですが、守ることも念頭においてください。
この原稿を執筆している8月6日の日経平均は3万4675円でした。これは前日から3217円高で、上昇幅は過去最大。明日以降どちらに動くのか、株価からしばらくは目が離せません。
執筆者:宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士