更新日: 2024.10.19 NISA

専業主婦の妻は、生活費から「3万円」をNISAで運用しています。口座は“妻名義”らしいですが、税金の関係で問題になるでしょうか?

専業主婦の妻は、生活費から「3万円」をNISAで運用しています。口座は“妻名義”らしいですが、税金の関係で問題になるでしょうか?
最近、いろいろな物やサービスが値上がりしていますが、そんな中でもうまく家計をやりくりして、将来のために貯蓄している家庭もあるかと思います。
 
しかし、状況によっては知らず知らずのうちに脱税となっている可能性があることをご存じですか。この背景には、新NISAと贈与税の仕組みが関わっています。
 
本記事では、新NISAと贈与税の制度内容を解説し、生活費をやりくりして貯蓄に回したお金に税金がかかるケースを紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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新NISAの制度内容

新NISAとは、2024年から始まった新たなNISA制度です。そもそもNISAとは「Nippon Individual Savings Account」の略で、一定額までの投資で得た収益に対して税金がかかりません。
 
通常、株式や投資信託などの運用で得られた収益には20.315%の税金がかかりますが、NISAではこの税金が非課税になるため、個人の資産形成を助ける制度として注目を集めています。
 
NISAは、金融機関の専用口座を使いますが、1人につき1口座しか開設できず、口座の名義人の資産として管理されます。例えば、妻名義の口座で資産運用しているとします。資産の使い道としては、家族全員の将来のための備えだとしても、管理上は妻の資産として扱われるのです。
 

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贈与税の制度内容

贈与税とは、個人からお金などの財産を受け取ったときに、その額に対して課税される税金のことです。贈与税の計算は、1月1日から12月31日の1年間に受け取った財産から基礎控除額である110万円を差し引いた額に対して、金額に応じた一定の率をかけて算出します。
 
贈与税には、贈与する目的によって税金がかからない場合がいくつかあり、その1つが生活費や教育費に充てられるお金です。ここでいう生活費とは、治療費や養育費、そのほか子育てに関する費用を含む日常生活に必要な費用であり、その目的に直接使われる額のみが対象です。
 
例えば、生活費という名目で毎月15万円という金額を妻に渡していたとしても、そのうち12万円で生活費をまかない、3万円は生活費以外の目的で使用している場合、その3万円は課税の対象になります。
 

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妻名義のNISA口座で運用すると金額によっては相続税がかかる

貯蓄や投資のための資金に充てたお金は生活費とはなりません。今回のケースのように、夫が会社勤めの給与所得者、妻が専業主婦の場合、たとえ生活費をやりくりして捻出したお金であっても、夫の給与から妻名義のNISA口座の投資資金として利用していることとなるため、贈与税の対象となります。
 
もちろん夫と妻が逆のパターンであっても同じです。110万円までなら基礎控除の範囲内なので、月に3万円なら非課税となり問題ありませんが、毎月9万2000円を超える額を運用に回している場合は贈与税が発生する可能性があります。
 

NISA口座の名義に注意して、贈与税がかかる場合は納税を

NISA口座の名義人は家族が、NISA口座に入っている資産は家族みんなのものだと認識していたとしても、あくまでも名義人個人の資産とみなされます。
 
生活費として夫の給与から専業主婦の妻へ渡しているお金であっても、用途が貯蓄や投資のための資金に充てられる場合には贈与税の対象となります。年間を通じて基礎控除額の110万円を超える場合には、納税の必要がありますので注意しましょう。
 

出典

国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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