更新日: 2024.11.01 その他資産運用
投資詐欺には注意しましょう。こんな話にはご用心を。
投資詐欺自体は昔からあり、終息したと思ったらまた起こるというように、繰り返すのが常です。
今年からは「新しいNISA」が始まり、投資への関心が高まっていますが、その真っ最中にこのような詐欺被害が発生するのは、非常に残念なことです。
テレビなどの報道で取り上げられると、具体的な詐欺事案がイメージしやすくなりますが、基本的には「よく分からないものには手を出さない」という意識を持つことが大切です。
そこで今回は、金融庁が注意喚起を行っている事例について確認してみたいと思います。
執筆者:重定賢治(しげさだ けんじ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)
明治大学法学部法律学科を卒業後、金融機関にて資産運用業務に従事。
ファイナンシャル・プランナー(FP)の上級資格である「CFP®資格」を取得後、2007年に開業。
子育て世帯や退職準備世帯を中心に「暮らしとお金」の相談業務を行う。
また、全国商工会連合会の「エキスパートバンク」にCFP®資格保持者として登録。
法人向け福利厚生制度「ワーク・ライフ・バランス相談室」を提案し、企業にお勤めの役員・従業員が抱えている「暮らしとお金」についてのお悩み相談も行う。
2017年、独立行政法人日本学生支援機構の「スカラシップ・アドバイザー」に認定され、高等学校やPTA向けに奨学金のセミナー・相談会を通じ、国の事業として教育の格差など社会問題の解決にも取り組む。
https://fpofficekaientai.wixsite.com/fp-office-kaientai
怪しい誘い文句は疑う
金融庁では、「詐欺的な投資勧誘等にご注意ください!」というWEBページ内で、悪質な投資勧誘とその具体的な被害について注意喚起を行っています。
例えば、(1)「上場確実ですので、必ずもうかります!元本も保証します!」、(2)「△△社の株(社債など)を買ってくれたら、あとで高く買い取ります」、(3)「被害を回復してあげます。その代わり、別の商品(□□社の株式・社債など)を買ってください!」、(4)「郵便や宅配便等で現金を奉仕してください」、(5)「金融庁(その他公的機関名)の者ですが……」などと勧誘される場合が挙げられます。
いずれも近年耳にする被害事例ですが、(1)~(3)については、目の前の人が金融機関関係者のように映ってしまうと、人によっては信用してしまうかもしれません。
「これは詐欺だ」と見極めるのは難しいかもしれませんが、「怪しい勧誘文句はまず疑ってみる」という姿勢を持つようにしましょう。
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詐欺的な業者は疑う
また、同WEBページの「無登録・無免許等で事業を行っている者にご注意ください!」という項では、具体的な詐欺的事例について紹介しています。
例えば、「インターネットで勧められた海外業者とのFX取引で、利益が出ているのに出金に応じてもらえず、そのうち業者と連絡が取れなくなった」「知り合いに勧められ、海外の会社のICO(企業等がトークンを発行して、投資家から資金調達をする行為の総称)に投資したが、投資金を運用せず、どこに行ったか分からない」「業者から未公開株への投資を勧められ、購入代金を渡した。その後、何の連絡もないので電話をしてみると、業者と連絡がつかなくなっていた」などというケースがあります。
また、「知り合いからの紹介やSNS等を通じて、暗号資産やコモディティ等で運用すると必ずもうかるとうたう高利回りな投資話に勧誘され、(勧誘者等に現金を渡して)入金または暗号資産を購入」したケースもあります。このような場合は、当初は配当があり払い戻しもできたものの、しばらくすると、突然サービスが停止し、配当や預けた現金・暗号資産の払い戻しができなくなった、などの被害があります。
これらの被害に共通することは、「無登録で金融商品取引業を行う者から勧誘されている」という点です。金融商品取引行為を業とする場合は、金融商品取引業の登録が必要です。
実際、聞いたことのない名前の金融機関の人間から勧誘された場合、詐欺かどうかは判断するのが難しいかもしれません。しかし、持ちかけられている話が怪しいと思ったら、きっぱり断る態度を示すようにしましょう。
まとめ
金融庁のサイトでは、ほかにもいくつかのポイントを明示し、注意喚起を行っています。このような詐欺、もしくは、詐欺と目される事案への回避策として、私たちが知っておくべきことは「投資家保護」という考え方です。
法律では投資家の利益に相反することは厳しく罰せられますが、勧誘などを受けた場合、自分が不利益を被る可能性があるかどうかについて、「投資家保護」の観点から考えるクセを身につけておくことは、とても大切なことといえます。
出典
金融庁 詐欺的な投資勧誘等にご注意ください!
執筆者:重定賢治
ファイナンシャル・プランナー(CFP)