資産を増やしたいけどリスクは避けたい方必見! 「米国国債」が注目される理由と「為替リスク」の抑え方とは
配信日: 2025.02.19

しかし株式、投資信託以外に投資の対象として考慮すべきものに、金利と安定性の高い「米国国債」への投資があります。
米国国債への投資の魅力としては、高金利、ドルベースでの元本保証、発行体の信用力などが挙げられますが、為替リスクがあるために投資をためらう人もいるかもしれません。仮に為替リスクがコントロールできれば、米国国債への投資は、金利の高い銀行の定期預金のようなものだということができます。
この記事では、米国国債の特徴を説明し、投資をする際の為替コントロールについて数回にわたり解説したいと思います。

執筆者:浦上登(うらかみ のぼる)
サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー
東京の築地生まれ。魚市場や築地本願寺のある下町で育つ。
現在、サマーアロー・コンサルティングの代表。
ファイナンシャル・プランナーの上位資格であるCFP(日本FP協会認定)を最速で取得。証券外務員第一種(日本証券業協会認定)。
FPとしてのアドバイスの範囲は、住宅購入、子供の教育費などのライフプラン全般、定年後の働き方や年金・資産運用・相続などの老後対策等、幅広い分野をカバーし、これから人生の礎を築いていく若い人とともに、同年代の高齢者層から絶大な信頼を集めている。
2023年7月PHP研究所より「70歳の現役FPが教える60歳からの「働き方」と「お金」の正解」を出版し、好評販売中。
現在、出版を記念して、サマーアロー・コンサルティングHPで無料FP相談を受け付け中。
早稲田大学卒業後、大手重工業メーカーに勤務、海外向けプラント輸出ビジネスに携わる。今までに訪れた国は35か国を超え、海外の話題にも明るい。
サマーアロー・コンサルティングHPアドレス:https://briansummer.wixsite.com/summerarrow
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米国国債は「米国政府の借金」
国債は債券(債務証券)の一種です。債券とは、国や企業などが投資家から資金を借り入れるために発行する有価証券です。簡単にいうと、債券とは発行体の「借金」で、国債は「国の借金」ということになります。
米国国債は米国財務省が発行する、米国政府の債務証券です。米国は世界最大の経済大国かつ軍事大国で、基軸通貨であるドルを有しているので、国債のなかでも世界トップレベルの信用力を備えています。
この記事で皆さんにお勧めするのは、米国国債そのもの、いわゆる「生債券」です。
それ以外に米国国債に投資する方法としては、米国国債を投資信託の形にした債券ファンドがありますが、債券ファンドの場合は満期がないので、その分価格変動のリスクが大きくなり、投資商品としては難しくなります。
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米国国債の種類;利付債と割引債
続いては、米国国債の種類について、どんなものがあるか確認していきましょう。米国国債には、利付債と割引債(後者は一般に「ゼロクーポン債」「ストリップス債」と呼ばれています)の2種類があります。
利付債は額面で発行され、償還(満期)期日に額面金額が償還される債券です。半年に一度利息を受け取れます。すなわち、利付債の発行価格を100とすると、満期価格も100となりますが、金利が年4%なら半年に1回ずつ2の金利が受け取れます。
ただし、実際は証券会社で販売している発行後の国債(既発債といいます)を購入することになるので、購入価格が額面の100から若干変動し、99.37や100.01のようになることがあります。この場合は、価格変動リスクが購入価格に組み入れられたことになります。
すなわち、上記の例のように満期価格を100、購入価格が99.37、残存期間が2年、その間に合計4回(半年に1回のペースで)金利を受け取れるなら、単利利回りは次のようになります。
((100+2×4回)÷99.37)-1)÷2年=年利4.34%
一方、割引債は利付債と異なり、満期まで利息が支払われません。その代わり、額面から利回り相当額を割り引いた価格で取引され、償還時に額面金額で償還されます。いわば、購入価格に満期までの金利が組み込まれた形になっています。
割引債の方は利息の管理をする必要がないので、投資の手間が減り、利付債と比べて複利効果のある投資方法ということができます。
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米国国債の手数料・税制は?
続いて、米国国債の購入および売却にかかる諸費用を見ていきましょう。
大手ネット証券で取引をした場合、購入・売却手数料はかかりません。米国国債の償還または中途売却による償還・譲渡益は「譲渡所得」と見なされ、20.315%の申告分離課税の対象となります。
特定口座で管理すれば、金融機関等があらかじめ税額を計算し、源泉徴収していてくれるので、償還・売却損が出た場合は、上場株式等と損益通算が可能になります。
仮に手数料・税制を銀行預金と比べた場合、手数料がかからないことと20.315%の税率は同じなので、金利の高い分だけ米国国債に投資した方が有利となります。
また、株式・投資信託と比較すると株式・投資信託は手数料がかかるのに対し、米国国債に手数料はかかりません。20.315%の申告分離課税の対象となる点では同じであるため、やはり米国国債の方が有利です。
まとめ
米国国債は、新NISAの投資先として注目が集まるなか、「低リスクで資産を運用したい」という方にとって魅力的な選択肢となります。高い信用力や安定した利回りが期待できる一方で、為替リスクの管理が重要になります。
為替変動の影響を抑えるためには、「ヘッジ付きの投資信託を活用する」「分散投資をする」「購入のタイミングを分ける」などの対策が有効です。新NISAだけでなく、米国国債という選択肢を知ることで、より安定した資産形成を目指しましょう!
執筆者:浦上登
サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー