「オレンジジュース先物」の価格が急落!? 2024年の高騰から「250ドル」まで下がった理由とは? 乱高下の背景を解説
配信日: 2025.04.04

本記事では先物取引の概要や、オレンジジュース先物の価格が乱高下している背景などを解説します。

執筆者:山根厚介(やまね こうすけ)
2級ファイナンシャルプランニング技能士
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先物取引とは
「先物取引」とは、一定期間後の取引を約束して現時点で取引価格を決める取引方法です。例えば、夏の時点で正月のおせち料理を1万円で買う約束をします。
原材料の高騰などで正月になった時点でおせち料理が2万円になったとしても、すでに約束をしているので1万円で購入できます。ただし、逆に5000円に値下がりしたとしても、約束どおり1万円で買わなければなりません。
このように、自分が得をするときでも利益が得られない分、損をするときには損失を抑えられる点が先物取引のメリットです。生産者や販売者のリスクを抑える手段として、天候などによる価格変動が起きやすい農作物などで先物取引は利用されています。
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オレンジジュース先物とは
先物取引は農作物で広く取り扱われており、大豆やトウモロコシ、コーヒーなどに加えてオレンジジュースも対象です。アメリカでオレンジジュース先物が開設された当時、フロリダ州はオレンジジュースの一大生産地でした。
しかし、同州の生産量は多いものの、ハリケーンなどの影響で収穫が安定せず、価格変動リスクにさらされていたことが開設の理由とされています。
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オレンジジュース先物の価格が乱高下している理由
オレンジジュース先物は、最近まで上昇を続けていました。2020年には1ポンド100ドル前後だったのが、2024年には500ドルを超えており約5倍になりました。これは、世界的な産地であるブラジルやメキシコ、アメリカで不作が続いたことなどが原因とされています。
しかし、2025年に入ってから、それまでの約半額である250ドル前後まで急落しました。これは、価格の高騰による買い控えが起きていることや、生産がもちなおしてきたことなどが理由とされています。
先物市場が乱高下しやすいもう1つの理由
オレンジジュースのように、商品先物は暴騰・暴落が発生するケースがあります。不作や豊作など需要供給のバランス以外に、投機目的の取引が乱高下を引き起こす原因の1つです。
供給不足で値上がりが始まると、投機目的の人々は値段をつり上げて利益を増やそうとします。値段が上がれば上がるほど、注目を集めてさらに先物契約を買う投機家が増え、上昇スピードはさらに増します。
しかし、供給の安定などで価格が下がり始めると逆の動きが始まり、先物契約を破棄する投機家が増えて一気に価格が下がるのです。
まとめ
先物市場は現時点で約束した価格で一定期間後に売買できる取引で、価格変動リスクを抑えるほか、投機目的でも利用されています。オレンジジュース先物は、不作の影響などで2020年から2024年にかけて約5倍に値上がりしましたが、2025年に入って半額以下に急落しています。
商品先物は、需要と供給による値動きだけではなく、投機家による値段のつり上げなども行われていることから、極端な値動きになりがちです。高級品となったオレンジジュースですが、再び手軽に手に取れるものになるのでしょうか。今後の値動きに注目しましょう。
執筆者:山根厚介
2級ファイナンシャルプランニング技能士