「定期預金」と「個人向け国債」どちらが安全でお得? 低金利時代における効率的な資産運用の方法も解説
本記事では、定期預金と個人向け国債の違いやそれぞれの安全性と収益性、低金利時代における効率的な資産運用の方法を解説します。
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「定期預金」と「個人向け国債」の違い
定期預金とは、あらかじめ預入期間を決めて利用する預金です。一方、国債とは国が資金を調達するために発行する債券を指します。財務省によれば、「政府が個人の方でも購入できるようにした」ものが「個人向け国債」です。
定期預金と個人向け国債の主な違いを表1にまとめました。
表1
| 項目 | 定期預金 | 個人向け国債 |
|---|---|---|
| 元本保証 | 原則として1000万円までとその利息 | 全額 |
| 運用期間 | 1ヶ月から10年のものまである | 3年・5年・10年 |
| 中途解約・中途換金 | 基本的にいつでも可能 | 発行から1年経過すればいつでも可能 |
| 中途解約・中途換金時の扱い | 本来の金利より低くなる | 直近2回分の各利子(税引前) 相当額×0.79685が差し引かれる |
| 金利タイプ | 固定金利型が一般的 (金融機関によっては変動金利も選択できる) |
3年満期と5年満期は固定金利型、 10年満期は変動金利型 |
| 金利相場 (2025年5月16日時点) |
年0.25%~0.5% | 固定3年:0.66% 固定5年:0.83% 変動10年:0.84% |
| 利息の受け取り方 | 元本組入もしくは指定口座への入金 | 指定口座への自動入金 |
| 利息の受け取りペース | 原則として満期時 (満期前に受け取れる場合もある) |
半年ごとに年2回 |
| 最低預入/購入金額 | 1円以上 | 1万円~ |
※筆者作成
「定期預金」と「個人向け国債」のどちらが安全でお得?
定期預金も個人向け国債も基本的に元本が保証されるため、どちらも安全資産に分類されます。定期預金が向いている人と個人向け国債が向いている人は以下の通りです。
・定期預金が向いている人
運用期間が短い場合やいつでも引き出せるようにしたい場合は、定期預金が適しています。また、満期に受け取る利息を元本に組み入れられるため、複利効果でお金を増やしたい場合にも向いているでしょう。さらに、積立式の定期預金の場合、指定した金額を毎月積み立てられるため、定期的にお金を預けたい場合にも適しています。
・個人向け国債が向いている人
金利が定期預金より高い傾向にあるため、中長期で運用を行う場合に向いています。また、定期預金は原則として1000万円までとその利息が預金保険制度によって保護されますが、個人向け国債は全額元本保証のため、1000万円を超える場合にもおすすめです。さらに、変動金利型を選べば今後の金利上昇にも対応できます。
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低金利時代における効率的な資産運用の方法
日本では長い間低金利が続いており、金融機関にお金を預けても利息はほとんど期待できない状況です。定期預金や個人向け国債は元本割れリスクが低い安全資産といわれるものの、長期的な資産形成には不向きでしょう。元本保証されていてもインフレによりお金の価値が目減りした場合、結果的に損をする恐れもあるかもしれません。
そのため、資産運用では自身の目的や許容度に応じたリスクを取ることも大切です。例えば、iDeCoやNISAなどの税制優遇措置が設けられた資産運用であれば、定期預金や個人向け国債以上のリターンを得られる可能性があります。元本保証だけにこだわらず、長期的な視点で資産運用をしましょう。
まとめ
定期預金も個人向け国債も基本的に元本が保証されるため、どちらも安全資産に分類されます。一方、金利は個人向け国債の方が定期預金より高い傾向にあるため、中長期で運用を行う場合は個人向け国債の方がお得でしょう。
ただし、定期預金も個人向け国債も長期的な資産形成には不向きといえるため、自身の目的や許容度に応じたリスクを取ることも重要です。元本保証だけにこだわらず、iDeCoやNISAなどの資産運用も視野に入れましょう。
出典
財務省 個人向け国債 教えてコクサイ先生 知る 個人向け国債ってどんなもの?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
