50歳まで預貯金のみで「1000万円」貯めてきました。先日会社の同僚から「NISA」を勧められたのですが、今から定年の60歳までどれくらいのリターンを得られるでしょうか?

配信日: 2025.06.30 更新日: 2025.07.03
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50歳まで預貯金のみで「1000万円」貯めてきました。先日会社の同僚から「NISA」を勧められたのですが、今から定年の60歳までどれくらいのリターンを得られるでしょうか?
近年、効率的な資産運用として、NISAなどが注目を集めています。中には今回の事例のように、友人や同僚の勧めで、50歳からNISAを始めようか検討している方もいるかもしれません。
 
本記事では、NISAの運用によって得られる収益の試算や、運用していくうえでの注意点、成功するためのポイントを解説します。
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50代が保有する金融商品は「96.6%」が預貯金

50代が保有している金融商品にはどのような種類があり、金融資産保有額の平均値・中央値はいくらなのか、金融広報中央委員会 知るぽるとの「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」から詳細を見ていきましょう。
 
表1

金融商品種別 50歳代の保有率
預貯金(ゆうちょ銀行の貯金を含む) 96.6%
金銭信託(ヒットを含む) 4.9%
積立型保険商品(生保・損保) 35.3%
個人年金保険 27.2%
債券 6.4%
株式 30.6%
投資信託(MRF、MMF、REITなどを含む) 25.7%
財形貯蓄 14.5%
その他金融商品(金貯蓄口座、金融派生商品など) 6.3%
いずれも保有していない 2.8%

出典:金融広報中央委員会 知るぽると「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」を基に筆者作成
 
表1より、50代の大半は、預貯金を金融商品として保有していることが分かります。また、同調査によると、50代の金融資産を保有している世帯における金融資産保有額は平均値が1611万円、中央値が745万円であるとの統計結果が出ています。
 
現在50歳で、預貯金のみで「1000万円」貯めている場合、老後資金に余裕を持たせるために今からNISAを始めるのもひとつの選択肢かもしれません。
 

50歳から10年間「毎月5万円」をNISAで運用すると「約100万円」のリターンを得られる可能性

50歳から10年間、毎月5万円をNISAで運用した場合、利益はどのくらい得られるのか試算してみましょう。
 
金融庁のホームページで公開している「つみたてシミュレーター」に毎月の積立金額を5万円、想定利回りを3%、積立期間を10年と入力し計算します。結果として、10年目には元本600万円、最終積立額が699万円となり、運用収益は約100万円のリターンが見込まれる計算です。
 
しかし、NISAを運用していくうえで注意点がいくつかあります。
 
NISAは元本が保証されないため、状況によっては元本割れを生じる恐れがあります。投資に関する知識や制度について、自身で勉強するもしくは専門家からアドバイスを受けて投資するといったリスクヘッジを行うことが重要です。
 
また、NISAの運用で損失が生じた場合、他の投資で得た利益で相殺する方法(損益通算)ができません。さらに、NISAでの損失は翌年に繰り越せないため、翌年の利益と相殺する繰越控除も適用外です。
 
ちなみに、NISAで運用できる口座は原則1人1つであり、金融機関変更は年単位で可能となっています。
 

NISAで資産形成を目指す場合の3つのポイント

NISAを上手に運用していくために、以下3つのポイントを押さえておきましょう。
 
1.なるべく長く運用期間を設ける
運用する期間を長く設けることにより、短期的な収益の振れ幅を小さくすることが可能です。長い目で見れば、安定した収益を得られる可能性があります。
 
2.分散投資を行い、リスク軽減に努める
1つの商品に集中して投資を行ってしまうと、その商品が大きく値下がりした際の損失も大きくなる恐れがあります。複数の商品に広く投資することで、保有資産全体へのダメージを減らし、リスクを軽減できます。
 
3.余裕資金を投資で運用する
投資には元本割れといったリスクが常にあるため、資産の全てを運用することはおすすめできません。将来のライフイベントや生活に支障がない余裕資金を使うことを心がけましょう。
 

まとめ

NISAの運用に成功すれば、税制優遇を受けながら安定した収益を得られる可能性があります。しかし、投資というものにはリスクがつきものです。NISAは損益通算や繰越控除を行えず、元本の保証もありません。メリットとデメリットを理解し、無理のない範囲で運用することが大切です。
 

出典

金融広報中央委員会 知るぽると 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年以降) 各種分類別データ(令和5年) 統計表の番号1 預貯金口座または証券会社等の口座の有無、現在保有している金融商品、統計表の番号3 金融資産保有額(金融資産保有世帯)
金融庁 未来を育む資産形成NISA つみたてシミュレーター
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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