NISAの「バランス型」で100万円になったけど、運用益は“9万円”だけ…オルカンなら「利回り5%が平均」と聞いたのですが、乗り換えるべきですか?「見落としやすいリスク」も確認
なかには乗り換えを検討している人もいるかもしれません。しかし、全額を乗り換える前に、新NISA制度の仕組みやリスクとリターンの関係を整理してから検討したほうが安心です。本記事では、新NISAにおいてオルカンへ乗り換えるべきか、それとも今のまま継続すべきかについて、将来を見据えた資産運用の考え方を解説します。
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目次
新NISAの「非課税枠」復活ルールに注意しよう
例えば、現在保有しているバランス型投信100万円を売却し、オルカンに乗り換えるような場合、「非課税保有限度額(生涯投資枠)」の復活ルールが非課税枠にどのように反映されるのかを理解しておきましょう。
新NISAでは、商品を売却すると「取得価額(購入時の金額)」分の非課税枠が、翌年1月1日に復活します。例えば、100万円のバランス型投信を売却したとしても、そのうち元本が91万円、運用益が9万円だった場合、売却によって再利用できる枠は91万円分に限られます。
また、非課税枠が復活するのは翌年の1月1日であるため、もし、運用益9万円を含めた100万円全額をすぐにオルカンへ再投資しようとすると、その年の「年間投資枠(つみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円)」を消費することになるため注意が必要です。
「平均5パーセント」で見落としやすいオルカンのリスク
オルカンの長期的な平均利回りは、過去の運用実績では年率5パーセントから7パーセント程度と言われています。ただし、これは数十年という長期間で平均した数字に過ぎません。
バランス型投信が、株式に加えて債券やREIT(不動産投資信託)などを組み合わせ、値動きを抑えているのに対し、オルカンは基本的に株式で構成されています。相場が好調な局面では、バランス型を大きく上回る利益が期待できる一方、相場が崩れた場合には、20パーセント近い下落を記録することもあります。
つまり、100万円の資産が短期間で80万円まで目減りする可能性も否定できません。
複利効果で見る10年後の差
実際に運用を続けた場合、バランス型とオルカンでどの程度の差が生まれるのかを計算してみます。現在の100万円を元手に、追加の積み立てを行わず、10年間運用したと仮定します。
期待リターンを、バランス型は年3パーセント、オルカンは年5パーセントと仮定した場合、10年後の評価額は、バランス型が100万円×(1.03の10乗)で約134万4000円です。一方、オルカンは100万円×(1.05の10乗)で約162万9000円となります。両者の差は約29万円です。
この結果だけを見ると、「乗り換えたほうが有利」と感じるかもしれません。ただし、この差はオルカンが10年間、大きな暴落もなく順調に成長した場合のシミュレーションである点に注意が必要でしょう。
乗り換えるべきか、続けるべきか?
オルカンへの乗り換えか、バランス型の継続か、判断の軸となるのは、「リスク許容度」と「資金を使うタイミング」です。20代や30代で、老後資金として20年以上の運用期間を確保できる場合、価格変動を受け入れたうえで、期待リターンの高いオルカンへ比重を移す判断は合理的と言えます。
一方、数年以内に教育資金や住宅購入などの予定がある場合、値動きの大きいオルカンへ全額を移す行為はリスクが高くなります。将来の使い道を意識した資産配分が重要です。
全額売却せずに「ハイブリッド積立」を検討しよう
「今の投資信託を売るか、持ち続けるか」の二択のみではなく、「現在の100万円は売却せずに運用を継続し、今後の積立分だけをオルカンへ振り向ける」というハイブリッドな方法も検討してみてください。
この方法であれば、これまで積み上げてきた9万円の運用益を非課税で生かしつつ、将来の成長性も取り込むことができ、リスク分散も可能です。一気に資産構成を変えるのではなく、時間を味方につけながら調整していく姿勢も大切です。
今の運用益を生かしつつ、今後の積み立てで成長を取り入れよう
現在保有しているバランス型の継続か、オルカンへの乗り換えか、といった選択は、運用目的やリスクに対する考え方によって異なります。ただし、NISAの非課税枠は売却しても元本分しか復活しない点には注意が必要です。
また、全額を売却すると、これまでに積み上げた運用益を非課税で働かせ続ける「複利の恩恵」を手放すことになります。オルカンの期待リターンは魅力的ですが、リスクも正しく理解しておく必要があるでしょう。
この点、現在の安定した運用益を守りつつ、新規積立分からオルカンへ切り替えていく方法は、リスクと成長性の両立を目指すうえでも有効な選択肢の一つです。将来の資産額などを試算しながら、ぜひ検討してみてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
