更新日: 2019.01.10 株・株式・FX投資
神戸製鋼の性能データ改ざん問題、株価への影響は?
10月8日に鉄鋼第3位の神戸製鋼でアルミ・銅製品における性能データ改ざん問題について最初に報じられて以来連日のように新たな追加報道が新聞紙上を賑わせています。
クライアント企業との間で取り交わした仕様書に基づいた製品における強度や検査回数に関する検査データの改ざん問題ですが、株価は下げ止まりの気配を見せていません。
保有銘柄がこのようなケースになった場合、どう考えればいいのでしょうか。
Text:柴沼直美(しばぬま なおみ)
CFP(R)認定者
大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
http://www.caripri.com
保有する個別株がこのようなケースであっても、事前に手を打つことは不可能
筆者もかつて投資信託の運用をしていた時に、このような問題を抱えた銘柄を組み入れていたことがありました。当然個別銘柄を組み入れる際には財務諸表や取扱商品(サービス)全体の市場動向とシェア、今後の見通しをマクロ面からも十分に検証し、会社訪問を行って経営陣との議論を交わしたうえで最終的に決定します。
しかしながら、このような問題は、当然発覚の瞬間まで絶対にわかりません。(仮にわかったとしたら、それはインサイダー情報にほかなりませんので運用担当者の合法性が問われることになります)。
投資信託は銘柄組入れには株価やウエィトによりますが、場合によっては何百万株も買付けを行わなければならず、何日、何週間にもわたって少しずつ買っていくことになります。当時もようやく組入れが終了した直後のニュースで知り、そこからの株価の急落をただ黙って見ていることしかできませんでした。
日本市場での取引が終了すると海外の上司から、「パフォーマンスはどうだ」「どうしてそんな銘柄を組み入れた」と追及され、生きた心地がしなかった記憶が今も鮮明によみがえります。
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見極め力:反転できるか根本的な問題か
結局、どこかで結論を出さなければなりません。
連日ストップ安、売りのボリュームが収束しない。この相場の動きだけを見ると誤ってしまいます。こういう問題のときは、需給バランスではなくファンダメンタルズ(当該企業の根幹)を冷静に見極める必要があります。
ここからはあくまで私見ですが、例えば9月27日の日産のリコール問題との最大の違いは、日産の場合は最終製品、そして神戸製鋼の場合は中間品で波及度合いが大きく違うと思われます。
社会に対する影響度もどこまで及ぶかはかり知れません。こういった問題を生んだのは、残念ながら同社の体制と言わざるを得ません。現場だけの問題ではなく根がとても深いと考えられます。となれば、収束するのには相当の時間がかかるという結論に行きつくことになり早めの損切りという決断を下すのが賢明ではないかと思われます。
Text:柴沼 直美(しばぬま なおみ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
日本証券アナリスト協会検定会員、社会保険労務士
MBA(ファイナンス)、キャリアコンサルタント、キャリプリ&マネー代表
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