NISA5年目で「200万円」の運用益が!「まだ上がるかも」と思うと“利確”できないのですが、どのタイミングですべきですか? 売却するまでは「資産ではない」と考えるべきでしょうか?
結論からいうと、利確のタイミングに唯一の正解はなく、「いつ、何のためにお金を使うか」という目的によって判断が変わります。本記事では、利確とは何かという基本から、含み益とお金の関係、そして迷いを減らすための判断軸まで解説します。
FP1級、CFP、DCプランナー2級
投資とは? 利確とは?
「投資」とは、将来的な利益を見込んで資金を株式や投資信託などの金融商品に投じる行為です。平たく言うと、お金にお金を稼いでもらう仕組みで、株価や基準価額が値上がりして含み益が生まれたとしても、実際に売却しなければ利益は手元には入りません。
売却して含み益を実際の利益として確定させる操作を、「利確(利益確定)」と呼びます。株式投資の世界には「利食い千人力」という格言があり、含み益を追い続けるより適度に確定させるほうが賢明だとされています。
含み益は、あくまでも現時点での評価額に過ぎず、相場が反転すれば損失に変わる可能性があります。
利確しなければ資産は結局ないようなもの?
「売却するまで利益ではない」という感覚は正しい面もありますが、特にNISAの長期積立では、利確を急がないほうが有利なケースも多くあります。
「利益が出ているのに利確しないのはもったいない」とは、一概には言えないのです。NISAの投資信託には、利益がファンド内で自動的に再投資される無分配型の商品が多く、利益が利益を生む複利効果が継続的に働き続けます。
月3万円を年5%で20年間運用した場合、NISA口座では1220万円以上に育つと試算されます。途中で利確すると複利の連鎖が一度断ち切られ、同じ条件で再スタートするのが難しくなります。
「利確しないと損」ではなく、「いつ使うお金か」によって判断を変えていくのが重要です。
利確するタイミングはどうやって決めれば良いの?
利確のタイミングに唯一の正解はなく、最も迷いを減らせるのは、老後資金や教育費などの目標金額をあらかじめ決めておき、到達した時点で売却を検討する方法です。
ざっくりとでもゴールを設定しておくと、感情ではなく数字で判断できるようになります。「まだ上がるかもしれない」という誘惑は、投資上級者でも逃れにくいものです。
だからこそ、感情に頼らず事前のルールに従って判断するのが大切です。目標額の半分に達したら半分だけ利確するといった、段階的な売却を取り入れるのも有効です。NISAでは売却すると、翌年にその商品の「取得価額(投資元本)分の非課税保有限度額(生涯投資枠)」が復活するため、利確後に再投資する柔軟な運用ができます。
急な出費が発生した際やライフイベントが近づいたタイミングも、現実的な利確の機会として検討してみましょう。
まとめ
投資の「利確」とは、値上がりした金融商品を売却して含み益を実際の利益として確定させる操作です。売却するまで利益は確定しませんが、NISAのような長期積立投資では複利効果が力強く働くため、利確を急がないほうが資産は大きく育つケースも多くあります。
利確のタイミングは、「目標金額に到達したとき」「まとまったお金が必要なとき」を基準にするのが、迷いを減らすうえで有効です。
執筆者 : 高柳政道
FP1級、CFP、DCプランナー2級
