資産運用は「35~65歳まで月5万円」より「20~30歳まで月5万円→35年放置」のほうが“182万円”多い!? 貯めた金額・期間は「3分の1」なのにナゼ!? 複利の力と資産額を比較
例えば、「20歳から30歳まで毎月5万円積み立てて、その後は追加投資をしない人」と、「35歳から65歳まで毎月5万円積み立て続ける人」を比べると、後者のほうが長く積み立て、元本も多いにもかかわらず、最終的な資産額は前者のほうが多くなるケースがあります。
本記事では、同じ利回りで運用した場合にどれくらい差が出るのかを具体的な数字で確認しながら、その理由について解説します。
2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など
20歳~30歳で積立→放置した場合
まずは、20歳から30歳までの10年間、毎月5万円を積み立て、その後は運用だけを続けたケースをみてみましょう。なお、本記事では税金は考慮しないこととします。
・毎月積立:5万円
・積立期間:10年(元本600万円)
・年利:5%
この条件で計算すると、30歳時点での資産額は約775万円となります。さらに、この775万円をそのまま65歳までの35年間、年利5%で運用すると、最終的な資産額は約4275万円です。
35歳~65歳まで積み立てた場合
次に、35歳から65歳までの30年間、毎月5万円を積み立てたケースをみてみましょう。
・毎月積立:5万円
・積立期間:30年(元本1800万円)
・年利:5%
この場合、65歳時点での資産額は約4093万円となります。
2つの結果を比較
ここで注目したいのは、次の点です。
・前者:元本600万円→約4275万円
・後者:元本1800万円→約4093万円
つまり、後から長く積み立てたほうは元本が3倍にもかかわらず、最終的な資産額は少なくなっています。この差が生まれる最大の理由が「複利の効果」です。
複利の力は「時間」で大きく差が出る
複利とは、運用で得た利益にもさらに利息がつく仕組みのことです。前者のケースでは、30歳時点で積み上がった775万円が、その後35年間にわたって複利で増え続けます。つまり、「まとまった元本×長期間」という形で運用できているのが特徴です。
一方、後者のケースでは、積立期間は長いものの、資金が少しずつしか増えないため、大きな元本を長期間運用できているわけではありません。結果として、複利の効果を前者ほどは生かしきれないのです。
このように、資産運用では「いくら積み立てるか」だけでなく、「いつから始めるか」が非常に重要になります。
早く始めるメリットと現実的な考え方
今回の結果を見ると、早く始めて長く運用することが資産形成において非常に重要であることが分かります。ただし、「20代から始めていないと意味がない」というわけではありません。重要なのは、気づいた時点からできる範囲で始めることです。
また、今回の試算は年利5%で安定的に運用できた場合を前提としており、実際の市場では、価格の変動や元本割れのリスクもあります。そのため、無理のない金額で継続することが大切です。
まとめ
20歳から30歳までの10年間積み立てて、そのまま運用した場合と、35歳から65歳まで30年間積み立てた場合を比較すると、今回の試算では前者のほうが最終的な資産額が多くなる結果となりました。
この差は、複利による時間の力によるものです。資産運用では、積立額や期間だけでなく、どれだけ早く始めるかが大きな影響を与えます。とはいえ、始めるのに遅すぎるということはありません。できる範囲で早めにスタートし、長く続けることが、将来の資産形成につながるといえるでしょう。
執筆者 : 三浦大幸
2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など
