キオクシアを上場時「300万円分」買ってたら、今ごろ「1億1700万円」に!?「自分もあの時買っていれば…」“上がる前に買えた人”は何を見ていたの? 投資のチャンスを引き寄せるポイントとは
こうした銘柄を「上がる前に買えた人」は、いったい何を見ていたのでしょうか。
本記事では、キオクシアがなぜここまで上がったのか、そして次のチャンスに備えて日頃から投資をする際に意識すべき視点を解説します。
FP2級、日商簿記2級、宅地建物取引士、証券外務員1種
銀行にて12年勤務し、法人および富裕層向けのコンサルティング営業に従事。特に相続対策や遊休地の有効活用に関する提案を多数手がけ、資産管理・税務・不動産戦略に精通。銀行で培った知識と経験を活かし、収益最大化やリスク管理を考慮した土地活用のアドバイスを得意とする。
現在は、2社の経理を担当しながら、これまでの経験をもとに複数の金融メディアでお金に関する情報を発信。実践的かつ分かりやすい情報提供を心がけている。
キオクシアとはどんな銘柄なのか
キオクシアホールディングスは、もともと東芝のメモリ事業を担っていた会社を傘下に持つ持株会社です。子会社のキオクシア株式会社は2019年に「東芝メモリ」から社名を変更しました。
キオクシアは、日本語の「記憶(KIOKU)」とギリシャ語の「価値(AXIA)」を組み合わせた名前となっています。NANDフラッシュメモリの開発・製造・販売を主力事業とし、世界的な大手メーカーの1つです。
得意とするのは、スマートフォンやパソコン、データセンターのサーバーに使われる記憶用の半導体です。私たちが日常的に使うあらゆるデジタル機器に組み込まれており、現代社会のインフラを支える部品メーカーとして世界的に存在感を持っています。
なぜ株価が上がったのか
上場当初、株価は公開価格(1455円)すら下回る、1440円で値をつけるという弱いスタートでした。転機となったのはAIの急速な普及です。
AIを動かすには膨大なデータを高速で処理・保存する装置が必要です。データセンターへの投資が世界的に拡大するほど、キオクシアのメモリ・SSDへの需要が直接増える構造になっています。
2期連続赤字だった業績が一転して過去最高益を2年連続で更新したのも、この需要急拡大が背景にあります。「AIが広がる→データセンターが増える→メモリが売れる→キオクシアの業績が上がる」という流れが、株価を押し上げた最大の理由です。
好決算を受け、株価は上場時の約30倍の水準まで上昇しました。上場時に300万円分ほど買っていれば、今ごろ1億1700万円以上になっていた計算です。
上がる株に気づいた人は何を見ていたのか
今でこそ株価30倍超の成長株ですが、上場後しばらくは大きく上昇していたわけではありません。
キオクシアの株価が上昇し始めたきっかけは、2025年秋ごろのことでした。AI半導体メーカーであるエヌビディアが、キオクシアのSSD技術への協力を求めていると報じられたのです。
同年10月末にはエヌビディアが世界で初めて時価総額5兆ドルに到達し、AI半導体市場への注目は一段と高まりました。その後、キオクシアの決算発表でAI需要による業績急回復が数字として裏付けられるたびに上昇が加速し、2026年5月、上場時から約30倍の水準に達しました。
つまり、上場時に買っていなくとも、ニュースを知ってから動けばこの上昇に十分乗れたことになります。業界を動かす企業の動向を日頃から追っていた人が、チャンスをつかんだわけです。
時代の大きな流れを知っておくことや、気になる企業の決算やIR情報をこまめにチェックすることが、投資のチャンスを引き寄せる第一歩といえるのではないでしょうか。
まとめ
株価の上昇を事前に予測することは、プロのファンドマネージャーでも難しく、勝ち続けている人はいないといわれています。キオクシアのケースも、結果を知っているからこそ「あのとき買えばよかった」と思えるわけです。
それでも、キオクシアの急成長を振り返ると、業績の急回復とAIという時代の大きな流れという、誰もがアクセスできる情報の中にヒントはありました。決算発表を定期的にチェックし、世の中で何が起きているかに関心を持ち続けることが、投資のチャンスに気づく土台になります。
投資には常にリスクが伴いますが、まずは世の中の動きに関心を持ち、気になる企業の決算を追う習慣をつけてみてはいかがでしょうか。
出典
キオクシア株式会社
キオクシアホールディングス 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)
執筆者 : 竹下ひとみ
FP2級、日商簿記2級、宅地建物取引士、証券外務員1種
