新NISAで「月10万円」を“オルカン”に積み立て中。同僚に「円安だから高値掴みで大損する」と言われましたが、みんな買ってますよね?“長期で続ける”なら大丈夫ですか?
本記事では、オルカン積立の仕組み、円安がパフォーマンスに与える影響、円安局面でも積立を継続すべき理由について、順を追って解説します。
FP1級、CFP、DCプランナー2級
新NISAの「オルカン積立」とは?
オルカンとは「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の通称で、新NISAのつみたて投資枠で購入できる人気の投資信託です。世界中の先進国・新興国など約50の国・地域の株式に一括分散投資できる仕組みになっており、1本保有するだけで全世界の株式に幅広く分散投資できます。
新NISAには年間120万円まで積み立てられる「つみたて投資枠」と、年間240万円まで投資できる「成長投資枠」の2種類があり、生涯の非課税保有限度額は合計1800万円に設定されています。毎月10万円の積立は、つみたて投資枠(年間120万円)を最速で使い切る、非課税メリットを最大限に活用したペースといえるでしょう。
投資の利益(売却益・分配金)に通常かかる約20.315%の税金が、新NISA口座内では全て非課税になります。非課税保有期間が無期限のため、長期で運用益が積み上がるほど、非課税メリットはさらに大きく膨らんでいきます。
円安がオルカン積立に与える影響とは
円安はオルカンの基準価額(円建ての評価額)を押し上げる方向に働きます。オルカンは円で購入・売却できますが、実際の中身はドルをはじめとした外貨建ての株式資産です。円安が進むと外貨建て資産の円換算価値が上昇し、逆に円高が進むと評価額が目減りする構造になっています。
実際にオルカンの価格変動は、構成比率の大部分を占める米国のドル円レートをはじめとした為替の動きに強く影響を受けており、為替の動きはパフォーマンスに直結します。同僚の「高値掴み」という指摘は「円安局面では円での購入コストが高くなる」という点を意識したものですが、短期目線での見方といえるでしょう。
長期の積立投資においては、円安・円高いずれの局面でも積み立てを続けると、購入コストが平均化されていきます。最終的なパフォーマンスを左右するのは積立中の為替水準だけでなく、売却時のタイミングと長期の株価動向なのです。
円安のときに積立投資はやめるべき?
円安局面だからといって、毎月の定額積立をやめなければならない理由はありません。毎月一定額を積み立てる「ドルコスト平均法」では、価格が高い時には少ない口数を、価格が安い時には多くの口数を自動的に購入します。
ドルコスト平均法には購入タイミングを分散し、平均購入単価を平準化する効果があり、タイミングを見計らって一括投資する手法とは根本的に異なります。
一括投資であれば購入タイミングが大きくリターンを左右しますが、毎月コツコツ積み立てる場合は、為替水準を気にして中断する理由はほとんどありません。積立を途中でやめてしまうと追加投資による資産形成のペースが鈍り、再開のタイミング判断もより難しくなります。
積立投資は長期で続けるほど購入時期が分散でき、高値の時に一括で買ってしまうリスクを軽減する効果が期待できます。世界株式インデックスの過去の長期リターンは年率8%前後とも言われているため、為替の一時的な変動に左右されず、積立を継続する姿勢が長期的な資産形成の土台となるでしょう。
まとめ
新NISAのオルカン積立は、世界中の株式に分散投資できる仕組みで、売却益・分配金にかかる約20.315%の税金が非課税になります。オルカンは資産価格の変動に加え、為替の動きが評価額に反映される構造です。
毎月定額を積み立てるドルコスト平均法は、価格が高い時には少なく、安い時には多く購入するため、為替変動による平均購入コストを自然と平準化できます。長期で続けるほど時間分散の効果が大きくなり、円安の今だからといって積立をやめる根拠にはなりません。
世界株式インデックスは過去数十年の実績では年率8%前後のリターンが得られており、将来の成果を保証するものではありませんが、長期的な期待値は高いと考えられます。まずは積立を継続するのが長期的な資産形成の第一歩といえるでしょう。
執筆者 : 高柳政道
FP1級、CFP、DCプランナー2級
