NISAで“180万円”を「月1万5000円積み立て」「一括180万円投資」で、夫婦の意見が分かれてます。年利5%の場合“10年後の資産”はどちらが増えていますか? リスクとメリットを解説
本記事では、NISAで同じ180万円を運用する場合、「180万円を一括投資」と「月1万5000円ずつ10年かけて積立投資」でどれくらい差が出るのかをシミュレーションしながら、それぞれのメリット・デメリットを解説します。
2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など
目次
NISAの概要
NISAは、投資で得た利益が非課税になる制度です。2024年に改正された新NISAでは「つみたて投資枠(年間上限120万円)」と「成長投資枠(年間上限240万円)」があり、両方合わせると年間360万円まで投資できます。
そのため、今回のように180万円を投資するケースであれば、NISA口座内で180万円の一括投資も、10年間こつこつと毎月積み立てる投資も可能です。
結論:数字だけなら一括投資が有利になりやすい
まず結論ですが、トータルの原資と利回りが同一の長期投資の場合、有利になりやすいのは積立投資ではなく一括投資です。ここからは具体的に年間5%の利回りで運用した場合の運用結果について見ていきましょう。
180万円を一括投資した場合
まずは、180万円を最初にまとめて投資したケースを考えてみましょう。
・投資額:180万円
・運用期間:10年
・年利:5%
この条件で運用した場合、10年後の資産額は約293万円になります。つまり、資産の増加額は約113万円(293万円-180万円)です。
月1万5000円ずつ積み立てた場合
次に、180万円を一度に投資せず、毎月1万5000円ずつ10年かけて積み立てたケースを見てみましょう。
・毎月1万5000円積み立て
・期間:10年(120ヶ月)
・元本合計:180万円
・年利:5%
この場合、10年後の資産額は約232万円となります。つまり、資産の増加額は約52万円(232万円-180万円)です。一括投資よりも約60万円少ない結果となりました。
なぜ一括投資のほうが増えやすい?
同じ180万円を投資しているのに、なぜここまで差が出るのでしょうか。理由は、複利で運用される期間の長さにあります。一括投資の場合、180万円全てが最初から10年間運用できます。そのため、運用益にもさらに運用益が付く複利効果を最大限活用できます。
一方、積立投資では後半に投資したお金ほど運用期間が短くなります。例えば、10年目に投資したお金はほとんど運用期間がありません。そのため、同じ利回りでも複利の効果が少ない部分があり、資産の増え方が小さくなります。
それでも積立投資が選ばれる理由
ただし、一括投資が常に正解というわけではありません。例えば、180万円を一括投資した翌月に相場が20%下落した場合、一時的に36万円もの評価損を抱えることになります。投資経験が少ない人にとっては、この値下がりに耐えるのは簡単ではありません。その点、積立投資は購入時期を分散できます。
さらに、毎月一定額を積み立てるという方法は、価格が高いときも安いときも一定額を購入するため、平均購入単価を平準化しやすいという特徴があります。いわゆる「ドルコスト平均法」というものです。
また、「一括投資した直後に暴落したらどうしよう」という心理的な不安を軽減できるのも積立投資のメリットでしょう。
現実的には中間案もある
実際には、必ずしも一括か積立かの二択で考える必要はありません。例えば、90万円を一括投資して残り90万円を積立投資するといった方法もあります。
これであれば、一括投資のメリットをある程度取り入れながら、タイミングリスクも抑えられます。特に投資初心者の場合は、期待リターンと精神的な安心感の両方を考えることも大切です。
まとめ
180万円を年利5%で10年間運用する場合、シミュレーション上は一括投資のほうが資産を増やせる結果となりました。これは、一括投資のほうが長期間にわたって複利の効果を受けられるためです。
ただし、一括投資には価格下落時のリスクもあり、精神的な負担は積立投資より大きくなりがちです。一方、積立投資は期待リターンこそ低くなりやすいものの、購入タイミングを分散できるというメリットがあります。
大切なのは、どちらが絶対に正しいかではなく、自分が続けられる方法を選ぶことです。期待リターンだけでなく、値下がりにどれくらい耐えられるかも考えながら、自分に合った投資方法を選ぶことが重要と言えるでしょう。
執筆者 : 三浦大幸
2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など

