「トヨタが好きだから絶対売らない」と“含み損20万円”でも手放さない夫…個別株に「愛着」を持つのは危険? 思い入れのある銘柄でも“損切りすべき”ですよね? 注意点を解説
個別株は、自分の好きな企業の株式を購入できて応援できる一方、下落するリスクも抱えています。本記事では、「トヨタが好きだから含み損20万円でも手放さないケース」を取り上げ、思い入れのある銘柄でも損切りしたほうがよいのかなどを解説します。
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
最近のトヨタ株は?
トヨタは、グループ全体の世界販売台数で6年連続世界1位を獲得しており、世界トップクラスの大企業です。
それでは、最近のトヨタ株はどうなのでしょうか。トヨタ株は現在、米国関税の影響や、業績見通しへの懸念から下落基調にあります。2026年5月に発表されたトヨタ自動車株式会社の2026年3月期決算では、日本企業初の売上高50兆円を突破しましたが、営業利益は3兆7662億円で21.5%減となっています。
また、2027年3月期では営業利益3兆円(20.3%減)と3期連続の減益を見込んでいます。投資家によって考え方は異なりますが、長期投資であれば「割安な仕込み時」と考える人もいます。
一方、短期投資であれば、中東情勢の緊迫化や原材料費のさらなる高騰など、不確定要素があるため「まだ様子見」と考えている人もいるでしょう。
愛着があるから持ち続けるのはNG?
今回取り上げた「トヨタが好きだから絶対に売らない」というように、愛着があるから株式を持ち続けるのはどうなのでしょうか。
大前提として、企業への愛着があることは、悪いことではありません。好きな企業への投資は、商品やサービスをよく理解できる、関連ニュースに関心を持てる、長期目線で投資できるなどのメリットがあります。
しかし、業績が悪化して配当も減っているのにもかかわらず、「好きだから売らない」というのは大きな損害が出る可能性もあります。「そのうち戻るはず」と保有し続けると、損失がさらに拡大するかもしれません。
長期的な成長を期待している、業績に問題がないと考えるのであれば、保有し続けるのも選択肢です。反対に、経営方針の変更に不満がある、ほかに魅力的な投資先があるなどの場合は、売却したほうがよいでしょう。
損切りのポイント
損切りに明確なルールはありませんが、一般的には「20%下落したら売る」などと購入時点で決めておく考え方があります。基準を決めておけば「この企業が好き」などの感情に左右されにくくなるため、有効な考え方です。
また、株価を見るのではなく、売上高や利益、配当などを基準にする考え方もあります。投資家にもよりますが、「トヨタが好き」と「投資判断」は分けて考えたほうがよいでしょう。
「企業が好き」というのは投資の立派な理由にはなりますが、数十万円の損失を受け入れられるのか、将来取り戻せるのかを冷静に判断する必要があります。愛着だけで株式を保有し続けるのはリスクがあるため、長期的な目線で保有し続けるべきなのか、定期的に見直すのをおすすめします。
まとめ
含み損20万円が出ているのにもかかわらず、「トヨタが好きだから絶対に売らない」と夫が言っているケースを取り上げましたが、好きな企業への投資は悪いことではありません。むしろ、長期的な目線で見られて、その企業を応援できる点はメリットです。
ただし、「好きだから絶対に売らない」と決めてしまうのは、大きな損失が出るリスクがあります。損失を受け入れられるなら問題ありませんが、「結果的に数十万円損した……」と後悔がないようにしてください。
出典
金融庁 NISA口座の利用状況に関する調査結果の公表について
トヨタ自動車株式会社 2026年3月期決算要旨
執筆者 : 藤岡豊
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

