年金だけでは不安だからと“毎月分配型の投資信託”を「300万円分」買ったという実家の父。「毎月1万円もらえるから安心」と喜んでいますが、元本が減っていないか心配…本当に得なのでしょうか?
しかし、毎月受け取る分配金の内容によっては、運用による利益ではなく、自分が投資した元本の一部が払い戻されている場合もあります。
そのため、分配金を受け取っていても、必ずしも資産が増えているとは限りません。本記事では、毎月分配型投資信託の仕組みや注意点について解説します。
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毎月分配型投資信託の注意点|元本払戻金とは何か
毎月分配型の投資信託で毎月1万円もらえる場合でも、注意しなければならないのはその1万円が「運用の利益」なのか、それとも「自分が投資したお金の払い戻し」なのかという点です。
投資信託の分配金には「普通分配金」と「元本払戻金(特別分配金)」の2種類が存在します。普通分配金は、投資信託の運用によって生まれた収益から支払われるもので、これは利益であるため課税対象となります。
一方の元本払戻金は、運用で利益が十分でない場合に、「投資した元本の一部を取り崩して」投資家に返しているものです。これは「自分の貯金を自分の別の口座に移しているだけ」と同じとみなされるため、税金はかかりません。
毎月分配型投資信託の大きなデメリットは「元本が減っていることに気づきにくい」点にあります。毎月決まった金額が口座に振り込まれると、まるで定期預金の利息のように資産が増えていると錯覚しがちです。
長期運用では分配金の受け取り方で資産額に差が出るケースも
「利益が出ているなら、それを毎月受け取っても損はしていないはず」と考えるかもしれません。しかし、長期的な資産形成を目的とする場合は、毎月分配金を受け取る仕組みが必ずしも有利とは限りません。
投資では、運用によって得られた利益を再び投資に回すことで、資産が段階的に成長していく「複利効果」が期待できます。あるシミュレーターにて100万円を年利7%で30年間運用した場合の試算では、運用で得た利益を受け取らずに再投資し続けたケースでは、資産額は約760万円まで増加します。
一方、運用で得た利益をその都度受け取り、再投資しなかったケースでは、資産額は約310万円にとどまります。その差は実に450万円にも上ります。
また、毎月分配型投資信託は分配金の支払い管理や頻繁な運用調整が必要となるため、保有している間にかかり続けるコスト(信託報酬)が高めに設定されている商品が多いというデメリットもあります。
300万円の元本を維持しながら毎月1万円を受け取るには?
300万円を投資して、元本を減らさず毎月1万円(年間12万円)の分配金を全額利益として受け取り続けることは可能なのでしょうか。
日本の東証プライム市場における平均配当利回りを参考に、元本を減らさずに毎月1万円(年間12万円)の分配金を目指す場合、必要となる投資資金の目安はおおむね470万円~560万円程度(税金を考慮しない場合)とされています。
300万円の資金で毎月1万円(年間12万円)を安定して生み出そうとすると、年間で4%の利回り(300万円×4%=12万円)が必要になります。もし、投資信託の運用利回りがその水準で維持できない場合、足りない分は元本から切り崩されて支払われることになります。
まとめ
毎月分配型の投資信託は、長期的な資産形成を重視する場合には必ずしも適しているとは限りません。一方で、すでに十分な資産を保有しており、年金の補完や生活費の一部として定期的な受け取りを重視する人にとっては、選択肢のひとつとなる場合もあります。
重要なのは、「資産を増やすこと」を優先するのか、それとも「資産を活用しながら取り崩していくこと」を重視するのかという目的を明確にすることです。もし資産形成を目的としているのであれば、現在の基準価額や分配金の内訳を確認し、運用方針が目的に合っているかを見直してみることも大切でしょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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