息子が「NISAをやらないのはもったいない」と言います。50代の私でも今から始める価値はありますか?
ただし、20代や30代と同じように長期で大きなリスクを取るのは慎重に考える必要があります。老後資金を増やしたい気持ちは大切ですが、退職時期が近づくほど、元本割れしたときに回復を待てる期間が短くなります。まずは使う予定のない余裕資金で、無理のない範囲から始めることが重要です。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
50代でもNISAを始める価値はある
金融庁の2025年12月末の速報値では買付額が累計71兆円となっているNISAは、投資で得た利益が非課税になる制度です。2024年からのNISAは、非課税保有期間が無期限となり、年間投資枠は年間最大360万円に広がっています。日本国内に住む18歳以上であれば利用できるため、50代でも始められます。
50代からNISAを始める価値がある理由は、老後までまだ時間があるからです。たとえば55歳で始めても、65歳まで10年、70歳まで15年あります。退職後すぐに全額を使うわけではなく、老後資金の一部を長く運用するなら、非課税のメリットを活かせる可能性があります。
また、銀行預金だけでは物価上昇に対応しにくい面があります。食費、光熱費、医療費、介護費などが上がれば、同じ金額の貯金でも買えるものが減ります。NISAを使って投資信託などで長期運用すれば、物価上昇に備える手段の一つになります。
ただし、NISAは元本保証ではありません。利益が非課税になる制度であって、必ず増える制度ではない点を理解する必要があります。息子さんの言葉をきっかけにするのはよいですが、内容を理解しないまま始めるのは避けましょう。
50代は投資額より現金の確保を優先する
50代でNISAを始めるときに最も大切なのは、現金を残すことです。退職が近づくと、収入が下がる可能性があります。住宅ローン、親の介護、子どもの教育費、医療費などが重なる家庭もあります。そのため、すべての貯金をNISAに回すのは危険です。
まず、生活費の6ヶ月から1年分程度は預金で確保しておきましょう。退職や病気、家族の事情で収入が途切れたときに備えるためです。さらに、3年以内に使う予定があるお金も預金で持つのが無難です。車の買い替え、リフォーム、子どもの結婚援助、旅行などがあるなら、その分は投資に回さないほうが安心です。
NISAに回すのは、当面使う予定のない余裕資金です。毎月1万円から3万円程度の積立でも十分始められます。大きな金額を一度に入れるより、毎月少しずつ積み立てるほうが、価格変動への不安を抑えやすいでしょう。
50代は、増やすことと守ることのバランスが重要です。若い世代のように積極的にリスクを取るより、無理なく続けられる金額で始めることが長続きにつながります。
商品選びは分散投資と手数料を重視する
NISAで何を買うかも重要です。50代から始める場合、個別株に大きく集中するより、幅広い国や企業に分散できる投資信託を選ぶほうが、初心者には扱いやすいでしょう。
つみたて投資枠では、金融庁が定めた一定の基準を満たす投資信託などが対象です。長期・積立・分散投資に向いた商品が中心なので、初めての人はつみたて投資枠から始めると分かりやすいです。
商品を選ぶときは、手数料を確認しましょう。投資信託には、信託報酬という運用中にかかる費用があります。長く持つほど手数料の差は大きくなるため、低コストの商品を選ぶことが大切です。
50代から始めるなら、投資期間を10年以上取れるか、途中で値下がりしても慌てて売らないか、老後資金全体の何割を投資に回すかを考えましょう。分からない場合は、金融機関の販売員だけでなく、中立的な相談窓口や家族とも話し合うと安心です。
まとめ
50代でもNISAを始める価値はあります。2024年からのNISAは非課税保有期間が無期限となり、長く運用するほど非課税メリットを活かしやすくなりました。老後資金の一部を運用する選択肢になります。
ただし、50代は退職や収入減が近づく時期です。生活防衛資金や数年以内に使うお金までNISAに入れるのは避けましょう。まずは現金を確保し、余裕資金で少額から始めることが大切です。
息子さんの「もったいない」という言葉だけで焦る必要はありません。NISAは便利な制度ですが、元本保証ではありません。仕組みを理解し、分散投資と手数料を意識しながら、自分の老後計画に合う範囲で始めましょう。
出典
金融庁 NISAを利用する皆さまへ(令和7年9月改訂)
金融庁 NISA口座の利用状況に関する調査結果(令和7年12月末時点(速報値))の公表について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

