3年前に買った「NTT株」が“日経平均爆上がり”なのに、株価は「150円前後」から上がりません…「配当利回り3.6%」ですが、売却して他の株に“乗り換えるべき”ですか? 継続所有のポイント

配信日:
この記事は約 4 分で読めます。
3年前に買った「NTT株」が“日経平均爆上がり”なのに、株価は「150円前後」から上がりません…「配当利回り3.6%」ですが、売却して他の株に“乗り換えるべき”ですか? 継続所有のポイント
最近「日経平均株価が過去最高を更新」といったニュースを、耳にする人も多いのではないでしょうか。
 
日経平均株価は、6月半ばに初の7万円台に乗せ、7月入り後も6万8000円台~7万円台で推移しており、ここ3年で2倍以上に「爆上がり」しています。しかし、個別株に目を向けると株価が下がったり、低迷したりしている企業も数多く見受けられます。
 
本記事では、長く価格低迷が続くNTT株について、株価が上がらない要因などを考察します。併せて、売却してほかの株に乗り換えたほうがいいのか、自身もNTT株を保有する筆者の選択も含め解説しますので参考にしてください。
松尾知真

FP2級

NTTの株価はどのように推移しているのか?

NTTの株価は、2026年7月初旬現在、150円を切っています。100株でも1万5000円ぐらいという「安い株」ですが、この水準になったのはNTTが2023年7月に1株を25株に分割したのも要因の1つです。
 
ただ、分割直後の株価は160円から170円ぐらいであり、3年前との比較でも株価は下がっています。同じ時期から2倍以上に膨らんだ日経平均株価と比べればその差は歴然です。NTT株は、昨今の株価市況に乗り切れていない銘柄の1つと言って差し支えないでしょう。
 

株価低迷の要因は?

NTTは日本の代表的な通信インフラ企業ですが、なぜ株価は低迷しているのでしょう? NTTの株価がなかなか上昇しない要因で代表的なものをいくつか挙げてみます。
 
NTTは、元々国営の「日本電信電話公社」から、1985年に「日本電信電話株式会社」として民営化された会社です。ただ民営化とはいっても、「日本電信電話株式会社等に関する法律」(以下、NTT法)という法律によって、さまざまな制約や公的な側面を抱えています。
 
法律は少しずつ改正されているものの、電話という機能提供を通じた公共福祉の増進、あるいは株式の3分の1以上は国保有という項目が入っているのです。さらなる改正や廃止の議論もありますが、NTT法が高成長の足かせになっているという見方は残っています。
 
そもそも日本国内の通信事業は、低成長な成熟産業として見られるのが一般的です。さらに今後の法改正で政府保有株が売却され、株価に悪影響が出るシナリオも警戒されています。
 
また、大型株ゆえの値動きの重さや、株価分割による「安い株」というイメージなども株価が上がりにくい要因になっているかも知れません。
 

NTTの株価は今後も上がらないのか?

NTT株は今後も上昇しないのでしょうか? 今後の株価の行方には複合的な要因もあり、一概には言えませんが、現状では短期的に急上昇するシナリオは描きにくいかも知れません。
 
しかし、中長期的にはデータセンター事業やIOWN(アイオン)構想などが収益に結びつくことで、株価が大きく動く可能性はあります。生成AIの普及により、データセンターの世界的需要は爆発的に伸びると予想されていますが、NTTは世界でも有数のデータセンター事業者です。
 
また、IOWN構想は、低遅延・低消費電力・大容量通信の次世代通信インフラ構築を目指す長期プロジェクトです。実用化・収益化にはまだ多くの時間が必要ですが、この構想が実現すれば、NTTの株価が違うフレーズに入る可能性もあります。
 

NTT株から別の株に乗り換えるべきか

NTT株を早めに売却し、成長性の高いほかの企業に乗り換えるのも1つの選択肢です。特に、できるだけ早く株価急上昇による大きなキャピタルゲインを得たいと望むのであれば、NTT株を継続所有しても難しいかもしれません。
 
逆に、少なくても安定したインカムゲインがあればいいと考える人には、配当や株主優待を得られるメリットがあります。配当金は2026年度は1株5.4円の予想であり、1株150円で換算しても、配当利回り3.6%という比較的高い水準です。
 
実はNTT株の配当金は16期連続で増配されており、今後さらに増える可能性もあります。さらに、NTT株を長期保有すると、株主優待として「dポイント」を受け取ることも可能です。100株以上を保有し、保有期間が2年以上3年未満で1500ポイント、5年以上6年未満で3000ポイントが進呈されます。
 
筆者も数年前から、わずかですがNTT株を所有しています。購入の目的は配当金であり、高配当なら株価は現状維持でいいと割り切っているため、今直ぐに売却する予定はありません。
 
これらの保有メリットがお得と感じるかどうか、筆者の選択を良しとするかどうかは、各々のNTT株への投資目的や保有資産全体の状況によって異なるでしょう。最終的に売却するかどうかは、自身の投資目的をよく考えた上で判断するのが賢明かもしれません。
 

まとめ

3年前から2倍以上に膨れ上がった日経平均株価とは対照的に、同時期に株式分割したNTT株は当時から株価を下げています。一般の民間企業とは異なり公的な色彩が残るNTTは、法律の制約もあり、今のところ短期的に株価が急騰する状況には見えません。
 
このような状況から、NTT株を売却して、成長性のある別の企業の株を購入しようと考える人もいるでしょう。ただ、中長期的な展望や、配当金などの視点を考えれば、継続保有する価値がないとも言い切れません。
 
いずれにしても、株式の売却判断は、未来の株価予測に加え、投資目的などによっても変わります。自身のNTT株への投資目的を踏まえて、売却するかどうか改めて検討してみてはいかがでしょうか。
 
執筆者 : 松尾知真
FP2級

  • line
  • hatebu

LINE