スペースX「200ドルで買えない」と思ってたら「154ドル」に急落! 約50万円で“20株買った”けど「下がったから買う」のは悪手? いつか「NVIDIA」のように大儲けできるでしょうか?
本記事では、なぜスペースX株が急騰してすぐに急落したのか、その理由をやさしく整理します。さらに、「下がったから買う」「怖いからすぐ売る」で本当に大丈夫なのか、株を見極めるときの考え方までお伝えします。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士・CFP
スペースX株が急騰から急落へ向かった経緯
イーロン・マスク氏が率いるスペースXは、2026年6月12日にアメリカのナスダック市場へ上場しました。集めたお金の大きさが史上最大級と言われ、世界中の投資家から注目を集めた上場です。
日本の証券会社を通じて申し込んだ人も多く、大きな話題になりました。筆者も、日本の証券会社の抽選により1株購入できて保有しています。
上場直後に225ドル超まで急騰
株の最初の値段(公開価格)は1株135ドルでした。ところが上場すると買いたい人が一気に集まり、値段はぐんぐん上がっていき、一時は225ドルを超えるところまで値上がりしました。
「これはもう200ドルでも手が出せないかもしれない」と感じた人が多かったのも、無理はありません。上場からわずか数日で、これだけ大きく動いたのです。
154ドルまで急落した理由はAI投資への不安
ところが、その勢いは長くは続きませんでした。6月22日には1株154ドル台まで下がり、上場してからの安値をつけます。きっかけは、スペースXが人工知能(AI)に多額のお金を使うため、社債という形で大きく借り入れをすると伝わったことでした。
社債とは、会社がお金を借りるために発行する証券のことです。「そこまで投資して、本当に利益は出せるのか」という不安が広がり、売る人が増えていきました。株価はわずか数日で2割以上も下がってしまったのです。
「下がったから買う」は本当に正しい?
値段が下がると、つい「安くなった、今のうちに買おう」と思いたくなるでしょう。しかし、値段が下がったこと自体は、買う理由にはなりません。本当に大事なのは、その会社の中身がしっかりしているかどうかです。
例えば、みんなが不安になって売っているときは、その会社に何か心配なことが起きている場合もあります。反対に、中身はよいのに一時的に下がっているだけのこともあるでしょう。
値段だけを見て動いてしまうと、この2つの違いを見落としがちです。まずはその会社が何で稼いでいて、これから伸びそうなのかを確かめる。安いかどうかを考えるのは、その次というわけです。
スペースXはNVIDIAのように大もうけできる?
では、その「会社の中身」を、大もうけの代表格ともいえるNVIDIAと比べながら見ていきましょう。
スペースXはまだNVIDIAのような黒字ではない
NVIDIAは、半導体で大きな利益を出し続けている会社です。一方のスペースXは、2025年の売上がおよそ187億ドルあったものの、5億ドルほどの赤字でした。ロケットや、宇宙から届く衛星通信サービス「スターリンク」、そしてAIなどに、先行して多くのお金を使っている段階だからです。
利益が安定して出るのはこれから、という状況になっています。同じように人気を集めた株でも、稼ぐ力の中身はかなり違います。
これから株価が動きやすい理由
スペースXの株は、7月上旬で150~170ドルで推移していますが、今後もしばらく値動きが荒くなりそうだと言われています。上場したばかりの株は、一定の期間が過ぎると、以前から株を持っていた人たちがまとめて売れるようになるからです。
スペースXの場合は、このタイミングがおよそ1年かけて何度も来る仕組みになっていて、そのたびに売りが出やすいと見られています。
専門家がつけた目標の株価も、115ドルとする米調査会社CFRAもあれば、165ドルとする米NewStreet Researchもあり、意見はまとまっていません。プロでも見方が割れるほど、判断が難しい株なのです。
急落しても、自分の基準で見極めよう
株が急に下がると、怖くてすぐ売りたくなるかもしれません。しかし、あわてて動く前に、「この会社は何で稼ぐのか」「いつまで持つつもりか」を自分なりに決めておきましょう。
スペースXがNVIDIAのようになるかどうかは、誰にも分かりません。だからこそ、値段の上下だけに振り回されず、自分の基準で判断していくことが大切です。
執筆者 : よし・こう
1級ファイナンシャル・プランニング技能士・CFP

