父が「オルカンなら10年で1000万円増える」と“退職金2000万円”を投資しようとしています。元本保証もないのに「60代から一括投資」して大丈夫でしょうか? 現実的な資産運用の方法

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父が「オルカンなら10年で1000万円増える」と“退職金2000万円”を投資しようとしています。元本保証もないのに「60代から一括投資」して大丈夫でしょうか? 現実的な資産運用の方法
退職金を受け取った後、「預金だけではもったいない」「投資で増やしたい」と考える人は少なくありません。特に近年は新NISAの普及もあり、オルカン(全世界株式)への投資に関心を持つ人も多いでしょう。
 
とはいえ、退職金2000万円を受け取った父親が、「オルカンなら10年間で1000万円増える」と投資を検討している場合、家族としては心配になるかもしれません。本記事では、退職金で投資を始める人が増えている理由や、一括投資のリスク、60代で現実的に考えたい資産運用の方法について解説します。
三浦大幸

2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など

なぜ退職金で投資を始めるのか?

退職金を投資に回そうと考える人が増えている背景には、長引く低金利があります。現在の普通預金や定期預金では、まとまった資産を預けても大きな利息は期待しにくい状況です。
 
また、近年は物価上昇が続いており、現金だけで資産を保有していると実質的な価値が目減りする可能性もあります。さらに、新NISAの開始によって投資への関心が高まったことも理由の1つでしょう。
 

オルカンなら10年で1000万円増える可能性はある?

オルカンとは、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」を指します。世界中の株式に分散投資する投資信託であり、長期投資の人気商品です。
 
仮に2000万円を年利5%で10年間運用できた場合、約3258万円となります。つまり、利益は約1258万円ですので、「10年で1000万円以上増える可能性がある」という考え方自体は計算上間違いではありません。
 
ただし、これは毎年5%で順調に運用できた場合の試算であり、将来の利益を保証するものではありません。
 

60代からの一括投資には大きなリスクもある

投資において注意したいのは、期待通りに資産が増えるとは限らないことです。例えば、投資直後に世界的な株価下落が起きれば、2000万円が短期間で1600万円や1400万円になる可能性もあります。
 
実際に、リーマンショックやコロナショックのような局面では、世界株式が大きく下落したことがありました。20代や30代であれば、その後の回復を待つ時間があります。
 
しかし、60代の場合は、老後資金を取り崩す時期が近づいているため、下落した状態で資金が必要になるリスクがあります。そのため、退職金を一度に全額投資する場合は、若い世代以上に慎重な判断が求められるでしょう。
 

銀行預金だけでは不安な面もある

一方、投資は絶対にやめたほうがいいとも言い切れません。現在は物価上昇が続いており、預金だけで資産を保有していると実質的な購買力が低下する可能性があります。
 
また、老後が20年、30年と続くことを考えると、一部の資産を運用しながら資産寿命を延ばす考え方にも合理性があります。つまり、「全額投資」か「全額預金」かの二択ではなく、自分に合ったバランスを考えることが重要です。
 

60代で現実的に考えたい投資方法とは?

60代で資産運用を考える場合は、退職金を全て投資するのではなく、生活資金と運用資金を分ける方法を検討したいところです。
 
例えば、当面の生活費や医療費などに備える資金は預金で確保し、それ以外の余裕資金を投資に回す方法があります。また、一度に全額投資するのではなく、毎月一定額を積み立てる方法も有効です。
 
積立投資であれば、購入時期を分散できるため、高値で一括購入するリスクを抑えやすくなります。さらに、株式だけでなく債券や預金なども組み合わせることで、資産全体の値動きを抑えることも可能です。
 

家族としては否定しすぎず、リスクを共有することが大切

退職金の運用について、家族が心配するのは当然でしょう。しかし、「投資は危険だから絶対やめて」と頭ごなしに否定すると、かえって話し合いが難しくなる場合もあります。
 
大切なのは、「どのくらい下落する可能性があるのか」「生活資金は十分確保できているのか」といったリスクを、家族で共有することです。投資のメリットだけでなく、デメリットについても理解したうえで判断できれば、将来後悔する可能性を減らせるでしょう。
 

まとめ

退職金を投資で運用すれば、大きく増やせる可能性はあります。しかし、多くの投資には元本保証がなく、特に60代で退職金を全額一括投資する場合は、大きな下落リスクにも注意が必要です。
 
一方、預金だけでは物価上昇による資産価値の目減りが懸念されるため、運用を検討すること自体は不自然ではありません。大切なのは、生活資金と投資資金を分け、一括投資や積立投資などを含めて自分に合った方法を選ぶことです。家族としても否定するだけではなく、リスクと向き合いながら話し合うことが重要だといえるでしょう。
 
執筆者 : 三浦大幸
2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など

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