アクティブファンドに「月5万円」積み立て中、友人に「インデックスファンド一択」と言われました。将来は「信託報酬で100万円差」になるそうですが、そんなに変わりますか? 長期では負ける理由
結論からお伝えすると、長期の資産形成では低コストのインデックスファンドを中心に据える方針が合理的といえます。ただし、厳選されたアクティブファンドが市場平均を上回ってきた例も確かに存在します。
本記事では、アクティブとインデックスそれぞれの仕組みから、コスト差が生む影響、両者の上手な使い分けまでを順番に整理して解説します。
FP1級、CFP、DCプランナー2級
アクティブファンドとは?
アクティブファンドとは、運用のプロが銘柄を厳選し、市場平均を上回る成績を目指す投資信託です。ファンドマネージャーが企業の決算や景気の流れを細かく分析し、有望と判断した銘柄を機動的に売買しながら運用していきます。
つまり、人の知恵と判断を積極的に活かすスタイルが、アクティブファンドの大きな持ち味といえます。日本株や米国株、テーマ型など種類も幅広く、成長が見込める分野へ的を絞った投資ができる柔軟さも魅力です。
ただし、専門的な調査や頻繁な銘柄入れ替えにはコストがかかるため、信託報酬は年率1%前後から数%に達する商品もあります。成果がファンドマネージャーの手腕に左右されやすく、選ぶ商品しだいで結果が変わる点も覚えておきましょう。
インデックスファンドとは?
インデックスファンドとは、日経平均株価やS&P500など特定の指数に連動した値動きを目指す投資信託です。市場全体とほぼ同じ動きを狙うため、指数が上がれば基準価額も上がり、下がれば一緒に下がる分かりやすさが特徴です。
値動きの理由を指数から追いかけられるため、投資初心者や忙しい会社員でも仕組みを理解しやすく、人気を集めています。運用にかかわる人員が少なく済む分、信託報酬は年率0.05%から0.5%程度と低めに抑えられている点も見逃せません。
低コストで長期の積立に向く商品が多く、新NISAで資産形成を始める人の中心的な選択肢になりました。手間をかけずにコツコツ続けたい人にとって、心強い土台になってくれます。
アクティブファンドがインデックスファンドに負ける理由とは
アクティブファンドが長期でインデックスに負けやすい最大の理由は、信託報酬という高いコストの差にあります。毎年差し引かれる手数料が運用成績の足かせとなり、指数を上回り続けるハードルを押し上げてしまうからです。
S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスのSPIVA日本版によれば、日本の大型株ファンドの約83%が10年でインデックスに負けています。グローバル株式や米国株でも、10年以上の期間で9割以上のファンドが指数に届かない厳しい結果が示されています。
コストの違いがもたらす影響は、実際の積立金額に置き換えるとより明確になります。例えば毎月5万円を20年積み立てる場合、実質利回りが0.9%違うだけで到達額に100万円を超える差が生まれる試算もあります。友人が伝えたかったのは、まさに長期データに裏打ちされた現実だったといえます。
インデックスファンドを上回るアクティブファンドもある
一方で、コストの不利を乗り越えて、インデックスを長期で上回ってきたアクティブファンドも確かに存在します。
野村フィデューシャリー・リサーチ&コンサルティングの分析では、日本株アクティブファンドは過去25年でインデックスを年率0.43%上回り、勝率は約71%に達したと報告されています。
市場の歪みが残りやすい領域では、プロの目利きが成果へ結びつく場面があるからです。代表例として、次のようなファンドが知られています。
・ひふみプラス:国内外の株式を対象に、企業規模にとらわれず銘柄を厳選し、基準価額は2026年7月8日時点で約8万4000円になっています。
・農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶね:米国の優良企業を長期目線で厳選し、根強い支持を集めています。
・スパークス・新・国際優良日本株ファンド(厳選投資):世界で戦える日本企業を絞り込むアクティブファンドとして知られています。
ただし、輝かしい数字にも注意点はあります。ひふみプラスは信託報酬が年率1.078%とインデックスより高く、近年は日経平均やTOPIXへ劣後する局面も見られました。過去の好成績が将来の利益を約束するわけではない点は、必ず頭に入れておきましょう。
そこで、現実的な選択肢になるのが、資産の中心を低コストのインデックスに置き、一部だけ厳選したアクティブファンドを組み合わせるコア・サテライト戦略です。守りをインデックスで固め、攻めを少額のアクティブで担う形なら、コスト負担を抑えつつ上振れの余地も残せます。
まとめ
結論として、長期の資産形成では低コストのインデックスファンドを軸に据える選び方が、もっとも合理的といえます。信託報酬の差は毎月5万円・20年で100万円を超える場合もあり、コストは将来の成果へ確実に効いてくるからです。
一方で、厳選されたアクティブファンドが、指数を上回ってきた事実も見逃せません。インデックスを中核に置きながら、納得できるアクティブファンドを少額だけ加える組み合わせも十分に検討できます。
大切なのは、自分のリスク許容度とライフプランに合った方法を選ぶ姿勢です。最終的な判断はご自身の責任で行い、信託報酬とリスクを確かめながら、無理なく続けられる積立を重ねていきましょう。
出典
S&P Global SPIVA®日本スコアカード(2025年末版)
執筆者 : 高柳政道
FP1級、CFP、DCプランナー2級

