イオン株の“含み損”が「10万円」に…夫に「損切りしろ」と言われますが、買い物で「週3回・月12万円」は利用します。株主優待もあるなら、持ち続けて大丈夫ですよね? 保有のメリットとは
しかし、優待目的で買った株が含み損を抱えてしまったら、話は変わってきます。中には家族から「早く売って損を確定すべき」と言われることもあるでしょう。
本記事では、10万円の含み損を抱えながらも月12万円ほどイオンで買い物をしているケースを想定して解説します。イオンの株主優待は複数ありますが、ここではキャッシュバックを中心に、「売るか、持ち続けるか」の判断軸をお伝えしていきます。
FP2級、日商簿記2級、宅地建物取引士、証券外務員1種
銀行にて12年勤務し、法人および富裕層向けのコンサルティング営業に従事。特に相続対策や遊休地の有効活用に関する提案を多数手がけ、資産管理・税務・不動産戦略に精通。銀行で培った知識と経験を活かし、収益最大化やリスク管理を考慮した土地活用のアドバイスを得意とする。
現在は、2社の経理を担当しながら、これまでの経験をもとに複数の金融メディアでお金に関する情報を発信。実践的かつ分かりやすい情報提供を心がけている。
月12万円買い物をしたら、年間キャッシュバックはいくら?
イオン株を100株以上保有する株主には、株主優待カード「オーナーズカード」が発行されます。特定の店舗で支払時に提示すると、半年分の購入額が保有株数に応じた還元率でキャッシュバックされる仕組みです。還元率は、100株で1%、200株で2%、9000株以上で7%と、保有株数が増えるほど高くなります。
イオンは、2025年9月に1株を3株に分割したため、分割前に株式を保有していた場合、分割後は300株となり、還元率は3%です。ここでは、還元率3%で試算してみましょう。
月12万円の買い物をするケースで試算すると、半年分の購入額は72万円です。72万円×3%で、1回あたりのキャッシュバックは2万1600円になります。年間にして、4万3000円程がキャッシュバックで受け取ることができる金額と試算されます。
含み損10万円は何年で取り戻せる?
キャッシュバックは半年ごとに計算されます。そのため、10万円を取り戻そうと思うと、半年でのキャッシュバック2万1600円を5回受け取る必要があり、期間にすると2年半かかります。
株の保有を続けている間は、含み損は確定せず、途中で株価が回復した場合、早々にプラスに転じることも考えられます。ただし、株価がさらに下落し、キャッシュバックで取り戻せる期間がさらに延びる可能性もあるでしょう。
「損切りしろ」派の家族の意見は正しい? 優待株ならではの考え方
投資の基本から言えば、家族の言い分には正しい面もあります。含み損を抱えたまま保有を続けると、その資金がマイナスのまま固定され、値上がりが期待できる別の投資には回せません。また、「いつか戻るかも」という心理が、撤退の判断を遅らせるリスクもあります。
ただし、日常的に利用する会社の株を持つこと自体は、投資の観点からは理にかなった選択です。キャッシュバックに加え、映画のチケットが1000円になる優待や、イオンラウンジの利用、配当金など、保有を続けることで得られるメリットは複数あります。
優待を日々の生活で楽しめているなら、超長期保有を前提に日々の株価の動きを気にしすぎないという考え方もあるでしょう。ただし、優待制度が変更・廃止されるリスクがゼロではないため、会社からの発表には目を通しておく必要はあります。
一方、今後イオンを利用する頻度が下がる見込みなら、損切りを検討する材料になるでしょう。
まとめ
含み損10万円をキャッシュバックで相殺するには、5回分、2年半の保有が目安です。損切りを判断する前に、まず直近半年の自分のイオンでの購入金額に、自分の保有株数に応じた還元率をかけてみてください。その数字が、保有を続けるかどうかを考える具体的な指標になるでしょう。
保有し続けるメリットが、含み損を上回る場合は、そのまま保有を続けるのも選択肢の1つです。
出典
イオン株式会社 株主優待制度
執筆者 : 竹下ひとみ
FP2級、日商簿記2級、宅地建物取引士、証券外務員1種

