NTT株「145円で1万株買って160円で売る」の“短期売買”繰り返せば、何度も「15万円」の利益が出て得!? SNSでは「5万株なら900万円」と言われてるけど、本当に可能? 注意点を解説

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NTT株「145円で1万株買って160円で売る」の“短期売買”繰り返せば、何度も「15万円」の利益が出て得!? SNSでは「5万株なら900万円」と言われてるけど、本当に可能? 注意点を解説
SNSで話題になった投稿を信じて、「NTT株を145円で買って160円で売れば、そのたびに利益が出るのでは?」と考える人もいるかもしれません。確かに、1万株なら差額は15万円です。しかし、課税口座では税金や手数料がかかる場合もありますし、そもそも株価が同じ範囲を往復するとは限りません。
 
本記事では、近年の株価と手取り額、SNS投稿の信ぴょう性を確認し、下落に備えた売買基準を考えます。
よし・こう

1級ファイナンシャル・プランニング技能士・CFP

NTT株を145円で1万株買い、160円で売った場合の利益

税引き前の利益は15万円

NTT株を1株145円で1万株買うには、145万円が必要です。1株160円で全株を売れれば、売却代金は160万円になります。
 
購入代金との差額は15万円で、購入額に対する利益率は約10.3%です。ただし、この15万円がそのまま手元に残るとは限りません。
 

課税口座では約11万9500円、NISAでは非課税

課税口座で売買した上場株式の利益には、原則20.315%の税金がかかります。売買手数料がなく、ほかの取引との損益通算もないとすると、15万円に対する税額は約3万500円です。税引き後には約11万9500円が残ります。
 
一方、NISA口座で買ったNTT株の売却益は非課税です。手数料を考えなければ、値上がり益の15万円に税金はかかりません。ただし、NISAで損失が出ても、課税口座の利益との損益通算や翌年以降への繰り越しはできません。
 
また、NISAの成長投資枠の年間枠は240万円です。145万円分を買って同じ年に売っても、その年の年間投資枠は戻りません。
 
同じ年にもう一度145万円分を買うと、年間購入額は合計290万円となり、成長投資枠を超えます。売却した商品の取得金額分を再利用できるのは、翌年以降です。
 

NTT株は145~160円の間の値動きを繰り返している?

近年の株価は145~160円を外れたこともある

NTTは、2023年7月、1株につき25株の割合で株式分割を行いました。分割後の価格で見ると、2024年の年間高値は192.9円、安値は142.5円です。2025年は高値167.2円、安値135.2円でした。
 
2026年は、7月16日時点で、年初来高値161.2円、年初来安値142.6円です。145円前後から160円前後で動く場面はあるものの、いつも145~160円に収まっているわけではありません。
 

年間の高値と安値だけでは売買できた順番が分からない

2024年は1月に192.9円の高値を付け、その後8月に142.5円まで下がりました。2026年も1月に161.2円を付けた後、6月に142.6円まで下落しています。
 
高値が安値より先なら、後から安値で買って、その年の高値で売ることはできません。過去のチャートから145円と160円だけを拾っても、実際に何回売買できたかまでは分からないのです。
 

同じ短期売買を繰り返せば何度も利益が出る?

145円で買えても160円まで上がる保証はない

145円で買った後、160円に届かないまま、さらに下がることもあります。例えば、130円まで下落すると、1万株の含み損は15万円です。これは、想定していた1回分の税引き前利益と同額です。
 
また、160円での売却にこだわれば、長く待つことになるかもしれません。買う前に、売る価格だけでなく、受け入れられる損失額や保有期間、投資に回す金額も決めておきましょう。
 

SNSの類似投稿には計算が合わない例もある

SNSでは、著名な投資家の方法として「NTT株を145円前後で買い、165円手前で売る」とする、似たような投稿が複数見つかります。しかし、筆者が今回確認した範囲では、投稿内で名前を挙げられた本人が同じ方法を説明した一次情報は見つかりませんでした。
 
また、5万株を145円で買い、165円付近で売れば「900万円以上の利益」とする投稿もあります。実際の値上がり益は20円×5万株=100万円なので、計算が合いません。似た投稿を何度も目にしても、うのみにするのではなく、株数や利益額、発言元は自分で確かめましょう。
 

まとめ

確かに、145円で1万株を買い、160円で売れれば、税引き前の利益は15万円です。ただし、税金や手数料、NISAの年間投資枠も考える必要があります。株価が過去と同じ範囲を動く保証はなく、SNSには計算が合わない投稿も見られます。購入前に売る価格、受け入れられる損失額、保有期間を決め、想定外の下落にも慌てない金額で売買しましょう。
 

出典

国税庁 No.1463 株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)
 
執筆者 : よし・こう
1級ファイナンシャル・プランニング技能士・CFP

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