いまさら「10万円分の金(ゴールド)」を買おうとする友人。「2万3000円に下がった今が買い時」と言いますが、今後は“下がっていくだけ”ではないのですか? 金価格は本当に「暴落している」のか解説
このような流れを見ていると「今から買うのは遅いのでは」「少し下がったとはいえ、高値づかみにならないのか」と考える人もいるかもしれません。
金の価格が今後上昇していく可能性は低く、資産形成の手段としては「もう古い」のでしょうか。本記事では、金価格が下落しているように見える今の状況と、今後金を購入したい場合はどう考えればいいのかを解説します。
ファイナンシャルプランナー2級
金価格は本当に下がっているの?
金価格は、2025年下半期に起きた急激な高騰から比較すると、上昇率はやや横ばい傾向となっています。
田中貴金属によると、2026年3月には店頭小売価格(税込)が1グラムあたり2万9969円と3万円近い高値を付けましたが、その後は下落し、2026年7月29日時点では2万3510円となり、約22%ほど下落したことになります。
ただし、「下がった」といっても、過去数年のレートと比べると依然として高い水準にあることは変わりありません。田中貴金属のデータでは、過去1年間の最安値は1グラムあたり1万7413円で、現在の価格は、その水準を大きく上回っています。
つまり、「暴落している」というよりも、高騰したあとに「一時的に落ち着いている」と考えていいのではないでしょうか。
そもそも金はなぜ価値が落ちにくいの?
金は、株式や債券と異なり、企業の業績や倒産の影響を直接受けにくいと言われます。一般的に、戦争や金融危機、インフレなどが起きると、お金の価値が下がることがありますが、金は比較的価値が安定しやすく、資産のリスクへの備えとして買う人が多くいます。
このように、世界中で価値が認められているため、「有事の資産」と呼ばれることもあるのです。
近年の金価格上昇も、世界的なインフレ、各国中央銀行による金購入、地政学リスクの高まり、円安といったさまざまな要因が重なった結果と考えられています。金の価値が今後も上がり続けるという保証はありませんが、金は供給量が急激に増えにくいという特徴があるので、長期的には価値が維持されやすい資産の1つといえるでしょう。
資産形成として考えた場合のメリットとデメリット
金投資のメリットは、資産とリスクを分散できることです。投資の世界では「卵をひとつのカゴに盛るな」という考え方があります。預金だけ、株だけという状態よりも、複数の資産を持つほうが、何かトラブルがあった時にもリスクを抑えやすいためです。
一方、デメリットもあります。株式なら配当、預金なら利息がありますが、金は値上がり益が主な収益源なので、配当金や利息のように「持っているだけ」で資産が増えるわけではありません。また、短期間で大きく利益を得ようとすると、価格変動の影響を強く受ける可能性があります。金を購入する際は、長期的運用を視野に入れるようにしましょう。
金は遺産運用の1つ。金だけでなくリスク回避をした投資をしよう
金の価格は高値からやや下落していますが、過去の水準と比べると依然として高い位置にあります。今後価格が下がる可能性もありますが、世界的な需要や供給構造を考えると、長期的に見て価値がゼロになるような資産ではないでしょう。
そのため、「今買うべきか」「まだ待つべきか」のみに焦点を当てるのではなく、自分の資産全体の中でどの程度保有するのが適切かを考えることが大切です。
金の信頼性を考えれば、資産分散の一環として検討する価値は十分あるといえます。価格の上下に一喜一憂せず、自分の家計や資産形成の目的に合っているかを考えてみましょう。
執筆者 : 渡辺あい
ファイナンシャルプランナー2級

