50歳で「住宅ローン1000万円」を“繰り上げ返済”予定…友人は「返済せずNISAで運用するほうが得」と言いますが、元本が減るなら“早めに返すべき”ですよね?「増える資産・減る利息」を比較
ところが、友人から「住宅ローンの金利が低いなら、繰り上げ返済せずにNISAで運用したほうが得になる」と言われると、「どちらがお得?」と疑問に感じるかもしれません。
本記事では、住宅ローン残高1000万円、残り10年、金利年1.5%のケースをもとに、繰り上げ返済とNISAによる運用の違いを解説します。
2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など
目次
繰り上げ返済は利息を確実に減らせる
繰り上げ返済したお金は、住宅ローンの元本に充てられます。元本が減れば、その後に発生する利息が少なくなるため、総返済額を確実に抑えられます。
また、毎月の返済負担や返済期間を減らせる点もメリットです。50歳であれば、定年退職までに住宅ローンを完済できる安心感も大きいでしょう。
NISAで運用したほうが得といわれる理由
NISAで運用したほうが得といわれるポイントは、住宅ローン金利と投資の期待利回りの差です。
例えば、住宅ローン金利が年1.5%、NISAを活用した投資信託の運用利回りが年平均5%で運用できたと仮定すると、計算上は運用益が利息負担を上回ります。そのため、繰り上げ返済せず、手元の資金を運用したほうが資産を増やせる可能性があるのです。
住宅ローン1000万円の総返済額はいくら?
それでは、具体的にシミュレーションしていきましょう。住宅ローンの前提は次のとおりとします。
・住宅ローン借入残高:1000万円
・金利(年利):1.5%
・返済期間:10年
・返済方法:元利均等返済
この場合、総返済額は約1077万円となります。つまり、今すぐ残高1000万円を全額繰り上げ返済した場合、利息分の約77万円を無くすことが期待できます。
1000万円を運用した場合はいくらになる?
続いて、1000万円を運用した場合の試算を見ていきましょう。
仮に1000万円を年利5%で10年間運用した場合、資産は約1629万円になります。単純計算では、先ほどの住宅ローンの利息77万円を負担しても、運用益のほうが大きくなる計算です。
ただし、NISAの年間投資枠は360万円なので、1000万円を1年で全額投資はできません。数年かけて投資する場合、一括投資よりも運用期間が短くなり、利益が少なくなる可能性がある点には注意が必要です。
もちろん、投資のタイミングなどの関係で、一括投資ではなく積立投資のほうが利益は大きくなる場合もあります。なお、NISAを使わずに1000万円を一括投資した場合、運用益に約20%の税金がかかります。
50歳から投資する場合の注意点
投資信託は値下がりすることもあるので、10年後には元本割れしている可能性もあります。50歳から10年間運用すると、60歳を迎えます。退職時期に相場が下落していると、回復を待てないまま売却することになりかねません。
手元の1000万円が貯金の大部分なら、全額を返済や投資に使わず、病気や住宅修繕などに備える現金を残しておくことも重要です。
繰り上げ返済とNISAを併用する方法も
1000万円全額を、必ずしもどちらか一方に使う必要はありません。
例えば、一部を繰り上げ返済し、残りを預貯金とNISAに分けるといった方法があります。繰り上げ返済で確実に利息を減らしながら、NISAで資産の成長も期待するといった、バランスを考慮するのも良いでしょう。
まとめ
住宅ローンの金利と、投資による期待される運用結果をてんびんにかけた場合、投資による運用のほうが、結果的に資産が増える可能性はあります。とはいえ、運用益は保証されず、NISAでは1000万円を一度に投資できません。
50歳という年齢や手元資金、老後の生活設計などを総合的に考えながら、繰り上げ返済とNISAを併用するなど、自分の家庭に合った方法を検討しましょう。
執筆者 : 三浦大幸
2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など

