3年前「退職金2000万円」を“オルカンに一括投資”した友人が、運用益1800万円で「評価額3800万円」に! それでも「住民税非課税世帯」「給付金あり」らしいですが、税金払わないのはおかしいですよね?

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3年前「退職金2000万円」を“オルカンに一括投資”した友人が、運用益1800万円で「評価額3800万円」に! それでも「住民税非課税世帯」「給付金あり」らしいですが、税金払わないのはおかしいですよね?
定年退職した友人が、退職金を元手にした投資でひともうけしていると聞くと、うらやましいと思う人も多いのではないでしょうか。
 
しかも、その友人が住民税非課税世帯で税金を払わず、給付金も受け取っていると聞くと、「それはおかしいんじゃないか」と言いたくなるかもしれません。
 
本記事では、退職金2000万円を「オールカントリー」の投資信託に一括投資して3年経過後、評価額がどれくらい増えるのかを試算してみます。
 
さらに、住民税非課税世帯の判定基準などから、いくら投資で資産が増えても住民税非課税世帯になる可能性があることを解説します。給付金など住民税非課税世帯の優遇措置、退職金一括投資のリスクなども解説しますので、参考にしてください。
松尾知真

FP2級

3年前に退職金を「オルカン」に一括投資していたら

まず、退職金2000万円を「オルカン」に一括投資していたら、3年間で評価額はどれくらい増えるでしょうか。オールカントリーの円建て投資信託である「eMAXIS SLim 全世界株式(オール・カントリー)」のパフォーマンスを見ると、直近3年の年平均利回りはなんと約24%にもおよびます。
 
そのため、もし退職金2000万円を3年前に一括投資していたら、年間利回り24%とする簡略化した計算で、元本に運用益約1800万円が加わり、評価額は約3800万円まで膨らみます。
 
一方、総務省の家計調査報告にある、夫婦高齢者無職世帯の平均的な生活費は、非消費支出を併せて月約30万円であり、3年間の生活費は、月30万円×12ヶ月×3年=1080万円です。つまり、3年間この生活レベルで過ごした場合は、ほかに収入がなくても資産が700万円ほど増えることになります。
 
厳密には、評価額には含み益が入っており、売却して現金化しないと確定した資産とは言えないかもしれません。実際に投資信託を売却すれば、NISA口座の利用がない場合、運用益1800万円に対して約20%の税率で課税され、360万円ほど資産が目減りします。
 
ただし、今回の場合は、その課税があったとしても、資産がプラスに転じていることにかわりありません。
 

資産は増えるのに「住民税非課税世帯」になるのはなぜ?

3年前に退職金2000万円を「オルカン」に一括投資していると、3年間の平均的な生活費以上に運用益が得られ、働かなくても全体の資産は増えた可能性があります。その一方で、年金を受給せず、ほかに収入がないままだと、いわゆる「住民税非課税世帯」になるでしょう。
 
住民税非課税世帯とは、住んでいる自治体の住民税が課税されない世帯のことです。住民税には「所得割」と「均等割」があり、実際に課税されるかどうかは、主に前年の所得で判定されます。
 
世帯全員が前年の収入がない場合、世帯の所得もゼロとなり、未申告などの場合以外は住民税非課税世帯となります。住民税非課税世帯になると、住民税が課税されないだけでなく、自治体ごとに優遇措置などが設けられています。
 
優遇措置の例として挙げられるのは、国民健康保険料の減免による負担軽減、各種給付金の受給などです。国民健康保険に限らず、高額療養費、介護保険料なども、住民税非課税世帯であれば費用負担は少なくなるでしょう。
 
また、コロナ禍以降に支給機会の増えた各種給付金も、住民税非課税世帯を対象としているものが数多く見受けられ、今後も支給対象となる可能性が高いと思われます。
 
もちろん、投資信託を売却し利益を確定すると収入や所得になり、住民税非課税世帯から外れることになりますが、それも売却した翌年のみです。「資産増で住民税非課税世帯」は、不自然に感じるかもしれませんが、前年所得で判定する以上、退職金の一括投資に成功し働いていないケースでは十分起こり得ると言えるでしょう。
 

退職金の一括投資はリスクも大きい

今回の話を聞くと、退職金の一括投資はいいことばかりのような気がするかもしれませんが、これはあくまで成功した1つの例に過ぎません。投資には当然リスクがあり、貴重な老後資金である退職金の一括投資となれば、なおさら大きなリスクを背負うことにもなります。
 
もし、退職金の運用がうまくいかず、元本割れや損失の拡大などがあれば、事前に描いていた退職後のライフプランは軌道修正が必要になるかもしれません。
 
退職金の運用は、何らかの形で必要かもしれませんが、自身の資産状況や、希望する退職後の生活スタイルなども考慮し、どの程度リスクを取れるのか見極めることが大切です。
 

まとめ

3年前に退職金2000万円を「オールカントリー」の投資信託に一括投資していれば、3年間の平均的な生活費以上に評価額が上がり、働いていないのに資産が増えた可能性があります。
 
そんな状況で、住民税が非課税になり給付金までもらっていると聞くと、「ちょっと不平等じゃないか」と思うこともあるでしょう。しかし、現在の税制や自治体の住民税非課税世帯の判定基準を考えると、十分にあり得ることです。
 
ただ、まとまった老後資金となる退職金の一括投資には大きなリスクも伴い、うまくいかない場合は老後のライフプランに影響が出るでしょう。友人のケースはあくまでも1つの例として捉え、自身が取れるリスクなども踏まえた上で、退職金の運用などに取り組んでみてはいかがでしょうか。
 

出典

総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)2025年(令和7年)平均結果の概要
 
執筆者 : 松尾知真
FP2級

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