【個別株】フジクラが一時「1株8000円」近くまで上がり“約6000円”で100株購入→その後4000~5000円の「下落&地味な値動き」にがく然!「話題になってから買う」のは遅すぎた? 急騰・急落の理由も確認
ところが、株価は6月に4000円台、8月下旬も5000円台と高値に戻らず、含み損を抱えたまま値動きも落ち着いてしまいました。本記事では、株価の推移と急騰の背景を整理し、話題の株を買うタイミングを考えます。
CFP
フジクラはどのような会社か
フジクラは、1885年電線事業から創業した東証プライム上場の老舗メーカーで、2026年3月期決算の連結売上高は1兆1823億5800万円です。
主力は光ファイバや光ケーブルを手掛ける情報通信事業で、2026年3月期決算短信によると、同事業の売上高は生成AI向けデータセンタ需要の伸びで前年度比44.7%増の6530億円と、全体の売上の半分以上を占めています。
なお、同社は2026年4月1日付で1株を6株に分割しており、本記事の株価は分割後の水準で表記します。
2025年までの株価と2026年の値動き
有価証券報告書に記載された年間の最高株価は、2024年3月期の2298円から2026年3月期には分割前の水準で2万9810円へと、2年で12倍を超えています。2026年に入っても勢いは衰えず、東京証券取引所の日報を見ると、5月14日には取引時間中に7933円まで上昇しました。
ところが、同日午後に発表された決算を境に流れが変わり、終値は前日比1500円安の6355円でした。この1500円は制限値幅の下限、いわゆるストップ安にあたります。
その後も下落は止まらず、6月11日には取引時間中に3888円と5月の高値の半値を下回り、終値は4142円でした。8月26日の終値は5305円で、5月の高値より3割以上低い水準です(図表1)。
図表1【フジクラの株価の推移(2026年、株式分割後の水準)】
| 日付 | 高値 | 安値 | 終値 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 5月14日 | 7933円 | 6355円 | 6355円 | 決算発表、前日比1500円安 |
| 6月11日 | 4162円 | 3888 | 4142円 | 5月高値の半値割れ |
| 8月26日 | 5353円 | 5110円 | 5305円 | 5月高値より3割超安い |
日本取引所グループ 東京証券取引所日報より筆者作成
急騰と急落の理由
急騰を支えたのは業績です。2026年3月期は売上高1兆1824億円(前年度比20.7%増)、営業利益1887億円(同39.2%増)と大幅な増収増益を達成しました。一方、5月14日の決算短信で示した2027年3月期の予想は、純利益1560億円(前年度比0.7%減)と慎重な内容でした。
これは、光ケーブルの急な増産で、水素など一部の原材料の調達が追いつかなくなることを会社側が不安視し、その影響を保守的に見込んだためです。筆者は、この見通しが失望売りを招いたとみています。
業績予想はその後2度見直され、8月7日公表の第1四半期決算短信では通期の純利益予想が3260億円と、5月時点の2倍超に引き上げられました。それでも株価が高値に戻らないのは、高値圏で膨らんだ期待の反動だというのが筆者の見方です。
約6000円で買ったのは損なのか
新NISAの成長投資枠は年間240万円で、金融庁は個別銘柄への一括投資も可能としています。6000円で100株なら投資額は60万円で、枠の範囲内です。
この100株を持ち続けた場合、含み損(保有したままの評価上の損失)は6月11日の終値4142円で18万5800円、8月26日の終値5305円で6万9500円になります(図表2)。
含み損は、売却しなければ確定しません。ただ、国税庁のWebサイトにもあるとおり、NISA口座の損失はなかったものとみなされ、ほかの口座の利益と相殺する損益通算はできない点には注意が必要です。
では、買うのが遅すぎたのでしょうか。筆者は、買った時期そのものよりも、話題になってから一括で買ったことに問題があったと考えます。
人気が出たタイミングに一括で買うと、期待をすべて織り込んだ高値をつかみやすく、失望材料が出れば今回のように急落に巻き込まれやすくなるため注意が必要です。
図表2【6000円で100株を買った場合の含み損】
| 時点 | 株価 | 評価額(100株) | 含み損 |
|---|---|---|---|
| 購入時 | 6000円 | 60万円 | – |
| 6月11日終値 | 4142円 | 41万4200円 | 18万5800円 |
| 8月26日終値 | 5305円 | 53万500円 | 6万9500円 |
日本取引所グループ 東京証券取引所日報より筆者作成
話題の株を買う際のポイント
第1に、株価だけでなく業績との関係を確認することです。決算短信で売上高や利益の予想と株価の上昇幅を見比べるだけでも、過熱感の判断材料になります。
第2に、買う時期を分けることです。金融庁は資産形成の基本として、決まった金額を続けて投資する積立投資を挙げ、高いときにだけ買ってしまうことを避けられるとしています。個別株でも、100株を数回に分けて買えば同じ考え方を応用できます。
第3に、値動きの異なる資産への分散です。こちらについても、金融庁は分散投資で価格の変動をある程度抑えられるとしており、1銘柄への集中は急落の影響をそのまま家計に及ぼしかねません。
まとめ
フジクラの株価は業績拡大を背景に2026年5月に7933円まで上昇した後、慎重な業績予想が示された5月14日に急落し、上方修正を経ても高値を3割以上下回っています。
6000円で100株を買った場合、8月26日時点の含み損は6万9500円です。話題になってから一括で買うと高値をつかみやすいため、業績の確認と時期・資産の分散を意識し、NISAの損失は損益通算できない点も踏まえて判断しましょう。
出典
株式会社フジクラ 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
株式会社フジクラ 有価証券報告書
株式会社フジクラ 2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
執筆者 : 金子賢司
CFP
