オルカンに「退職金2000万円」から“1000万円”投資して後悔…「株価さえ見ていれば大丈夫」と思っていたのに、円高で株価が変わらなくても“資産が減る”!? 夫婦を襲った「円高リスク」とは

配信日:
この記事は約 3 分で読めます。
オルカンに「退職金2000万円」から“1000万円”投資して後悔…「株価さえ見ていれば大丈夫」と思っていたのに、円高で株価が変わらなくても“資産が減る”!? 夫婦を襲った「円高リスク」とは
退職金を「オルカン」に投資し、「世界中の株に分散されているから安心」と考える人もいるでしょう。
 
しかし、オルカンの値動きは海外株式の株価だけで決まるわけではありません。日本から投資する場合、為替相場の影響も受けるため、海外株がほとんど下がっていなくても、円高によって評価額が減ることがあります。
 
本記事では、オルカン投資で見落としやすい円高リスクや、一括投資する際の注意点について解説します。
三浦大幸

2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など

オルカンとはどんな商品?

オルカンとは、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」のことです。日本を含む先進国や新興国の株式に幅広く投資でき、1本で世界中の企業へ分散投資できます。
 
三菱UFJアセットマネジメントが運用しており、長期の資産形成に利用されている代表的な投資信託の1つです。ただし、海外株式の割合が大きく、日本円で見た資産価値は為替相場の影響も受けます。
 

株価が変わらなくても「円高」で資産が減る?

例えば、海外株式を1万ドル分保有しているとします。この場合、1ドル=150円なら、日本円での評価額は150万円です。
 
しかし、株価がまったく変わらないまま1ドル=130円まで円高になれば、1万ドル×130円=130万円となります。株そのものは値下がりしていないのに、日本円で見た資産額は20万円減ります。
 
これが為替リスクです。オルカンは「世界中の株に分散しているから株価だけ見ていればよい」という商品ではなく、円と海外通貨の関係も評価額に影響すると理解しておく必要があるでしょう。
 

反対に円安になれば資産額が増えることも

為替の影響は悪い方向に働くだけではありません。先ほどとは反対に、1ドル=130円から150円へ円安になれば、海外株価が横ばいでも円換算した評価額は増えます。
 
近年のオルカンの上昇には、株価だけでなく、円安が追い風になった局面も見逃せません。一方、2026年には政府による外国為替市場への介入も行われており、為替相場は政策対応などをきっかけに短期間で大きく動くこともあります。
 

1000万円を一括投資すると為替変動の影響も大きい

もし、退職金から1000万円を一度に投資し、その直後に円高が進めば、海外資産に投資している部分を中心に、その影響を受けることになります。仮に為替や株価などの影響で評価額が10%下落すれば、1000万円は単純計算で900万円です。
 
もちろん、その後に株価が上昇したり円安になったりすれば回復する可能性もあります。しかし、退職後に生活費として取り崩す予定がある人は、値下がりから回復するまで待てないケースもあるでしょう。
 
特に退職金のようなまとまった資金では、「長期投資だから大丈夫」と考えるだけでなく、いつ使うお金なのかを整理することが重要です。
 

一括ではなく分割して投資する方法もある

為替や株価のタイミングが気になる場合は、1000万円を一度に投資せず、数回に分ける方法もあります。例えば、300万円を先に投資し、残り700万円を1~2年かけて積み立てれば、購入時期を分散できます。
 
その間に円高になれば、同じ日本円でより多くの海外資産を購入できる可能性があります。
 
一方、すぐに株高や円安が進んだ場合は、一括投資より利益が少なくなる可能性もあります。分割投資は必ず有利になる方法ではなく、購入タイミングのリスクを抑える方法と考えるのがよいでしょう。
 

まとめ

オルカンは世界中の株式へ分散投資できる商品ですが、為替相場の影響も受けます。株価が横ばいでも円高になれば評価額が下がり、反対に円安なら資産額が増える可能性があります。
 
また、一括投資すると、株価だけでなく為替変動の影響も一度に受けることになります。今後、円高になるか円安になるかを正確に予測できません。
 
だからこそ、退職金を投資する際は、現金を残す、購入時期を分散するなど、自分が耐えられるリスクの範囲で運用することが大切だといえるでしょう。
 
執筆者 : 三浦大幸
2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など

  • line
  • hatebu

LINE