2年前に買った「NTT株」は数年“140~160円台”だったけど、9月「175.6円」に上昇!「配当とdポイント目当て」で“1万株まで買い増す”のはアリ? 株価推移や「1銘柄集中のリスク」を解説
ただ、配当目的だけで1万株まで買い増す場合は、NTT株が金融資産全体に占める割合に注意が必要です。
本記事では、NTTの直近の株価推移、配当と株主優待で得られる実際の利回り、そして1銘柄への集中が生むリスクを順に整理していきます。
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「NTT」の株価の値動きはどうなっている?
NTT株は、2024年1月には190円前後まで上昇した後は下落基調に転じ、2024年6月14日には1株146円台まで下落しました。その後は2026年6月19日で1株あたり144円台と、2024年夏以降、長らく140~160円台を中心に推移していました。
ただ、安易に買い増す前に直近の値動きを知っておく必要があるでしょう。2026年8月25日には前日比1.62%高の終値169.2円を付け、2024年5月以来およそ2年3ヶ月ぶりの高値を更新しました。
8月6日に開示された2026年度第1四半期決算の好調ぶりも、好決算も株価を支えた要因の1つとみられます。営業収益は前年同期比10.9%増の3兆6177億円、営業利益は4.9%増の4251億円でした。そして、2026年9月1日の終値は1株あたり175.6円をつけています。
優待・配当のインカムゲイン目的で保有した場合の利回りは?
結論、インカムゲインだけを目的に1万株まで買い増すのは慎重になったほうが良いでしょう。
1万株まで買い増しても、dポイントの優待は1ポイントも増えません。NTTの優待は100株以上の保有で判定されるため、たとえ株数を100倍にしても進呈額は変わらない設計だからです。進呈の条件を整理すると、以下のとおりです。
・保有期間2年以上3年未満で1500ポイント
・保有期間5年以上6年未満で3000ポイント
・同一の株主番号で受け取れる上限は4500ポイント
現行制度では6年以上の保有では追加の進呈はありません。郵送されるIDとパスワードを使ったエントリーが必須ですから、優待狙いの買い増しは合理性を欠くといえるでしょう。
一方、配当は保有株数に正比例して増えていきます。2026年度の年間配当は16期連続増配となる1株5.4円が予定されており、1万株なら税引き前で5万4000円、課税口座の場合は手取りではおよそ4万3000円が見込めます。
ただし、ここ数ヶ月の株価の好調で、いまから1万株まで買い増すと高値づかみになる可能性もあり注意が必要です。取得単価が140円なら配当利回りは約3.9%、145円なら約3.7%ですが、168円で買い増した分は約3.2%まで下がってしまいます。
平均取得単価が上がれば投資額に対する効率も落ちるため、買い増しの価格水準には慎重さが求められるでしょう。
単一銘柄に集中するリスクには注意
分散投資の観点では、1万株という株数だけで買い増しの是非を判断することはできません。
仮に株価175円で1万株を揃えると評価額は約175万円になるため、金融資産全体に占めるNTT株の割合が大きくなりすぎないか確認することが重要です。NTT固有のリスクとしては、主に3点が挙げられます。
・政府は自己株式を除く発行済株式の35.83%を保有しており、将来的にNTT法が廃止され政府の株式保有義務が失効した場合には、政府保有株が売却される可能性がある
・国内通信市場そのものが成熟し、成長余地が限られている
・2026年3月末の株主資本比率は20.8%で、前年の34.0%から低下している
もちろん、AI需要を背景としたデータセンター事業や、次世代通信基盤への期待も指摘されており、将来の大きな収益源へ育つ可能性は十分に残されています。
ただ、優待は100株で完結する制度ですから、追加資金はインデックスファンドや他業種の高配当株へ振り向けることも検討すると良いでしょう。
まとめ
NTT株は長く140~160円台を中心に推移していましたが、2026年8月以降は上昇し、9月1日の終値は175.6円となりました。1万株への買い増しには、優待面のうまみがありません。dポイントは100株以上で一律のため、株数を増やしても進呈額は4500ポイントの上限で頭打ちになります。
配当と優待は投資判断の材料の1つに過ぎません。自身の投資目的と資産全体のバランスを見直しながら、無理のない配分を組み立ててみてはいかがでしょうか。
出典
NTT株式会社 2026年度 第1四半期決算について
NTT株式会社 2025年度 決算短信〔IFRS〕(連結)
NTT株式会社 有価証券報告書
NTT株式会社 株主さまへのdポイント進呈
執筆者 : 高柳政道
FP1級、CFP、DCプランナー2級
