【新NISA】オルカン「月5万円」を積み立て2年…「評価額140万円」になり“9月で利確”のつもりが、夫に「年内は非課税枠が戻らない」と言われビックリ! 来年まで“NISAは休止”? タイミングと注意点
そろそろ利益を確定しようかと考えたところ、夫から「売っても年内は非課税の枠は戻らない」と言われると、驚く人もいるのではないでしょうか。
売った分の枠が戻るのは翌年で、戻る金額も売ったときの値段ではありません。本記事では、年内に買える金額と翌年に戻る金額を計算式で示し、売る前に確かめておきたい点を整理します。
2級ファイナンシャルプランナー技能士
売っても、年内に使える枠は変わらない
まず確かめたいのは、2年間で買った金額です。
・5万円×24ヶ月=120万円(買ったときの金額)
・140万円-120万円=20万円(値上がりした分)
新NISAの年間投資枠は、つみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円です。この枠は、その年に買った金額に応じて使われる仕組みです。2026年に入ってから8月までに積み立てたのは、5万円の8ヶ月分で40万円になります。
・120万円-40万円=80万円(つみたて投資枠の残り)
9月に全部売った場合、つみたて投資枠の残り80万円と手つかずのままなの成長投資枠240万円で、年内にあと320万円まで買えます。売ったからといって、年間投資枠が変わることはありません。
翌年戻るのは140万円ではなく120万円
戻らないと言われているのは、生涯で使える非課税保有限度額のほうです。金融庁は「商品を売却した場合、翌年以降売却した商品の簿価(取得金額)の分だけ非課税投資枠が復活し、再利用が可能になります」と説明しています。
簿価とは買ったときの金額です。9月に140万円で売った場合、翌年に戻るのは120万円にとどまります。
・140万円-120万円=20万円(枠としては戻らない分)
値上がりした20万円は非課税で受け取れますが、そのぶんの枠は復活しません。売って買い直すたびに、使える枠は値上がり分だけ目減りしていきます。
戻った枠をすぐに使いきれるとも限りません。翌年に120万円が復活しても、その年に買えるのは、つみたて投資枠120万円と成長投資枠240万円の範囲にとどまります。生涯の枠が戻っても、1年で買える金額の上限は変わらない点に注意が必要です。
1800万円を使いきっていないなら、急いで売る理由は小さい
非課税保有限度額は1800万円で、成長投資枠はそのうち1200万円が上限です。2年間で使ったのは120万円ですから、枠はまだ大きく残っています。
・1800万円-120万円=1680万円(使える枠の残り)
枠が戻るかどうかが効いてくるのは、1800万円を使いきった人です。残りが1680万円ある段階では、売っても売らなくても、来年買える金額は変わりません。
売れば、値上がりした20万円を非課税のまま受け取れます。課税口座で同じ利益が出たときの税率は20%(所得税15%、住民税5%)で、復興特別所得税を含めると20.315%です。
・20万円×20.315%=4万630円(課税口座なら引かれる税金)
ただし、この先も値上がりが続けば、売らずに持っていたほうがよかったことになります。相場しだいで結果は変わるため、どちらが得かは一律には言えません。
まとめ
9月に全部売っても、年内に使える枠は減りません。つみたて投資枠の残り80万円と成長投資枠240万円で、あと320万円まで買えます。翌年に戻るのは、売った140万円ではなく買ったときの120万円です。値上がり分の20万円は、枠としては戻ってきません。
1800万円のうち1680万円がまだ残っているなら、枠の復活を気にして売り時を決める必要は小さいといえます。利益を確定したい理由が値上がり分の確保なのか、使う予定があるからなのかを整理してから決めるとよいでしょう。
出典
国税庁 No.1463 株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)
執筆者 : 高橋祐太
2級ファイナンシャルプランナー技能士
