オルカンに「月2万円」投資して約3ヶ月…時価評価額「6万円以上」のはずが“5万9619円”に減りショック!「オルカン=増える」と思ってたのにナゼ!? むしろ「今こそ買い増し」すべきですか?
3回目の積み立てを終えた9月7日に口座を確認すると、投資した6万円に対して評価額は5万9619円でした。約380円のマイナスにショックを受けたといいます。この3ヶ月に何が起きていたのか、そして今が買い増しの好機なのかを解説します。
CFP
マイナス381円は想定の範囲内
投資額6万円に対して評価額が5万9619円なら、差は381円です。率にすると約0.6%にとどまります(筆者計算)。
Aさんが買い付けたのは、まだ3回だけです。これまでに買った値段の平均、いわゆる平均取得単価は、この3ヶ月の水準に収まっていて、いまの値段とほとんど同じです。そのため、現在の値段が平均をわずかに下回るだけで、口座の合計はマイナスに転じます。
投資信託の値段にあたる基準価額は、株式市場などの動向により変動し、元本の保証はありません。数百円の増減は、値動きのある商品を持つ以上、避けられない範囲といえるでしょう。
2026年6月から9月にかけて起きていたこと
この3ヶ月で目立ったのは、円相場の転換でした。
日本銀行が公表する「外国為替市況」によると、東京市場のドル円相場は2026年6月4日の17時時点で1ドル=159円台でした。それが、7月23日には163円台まで円安が進みました。ところが、9月7日には155円台と、円高方向へ振れています。
背景の1つは、政府による為替介入です。財務省が公表した外国為替平衡操作額は、2026年7月30日から8月26日までで15兆3993億円でした。
円高の流れは、その後さらに強まりました。9月8日の東京市場では、一時1ドル=152円台をつけ、9月11日の17時時点も154円台となっています。Aさんが口座を確認した9月7日の時点より、円高はもう一歩進んだ水準です。
円高は基準価額を押し下げる
オルカンは、世界各国の株式を投資対象とするため、株価だけでなく為替の影響も受けます。資産運用業協会の解説では、外国通貨建ての資産に投資する投資信託は、一般に円高で基準価額にマイナス、円安でプラスの影響があるとされています。
つまり、現地の株価が下がっていなくても、円高が進めば円に換算した価値は目減りするわけです。Aさんが積み立てを始めた6月と、口座を確認した9月7日を比べると、1ドルは159円台から155円台になっています。この4円ほどの円高が、Aさんが保有するオルカンの評価額を押し下げた一因です。
3ヶ月の損益で良しあしは決まらない
金融庁の資料には、1989年以降に毎月同じ金額ずつ国内外の株式と債券へ積立投資をした場合の試算が載っています。
保有期間が5年の場合、100万円は5年後に74万円まで減ることもあれば、176万円まで増えることもありました。つまり、始めた時期によっては、元本割れも起こり得たということです。
一方、保有期間20年では、186万円から331万円に収まり、1989年以降のデータで元本割れとなったケースはありません。期間が短いほど結果は振れやすく、3ヶ月という区切りで良しあしを判断する意味は乏しいといえます。
今こそ買い増すべきか
安いときに多く買いたい、という発想自体は理にかなっています。金融庁も、一定金額を定期的に購入するドル・コスト平均法なら、価格が高いときは少なく、低いときは多く購入できるため、購入単価が平準化されると説明しています。積み立てを続けている時点で、この効果はすでに働いているわけです。
ただし、価格が下落し続けた場合には損失を被ることもあり、相場が上昇し続ける局面では一括投資のほうが有利なこともあるとも書かれています。そのため、「下がったら買い増す」が常に正解とは限りません。
NISAのつみたて投資枠の年間投資枠は120万円です。月2万円なら年24万円なので、枠にはまだ余裕があります。増額するなら、当面の生活費や急な出費に備えるお金を確保したうえで、何年も続けられる金額かどうかを基準にしたいところです。
まとめ
3ヶ月で約0.6%のマイナスは、世界の株式に投資する商品としては珍しくない振れ幅です。この期間は円高が進み、円に換算した評価額を押し下げる力が働きました。
買い増しを検討する場合も、相場の高安を当てにいくのではなく、家計に無理のない金額を長く続けられるかどうかで決めたいところです。短期の値動きに振り回されずに済む仕組みこそが、積み立ての強みといえます。
出典
日本銀行 外国為替市況(日次)
財務省 外国為替平衡操作の実施状況(令和8年7月30日~令和8年8月26日)
執筆者 : 金子賢司
CFP
