60歳になったら資産運用を始めよう! 金融商品を選ぶ際に知っておきたいお金の基礎知識
配信日: 2019.08.10
手元のお金をただ貯金から切り崩すだけの場合と、運用してお金を増やしながら切り崩していく場合とでは、資産の減り方は大きく異なります。
資産運用を始めるにあたり、知っておいていただきたい基礎知識をお伝えします。
執筆者:新井智美(あらい ともみ)
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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お金を目的別に分ける
資産運用とは、いきなり何かに投資することではなく、自分の資産全体を色分けすることから始まります。
使う目的に応じて、手持ちのお金を「日常やいざというときに使うもの」「2~3年先に使うもの」「当面(少なくとも5年以上)は使う予定のないもの」の3つに分類します。それぞれにとって適切な金融商品を利用することが、資産運用です。
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【1】日常やいざというときに使うお金
当面の生活費、そして病気やケガの治療費などが該当します。当面の生活費とは、60歳以降であれば半年分を目安にするとよいでしょう。それに加えて、病気で入院するなどの緊急時に備える費用として、50~100万円を考えておくようにしてください。
これらのお金は「何かあったらすぐに使えるお金」として、必要になったときすぐに引き出せるよう、備えておくことがポイントです。
【2】2~3年先に使うお金
旅行や子どもの結婚費用など、今後2~3年以内に予定されているイベント費用が対象となります。また、ご自宅のリフォームをお考えの場合、その費用も加算しておくとよいでしょう。
このような費用は、一般的に「安全性資金」という言い方をします。使うまでは減らさないよう、心がけることが大切です。
【3】当面(少なくとも5年以上)は使う予定のないお金
10年以上先の生活費や、旅行を含めたライフイベントの費用が当てはまります。
もしお子さまやお孫さまに残す予定のお金があれば、それも含まれます。これらに該当するお金は「余裕資金」に位置付けられ、増やすことを考えて運用することが可能です。
目的に沿った金融商品を選ぶ
お手元の資産をグループ分けした後は、それぞれのグループに合った金融商品を選んでいきましょう。
まず、「日常やいざというときに使うお金」は「流動性資金」となりますので、預貯金などで管理しておくようにしてください。
「2~3年先に使うお金」については、先ほど述べたように「安全性資金」に位置付けられます。使う時期まで減らさないことを考えると、当てはまる金融商品としては「少しでも金利の高い定期預金や個人向け国債」「公社債」などが挙げられます。
最後に、「当面は使う予定のないお金」については「収益性資金」として、収益性の高い金融商品が向いているといえます。具体的には「株式」「投資信託」などが該当します。
資金には3つの性質があることをご紹介しましたが、すべてをカバーできる金融商品は存在しません。「絶対安全でお金が何倍にもなる商品」はあり得ないのです。
多くみられるのが、初めての運用で勧められるがまま、株式や投資信託を100万円単位で購入するパターンです。運用を開始するにあたっては、さまざまな注意点があることを理解する必要があります。
まずはご自身の資産を目的別に分け、それぞれに合った金融商品を選ぶところからです。
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)