更新日: 2019.11.27 その他資産運用

起業家にとってはまさに天使?彼らに資金提供する「エンジェル投資家」って何者?

起業家にとってはまさに天使?彼らに資金提供する「エンジェル投資家」って何者?
スタートアップで起業する方が増えています。しかし、シード期(準備段階)に金融機関から支援を受けるのはハードルが高いもの。
 
友人と出資し起業するのも、いろいろ問題がありそうだから不安。今、革新的な企業に注目し支援をしたい個人投資家が増えているそうです。多様化の時代、新しい起業スタイルが注目されています。
寺門美和子

執筆者:寺門美和子(てらかど みわこ)

ファイナンシャルプランナー、相続診断士

公的保険アドバイザー/確定拠出年金相談ねっと認定FP
岡野あつこ師事®上級プロ夫婦問題カウンセラー
大手流通業界系のファッションビジネスを12年経験。ビジネスの面白さを体感するが、結婚を機に退職。その後夫の仕事(整体)で、主にマネージメント・経営等、裏方を担当。マスコミでも話題となり、忙しい日々過ごす。しかし、20年後に離婚。長い間従事した「からだ系ビジネス」では資格を有しておらず『資格の大切さ』を実感し『人生のやり直し』を決意。自らの経験を活かした夫婦問題カウンセラーの資格を目指す中「離婚後の女性が自立する難しさ」を目のあたりにする。また自らの財産分与の運用の未熟さの反省もあり研究する中に、FPの仕事と出会う。『からだと心とお金』の幸せは三つ巴。からだと心の癒しや健康法は巷に情報が充実し身近なのに、なぜお金や資産の事はこんなに解りづらいのだろう?特に女性には敷居が高い現実。「もっとやさしく、わかりやすくお金や資産の提案がしたい」という想いから、FPの資格を取得。第二の成人式、40歳を迎えたことを機に女性が資産運用について学び直す提案業務を行っている。
※確定拠出年金相談ねっと https://wiselife.biz/fp/mterakado/
女性のための電話相談『ボイスマルシェ』   https://www.voicemarche.jp/advisers/781 

クラウドファンディングブームの裏に

「クラウドファンディング」ブーム、最近はみる機会は少し減ったかな?と思います。
 
クラウドファンディングとは「Crowd/群集」と「Funding/資金調達」を組み合わせた造語で、インターネット上で自分の夢や活動を報告し「共感」してくれた人から活動支援の資金を募るものです。
 
アラフィフの筆者には、なかなか共感しがたいものがありました。
そこで、ある若いクリエーターにインタビューしたところ「例えば、友人がカフェをやりたいという夢があって、そこに1000円投資をしてもし成功したら、その友人自身もハッピーだし、自分も友人が成功すれば返ってくるものがあるから」という答えが。
 
友人の幸せに協力をする優しさと、見返りを求める気持ちが共存している!なんて器用な感覚なのかと驚きました。
 
アラフィフ世代でもクラウドファンディングをしている人がいます。しかし、人によっては意外と評判が悪いこともあるのです。
 
「なぜあの人のよくわからない活動にお金を支払わなくてはいけないの?」と、そんなことを聞く機会があったからです。
 
実際に前述の若いクリエーターに「あなたはやらないの?」とたずねたところ、「面倒くさいから」とのこと。
 
その理由は、クラウドファンディングでは通常、投資金額により何かしらの「お礼」を送付するのですが、投資してくださった方々全員にそのお返しをするのが面倒だというのです。

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新しい資金の調達法は『エンジェル投資家』

クラウドファンディングに代わり、今注目されている資金調達方法があります。それは『エンジェル投資家』。なんとも可愛らしいネーミングですが、いったいこのエンジェル投資家とは何者なのでしょうか?
 
エンジェル投資家とは、創業間もない企業や起業したい若者に対して、資金を提供する裕福な個人のことのようです。ヨーロッパでは、「ビジネスエンジェル」と呼ばれているとか。
 
成長した自社株を大規模に売却し、巨額の資金を得た富裕層の人が、老後の道楽として、若者への資金提供をすることを目的としている人もいるようです。そして、将来的には見返りとして、投資先より株式や転換社債を受け取るそうで、リターンも見込んでいます。
 
しかし「10人に投資して、1人成功すればいいや」くらいの気持ちの余裕があるエンジェル投資家が多いとか。あまりにも太っ腹で、驚きました。正にエンジェル。
 
また、金融機関からの融資と違い、返済義務は生じません。しかしトラブルは回避したいものです。融資していただく際は、信頼できる人に相談をし、前に進んだほうが良さそうです。

エンジェル投資家の探し方

エンジェル投資家に出会える可能性がある身近なものは「マッチングサイト」。料金は月額無料〜1万円ほどで、投資家からメッセージを受け取れるものから、起業家から投資家へアプローチできるものまでいろいろあるようです。
 
また、税理士の横のつながりから投資家の情報を得て、紹介をもらう方法もあるとか。
 
まだまだ日本には『エンジェル投資家』の絶対数は少ないものの、一部の富裕層の中には「若い才能に投資する」ことや「投資した企業が成長する楽しみ」を生きがいとしている人もいるようです。

エンジェル投資家と起業家、それぞれが求める人物像

実際に投資してもらう起業家は、どのような人が選ばれるのでしょう。やはり「才能」や「将来性」「革新的な事業」に投資家は期待しています。
 
投資家に選んでもらうために、自分の強みを知り、PRがしっかりできる人が選ばれやすいとか。先の事業展開の発想も重要な要素。
 
一方で、起業家がマッチングしたい投資家は、二手に分かれています。
 
●アイデア・センスに細かい口を出さない人
●経営に関してアドバイスをしてくれる人
 
“お金は出しても口は出さないで派”と“世話をしてくださいね派”に分かれるようです。お互いが納得したら素晴らしいシステムでしょうね。
 
「自分は才能やアイデアに自信があるが資金がない」という人たちは、エンジェル投資家へPRをし、挑戦してみるというのもあり。人生100年時代、積極的に働きかけたいですね。
 
執筆者:寺門美和子
ファイナンシャルプランナー、相続診断士

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